どうなる西原特定土地区画整理事業
組合は収入支出のバランスのとれた事業計画の見直しを
土地区画整理事業とは?
 西原特定土地区画整理事業は1969年に土地区画整理区域の都市計画決定がなされ、1984年3月に組合施工として埼玉県知事による事業認可を受けています。
 事業区域は幸町1〜4丁目にかかる37.8ha。組合員は事業区域内の権利者316人で、理事長、副理事長2人をはじめとする理事会(定数16人)が事業執行の責任を負い、各地域からの代表で構成される総代会(定数45人)が事業執行をチェックする議会の役割を果たします。
 土地区画整理事業は減歩により一定割合(当組合は減歩率19.77%)の私有地を道路、公園、コミュニティー施設等の公共用地に置き換えると共に、売却して事業費に当てる為の保留地(9,760u、換地設計上は一般保留地・希望保留地・付保留地合計13,800u)を生み出すものです。
 全国の区画整理の減歩率の平均は約30%ですが、当組合では20%を越えないという設立当初からの申し合わせにより、19.77%となっています。
 84年事業認可当初は公民館用地も計画の中に入っていましたが、組合員要望に基づき道路を増やす等により、平成2年に埼玉県都市整備公社により作成された現在の計画には、公民館用地は入っていません。
現在の計画では収入より支出が超過
 市の組合に対する支出は昭和58年〜平成9年度合計約5億2,000万円です。
 この中には土地区画整理法に基づく負担金、組合運営費補助金(年間450万円)、区画整理事務所に技術支援として配置されている市職員4人分の人件費が含まれています。
 一方、平成9年度末の組合の借入金は5億50万円、平成10年度中に保留地を処分できる見込みがない為、平成10年度末の借入金は6億円に達する見込みであり、大変な借金財政です。
 しかも、現在の計画では斜面林の中に不定形の保留地が4ヵ所ばらばらに存在しています。バブル以前であればともかく、北向き斜面の分散された保留地価格は当然のことながら下落し、収入減が予想されます。
 さらに、平成10年度の組合事業として、斜面林中の道路計画のための擁壁の基本設計が、現在行われています。計画どおり擁壁を造成し、斜面の中に6m道路を3本も通すとなれば、支出が収入を10数億円上回る事が予想されます。
このままでは賦課金徴収? 収支のバランスのとれた事業計画見画しを!
 収入より支出が上回るというような事態になった場合、その赤字分はどうなるのでしょうか。
 収入をもって支出に当てることができない場合、土地区画整理法では組合員から賦課金を徴収することができるとされています。万が一にも賦課金徴収というような事態は避けなければなりません。
 そのためには、平成11年度中の事業計画の見直しの中で、事業内容を収支のバランスのとれたものに変更していく必要があります。
 次のような案はどうでしょうか。
斜面林内保留地を公園予定地に置き換え収入増を!!
斜面林は都市緑地として保全し支出減を!!
 収入増については、斜面の中に換地されている保留地を平坦地に置き換えます。既に仮換地指定も行われているので、その影響を最低限に留めるため東武東上線沿いに換地設計されている3,300uの公園予定地に置き換えます。
 支出減については、斜面林を都市公園法上の都市緑地と位置付け保全することにより、道路・擁壁等の工事費を大幅に減らします。
 なお、斜面林保全については、本年3月16日付で市内の環境保護団体より要望書が土地区画整理組合理事長宛に提出されています。
 1996年1月26日には、市文化財保護委員会から斜面林内の市指定文化財(塚の山古墳、鎌倉街道跡)の保存を求める要望書が提出されています。
土地区画整理組合理事会は全組合員に情報提供を
組合員は総代を通して意見表明を
 区画整理が進まず生活設計の目処が立たないにもかかわらず、組合員の皆さんがあまりに実情を御存知ないことは驚くばかりです。
 例えば、未だに区画整理区域内に「図書館ができるんじゃないの?」また、「えっ!斜面林の中に保留地があるなんて…」という状況です。
 一刻も早く、権利者である組合員に対する現状に基づく正しい情報提供が必要です。
 1999年度中に事業延伸のため県知事による事業認可をとらなければ、2000年度以後国・県からの補助金は降りません。
 既に、県からは「事業内容の変更を伴わなければ事業認可できない」との指導を受けているとのことです。
 国・県・市それぞれ税収が減り厳しい財政状況の折り、健全な事業と認められなければ補助金を支出できないのは言うまでもないことです。
 理事会は、健全な資金計画に基づく事業計画案を早期に作成し、総代会に諮るべきです。その際、幅広い市民の立場に立っての市の適切な指導助言が重要であることは勿論です。
 6月議会では、以上何点かの重要な指摘を行いました。(詳しくは会議録参照。図書館・市役所市政情報コーナーでご覧になれます。)
 組合施行である以上、私たち市議会議員といえども直接の権限は及びません。組合員の皆さんが、その権利と責任において、総代を通じて率直に意見を表明されることを強く望みます。

(1998年11月)

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