World Jazz Gallery Presents

World Jazz Tour navigated by Jessica Williams

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IN The Pocket

 Room #06

Jessica Williams
"In The Pocket"

   (Hep Jazz HEP CD 2055)

Recorded on   July 28, 1993
Recorded at   Whitehorse Studio, Portland, Oregon
Recorded by   Bob Stark
Produced by   Jessica Williams & Alastair Robertson
Liner notes by   Dave Brubeck & Mike Davis
Issued in   1994  (HEP Jazz Production, Scotland)

1. Weirdo
    (Miles Davis)
2. A Girl In Calico
    (Arthur Schwarz / Leo Robin)
3. I Really Love You
    (Stevie Wonder)
4. Driftin'
    (Herbie Hancock)
5. For You Again
    (Jessica Williams)
6. Cheek To Cheek
    (Irvin Berlin)
7. I Remember Bill
    (Jessica Williams)
8. Ghost of A Chance
    (V.Young / N.Washington / B.Crosby)
9. Pfansing
    (Miles Davis)



Jessica Williams   (piano)
Jeff Johnson   (bass)
Dick Berk   (drums)

さしずめ、ピアノ・トリオ版の "The Next Step" と
いったところだろうか。前作から3週間を隔てて録音
されたこの作品もジェシカの「次なる一歩」を飾るに
相応しい力作となっている。自身の音楽に対して全幅
の理解と信頼を寄せて制作に取り組んでくれるレーベ
ルを見出したことは大きかったのではないだろうか。

トリオ作品ではソロピアノの場合とはまたひと味違っ
たジェシカを楽しむことが出来る。すなわち、音楽の
構造上のバッキングアップをドラマーとベーシストに
任せることにより、ピアニストとしてのジェシカ・ウ
ィリアムスの魅力がより明確に見えてくるという意味
で。ジェフ・ジョンソンとディック・バークの二人に
よる堅実なサポートのもと、満面に笑みを湛えながら
スィングするジェシカの表情が目に浮かぶようである。

スタンダードナンバーからモダンジャズやポップスの
名曲、そして自身のオリジナル作品までを含むプログ
ラム構成はジェシカのお得意とするところ。原曲の持
ち味を大切にしつつ、そこに彼女流のユーモアやアイ
デアが加わっていく。アメリカンポピュラーには隠れ
た名曲がたくさんあることを知ることができることも
彼女の作品を聴く愉しみのひとつである。

音楽における内面的な深みの面では後年の演奏に譲る
面があるかもしれないが、ジェシカが駆使するテクニ
ックのすべては既にここに現れていると言っても過言
ではない。「私が今までに聴いた中でも最高のピアニ
ストの一人」と賛辞を惜しまないデイブ・ブルーベッ
クのピアニストサイドからの解説も読み応えがある。
Edited by Kazunori KONO, May/22nd/2005   Back