柳瀬川対岸富士見市水田の農薬空中散布
来年度に向け見直しを検討中
 志木市長から富±見市長宛の「飛散防止を求める要望書」も今年(1999年)で3年目となり、富士見市も、防除協議会等関係者と共に来年度に向けて見直しを検討中とのこと。1993年以来の働きかけにようやく応える動きが出てきました。
 「苗床の段階で消毒することにより年2回の散布を1回にできないか検討中だが、コストの問題等調整が必要で結論には至っていない。志木市に言われたからということではなく、環境に配慮するのは当然のこと。」と、富士見市の担当者。(2000年度から年1回散布となる)
 埼玉県では1997年より「有機100倍運動」で、2010年までに農薬・化学肥料の半減をめざしています。富士見市関係者の前向きな取り組みを期待します。
志木市荒川堤外(河川敷)水田で有機米づくり
宗岡コシヒカリクラブ発足収穫は8月下旬
 1992年東京都朝霞浄水場の水道水から、志木市荒川堤外での空中散布農薬が検出され、1993年より志木市での空中散布中止に向けて活動すると共に、農家の方々に低農薬米を作っていただけるよう農業関係者に働きかけてきました。
 1994年、農薬取締法改正により河川敷での空中散布は中止されました。
 1993年には県内初のアイガモ農法、1994年には低農薬有機米づくりが生産者・農業委員会・宗岡農協(現在はJAあさか野宗岡支店)・志木市・県農業改良普及センターの協力により始まり、市民へのPR・見学会・米の買い上げ等を支援してきました。
 学校給食でも利用されている低農薬有機米(種子消毒、除草剤1回、有機肥料使用+状況に応じ薬剤の使用1回まで)の生産者の一人に伺ったところ、「今年は藻が発生し、稲の生育に影響するので藻を抑える薬剤を使用せざるを得なかった。」など、試行錯誤で苦労されている様子。それらを、給食試食会を通じ栄養士が保護者や子どもたちに伝えている学校もあります。
 そんな中、6月4日には、宗岡地区の生産者13人による「宗岡コシヒカリクラブ」が発足しました。
 これまでの市補助金による市街化農地(堤内)での作付けのみならず、昔ながらの優良農地である荒川堤外(河川敷)の水田で低農薬有機米をつくろうという生産者の自主的な取り組みが始まったのです。今年の作付けは計215,000uです。
 宗岡の稲作の歴史は水害との闘い、コメの生産調整による減反、労働力軽減と自らが農薬被爆しないための空中散布も中止と、苦労の連続でした。
 地域の中で食糧を自給することは、環境負荷をかけない資源循環型社会の原点です。私たち市民が地域のコメを食することが、農業を持続し、農地の保全につながります。
 昨年収穫された宗岡コシヒカリのうち23tは、JAあさか野志木支店・宗岡支店で8月初旬までに完売となりました。買い支えてくださった全ての方に感謝します。
 「1日1食宗岡のコメを食べよう。」(宗岡コシヒカリの購入はJAあさか野志木支店471-3108及び宗岡支店471-0011、5s以上配達可)
(1999年8月)
農薬空中散布(ラジコンヘリ)が続く
富士見市水谷たんぼ(柳瀬川対岸)
低農薬米も栽培されている
荒川堤外(河川敷)の水田

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