通学区自由化―学校選択制―について
子どもたちの教育現場に最も重要なものは「安心と信頼」です。1月13日、突然の新聞報道により、児童・生徒や保護者に不安や戸惑い、疑念を抱かせる状況を招いたことについてどう考えるか、3月議会で市長に質しました。市長「混乱した責任については、謝らなければならない。」 とのことでした。
そもそも、教育課程(カリキュラム)については学習指導要領第1章総則第1項にある通り、「各学校が地域や学校の実態及び児童・生徒の心身の発達段階や特性を十分考慮して編成すべきもの」を実質的に校長ができるようにすべきです。「地域や学校の実態」「心身の発達段階」に即した12校それぞれの特性を生かした教育の重要性について、私は従来から訴え続けてきました。
学習指導要領の各教科等の必要時間数を確保した上で、子どもたちの学力を補い、更に伸ばすために真に必要があるのなら、総合的な学習の時間を一定程度選択教科に充てる等の「カリキュラムの弾力化に関わる教育特区申請」もよいでしょう。
一方、「通学区自由化―学校選択制―」については従来教育委員会が定めていた通学区域(学区)指定をはずすことであり、他学区に行きたいと思っても「やむを得ない事情」等で教育委員会に特別に許可をもらわないと行くことができなかった状況が改善され、はばかることなく選択できるようになります。もちろん、従来通りの学区でよしとする場合はそれでよいのです。実際、以前から「早く自由化にならないか」との個々の要望があることも承知しています。
以上のように、「各学校の特性を生かした教育課程の編成」によって、子どもたちにとって魅力ある教育活動が全ての学校で展開されるための施策は、そもそも必要に応じて行っていくべきであり、その取り組みが結果として学校を自ら選んでいく場合の生きた指標となることが重要です。本来、「自由化のための特色化」であってはならないはずです。
しかしながら、「選ばれる責任・選ぶ責任」をかさなければ、教育改革は進まないのでしょうか?
次号では、今年度の予算編成から始まった「学校魅力化事業」(各学校独自の教育施策や企画に対して、従来教育委員会が持っていた予算をつけていく画期的な教育改革の取り組み)について、各校の奮闘ぶりを紹介しながら、考えてみたいと思います。
尚、学校選択制については、12月議会で市長が「16年度、中学校から」と答弁して以後、教育委員会からは「16年度以後を目指して」と説明されてきていますが、その内容については保護者の合意形成をはかり、充分な準備のもとにまちぐるみの理解と協力を得て進めなければなりません。
まだ、中学校教育自由化検討委員会も動き始めたばかりです。議会でも引き続きこの問題について取り上げていきます。皆様からの御意見をお待ちしています。
【詳細は議会会議録(一般質問)をご覧下さい。ご質問等は天田まで。】
(2003年5月)
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