志木市立市民病院の再生に向けて
天田いづみは幼少時から喘息、自家中毒等、病院の医師、看護師のおかげで命救われてここまで生きてこられました。
志木市には近隣自治体にはない市民病院があり、市議として関わるのは天命と、1998年からずっと市民病院に関わる委員会に所属し、調査、提言を重ねてきました。
穂坂市長時代には一時売却・民営化の意見も出され、そのことにより市民病院は医師不足の中、一層厳しい状況に置かれていました。
そうした中、市民病院には市民の税金年間約2億(地方公営企業法に基く法に定められた負担であり、運営費補助、いわゆる赤字補填は1998年から殆んど行われていない)が使われていることを知ってなお、市民アンケートで8割が必要であるとする市民のニーズを踏まえ、私は一貫して市民病院の再生を求めてきました。
当時から主張してきた地域医療連携、小児科重視、リハビリテーション等高齢者医療の機能充実、自治体間の広域的運営、地方公営企業法の全部適用等について、長沼市長の公約であるルネッサンス(再生)プロジェクトで検討すべきと、長沼市長の初議会で提言。医師確保についても市長自ら積極的に動いて欲しいとお願いしてきました。
2007年度には市民病院再生計画に基き努力した結果、今年度にかけて常勤医師は8人から13人に5人増、議会の議決を経て、地方公営企業法の全部適用についても実現しました。
これにより、院長が病院事業管理者となり、経営責任の明確化、病院職員の意識改革等が図られることとなりました。
また、私自身も胃カメラによる検査を受ける中で市民の方々の切実なご要望をいただき提言、鼻からも挿入できる胃カメラ(上部消化管汎用ビデオスコープ)購入(2006年度)により、患者のニーズに合わせた内視鏡検査体制も整いました。
さらに、リハビリテーション科を位置づけ、理学療法士を3人に増員するとともに、臨時職員対応で小児科専門の作業療法士、言語聴覚士を任用し、専門職の連携による小児のリハビリテーションが展開できるようになりました。将来的には市民や利用者からの要望を踏まえ、訪問リハビリや訪問看護等の在宅支援を拡充していくことも考えていく必要があるということでした。
収益増に向けては、医療事務経験者を採用するとともに、診療報酬改定に対応し、7対1看護体制をとることにより増収を図る方向で、試行しているとのことです。
市民病院は耐震基準はクリアーしているので、2階病棟のトイレ改修等、現在の施設の中での改善にも取り組んでいます。
さらに、患者や市民へのタイムリーな情報提供や意見の反映を求めてきましたが、ホームページをリニューアルするとともに、ご意見ご要望への迅速な対応にも努めている様子。
今後はオーダリング・システムや電子カルテの導入を検討し、待ち時間の短縮や、より一層のチーム医療の推進にもつなげたいということです。
市民病院の小児科は近隣自治体からも頼りにされる存在ですが、軽症患者まで診なければならないとなると、入院を必要とする二次救急医療機関としての本来の役割が充分に果たせず、医師の負担も重くなります。
そこで、4月から朝霞地区医師会の開業医のご協力をいただき、「小児救急地域連携事業」が始まりました。開業医の方々が交代で、市民病院で軽症患者を診て下さる(一次救急)ことにより、市民病院の小児科医は大変助けられているということです。
今年度は、各医療保険者に義務化された特定健診・特定保健指導を実施しながら、2009年度に向けて総合健診センターを整備し、がん検診も合わせて行えるようにしていく予定です。特定健診だけでなく、がん検診の受診率向上を組み合わせた健診体制とすることで、疾病を早期発見する医療機関としての役割を果たしていく方向性を明確にしたものです。私が従来から主張してきた、予防医療の機能充実です。
また、志木市の医療政策の方向性や医療情報などを積極的に提供する「志木市版の地域医療計画」を2008年度に市民と協働して策定し、市民の医療ニーズに応えていく予定です。
市民が自宅で倒れた場合、急性期の医療機関、回復期リハビリ機能をもつ医療機関を経て、自宅に戻るまでの切れ目のない医療をどう提供できるのかということを、脳卒中、急性心筋梗塞、がん、糖尿病の4疾病について明示したいと考えているとのこと。
5月17日には、志木市初の「第1回・志木市地域医療フォーラム」に私も参加しました。会場では、市民や地域の開業医からも積極的な発言があり、市民・医療関係者・行政が共にみんなの医療を考える大変良い機会となりました。
このような取り組みは今後も継続していくと共に、今回いただいたご意見を地域医療計画に反映していきたいということです。
私も、少子高齢化の中で、市民に少しでも利用しやすく安心できる地域医療体制に向け、提言を続けていきます。皆様のご意見をお寄せ下さい。
(2008年6月)
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