介護保険制度と志木市の保健医療福祉の核としての市民病院の役割
市民病院では、2000年4月から介護保険サービスとして、理学療法士による訪問リハビリテーションを開始すると共に、居宅療養管理指導も行います。
一方、昨年増築改修したリハビリ室は、厚生省基準では病院専用にしか使えず、介護保険サービスの通所リハビリテーションの実施には専用のリハビリ室が必要とのことです。さらに、現在100床中80床程度しか稼働せず、介護保険制度による社会的入院の解消により更なる減収も予想される中、収益確保につながる「経済性」・患者が転院の苦労を強いられずに療養できる「公共性」の観点から、将来的には療養型病床群への病室単位の指定が認められるよう、厚生省に働きかけていきたいと思います。
保健福祉常任委員会で視察した、広島県御調町の公立みつぎ総合病院を中心とした地域ケアシステムは、入院と同時に在宅での生活を想定した保健医療福祉の連携によるまとまったサービスが提供され、町ぐるみで寝たきりを高齢者中1%とし、圏域全体の在宅福祉の中核となっています。そもそも自前で先進的なサービス供給体制をつくってきたので、介護保険制度で介護報酬が入るようになればむしろ助かるとのことでした。
市民病院としても、開業医との連携をはかりつつ、「市民にとって必要なサービスを身近な地域で」の二一ズに応えるべく、通所リハビリテーションの供給体制について検討すべきではないか。さらに、2年連続1億円近い赤字決算に加え、開設以来最も厳しい経営状況に立たされている今こそ、経営計画を立て、往診体制の検討・市の各種リハビリ事業のセンター的役割を果たす等、自ら課題を立て、市民や利用者にその経営理念とサービス内容が見えるようにしていくべきではないかと提言しました。
(2000年1月)
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