LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)等への援助体制を
LDとは、基本的には全般的な知的発達に遅れは無いが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものです。
志木市では、昨年度から生徒指導専門部会を中心に研究を進めると共に、小学校低学年対象にボランティアカウンセラーが派遣されているものの、個別的な指導には及ばない状況です。
埼玉県では、2000年度初めて情緒障害児通級指導教室を制度化し、春日部市、上尾市が設置、LDの子どもたちも通常学級に在籍しながら週1〜2回設置校に通って個別指導を受けているということです。(01年度 草加、越谷、川越市も設置)
最大の課題は指導者の育成であり、設置市では長期研修や研究を重ね、数年がかりで育成をしてきたということです。
志木市では教育サービスセンターで1993年度から不登校児童生徒を対象とした適応指導教室(ステップルーム)、言語指導教室を設置しました。ステップルーム等への通級は、法改正により同年度から単位として認められるようになり、2000年度までに31人が中学校を卒業しています。言語指導は、教育相談を通じて幼児期から行い、小学校入学以前から成果をあげています。
LD、ADHD等、普通学級で様々な課題をかかえる子どもたちへの教育的援助についても、もっと早い段階で、積極的な指導者養成や研究の必要性について提言すべきであったと悔やまれます。1昨年の鳥取大学小枝教授の調査に拠れば、LDのうち小学生50%、中学生59.5%が不登校になっているとのことです。これら2次障害の防止のためにも、教育サービスセンターを中心に専門家との連携や指導者育成を一刻も早く行い、子どもたちや現場の教師、家庭にも適切な援助ができる体制づくりを強く求めました。
(2001年5月)
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