斜面林は市の公園として保全
事業計画変更した西原特定土地区画整理事業
1969年都市計画決定、1984年3月に組合施行として事業認可を受けたものの、2000年度までの整備関連進捗率26%と、停滞していた区画整理事業がようやく動き出しました。
84年以後事業計画変更を重ねるうち、バブルははじけ、地価は下落の一途をたどり、区画整理のメリットよりも負担感が権利者に広がる中、99年に国から、公共事業の見直しの中で、今後5年間で完成させなければ補助金は出せないといわれ、危機的な状況となりました。
99年9月から新体制となった組合理事会が中心となり、区画整理の早期推進を目標に、組合員(権利者)への情報公開と説明責任を果たすべくブロック毎の説明会等を重ねながら、2001年3月の事業計画変更に向け、週1度ペースの理事会開催等大変な苦労を重ね、3月2日、ようやく事業計画変更(第5回)の事業認可が下りました。
事業計画変更のポイント
(1) 事業施行期間
2001年度から5年間で工事を終了、精算を経て2007年度に完了する
(2) 総事業費の抑制
総事業費
減歩率
変更前計画 1990年
51億円
19.77%
見直さない場合 2000年
(シミュレーション)117億円
28.00%
変更後計画 2001年
93億円
23.59%
見直さない場合の赤字分は賦課金として組合員の負担となる !!
(3) 収入増対策として
減歩率の増により、売却可能な保留地を増やす
主な収入
変更前
変更後
国庫補助金
14.0億円
10.8億円
〃 (県負担)
3.6億円
9.9億円
〃 (市負担)
3.6億円
9.9億円
保留地処分金
29.0億円
(9,760u)55.0億円
(25,930u)市補助金等
1.1億円
4.0億円
(4) 支出削減対策として
その1
変更前 … 斜面林を開発し、擁壁を造成し宅地化
変更後 … 組合員の総意として、貴重な緑地である斜面林を街区公園として位置付けて保全する
その2 現況道路を生かす
移転家屋を240戸から157戸に減らす(結果として権利者の負担も軽減される。)
その3 工事の発注方式の見直し等の経費節減。小工事の単独発注から年度毎の一括発注等を検討
(5) 市の公益施設用地は
市有地をまとめて換地し、隣接保留地を市が購入することにより、約2000u分を(仮称)生涯学習センター用地として設定し、市は組合員の要望に応える。
今後、仮換地指定の手続きを経て、すぐさま工事に入り、今年度中に保留地の一部を売却し、小松フォークリフト跡地に長谷工等が建設中のマンションの換地による保留地買取金3億円を含む6億円近くを2001年度収入として見込んでいます。
2001年度までの借入金見込みは8億円を超えており、従来のような停滞は許されません。市としても、技術援助のための職員を5人から8人に増員して支援体制を強化しました。
373名全ての権利者の利害の調整は大変なことと思われますが、今度こそ“組合員による組合員のための区画整理”として、市民の立場から見ても適正なあり方で期間内に完了されるよう、調査、提言を続けていきます。
(2001年5月)