World Jazz Gallery PresentsAspects in World Jazz |
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Gallery #002Afro-Peruvian Music Meets Jazz |
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ペルーが生んだ鬼才 Richie Zellon が切り開く |
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ラテンジャズが「アフロ・キューバン・ジャズ」の代名詞のよ うに認識されていたのも今は昔。キューバより南のラテンアメ リカ諸国から素晴らしいジャズミュージシャン達が続々と登場 しており、彼らの活躍により「ラテンジャズ」の地平線は確実 に拡がりを見せる様相にある。 アフロペルー音楽のリズムを導入することによりユニークなジ ャズを創造することに成功したペルー出身の作曲家/ギタリス ト Richie Zellon もそんな開拓者達の中の重要な一人と言え るだろう。Zellonの父はペルー在住のアメリカ人であるが、母 はジョビンをこよなく愛したブラジル人。ペルー音楽と母親の ピアノ演奏が Zellon の音楽形成に大きな影響を与えたという。 1994年にリリースされた "Cafe Con Leche" はアフロ・ペルー 音楽とジャズの邂逅を記録とした記念碑的な作品と言えよう。 録音はボストン、LA、およびリマ(ペルーの首都)の3カ所 で行われた。とくに本作品を締め括るリマ収録の4曲がひとき わ感動的である。Horace Silver と Charlie Parker の名曲、 ペルーが生んだ最高の音楽家のひとり Chabuca Granda に捧げ られた作品などが堪能できる。 このCDの特筆すべき点は、やはり全12曲中9曲がアフロペ ルー音楽の代表的なリズム(festejo, lando, marinera)を用 いた曲で占めるられていることであろう。アフロキューバン系 のリズムは Songo(1曲)のみで、その他もピアソラに捧げら れたタンゴと、コロンビアはもとより南米大陸で広く愛好され ているクンビアという徹底ぶりである。 2作目の "The Nazca Lines" は Richie Zellon の自画像とも いうべき作品。Jimi Hendrix の "Fire" と "Purple Haze" が ラテンジャズとして新たな生命力を得たことは大きな驚き。そ のほか、ドミニカのメレンゲ、ブラジルのサンバ、コロンビア の vallenato といったラテンリズムが新たにメニューに加わ った。エリントンナンバーの "In A Sentimental Mood" も意 表をついたタンゴで楽しむことができる。 Richie Zellon 本人がカリブの海賊?に扮したジャケットがひ ときわ目を引く3作目の "Metal Caribe" は遊び心に溢れた作 品。Caribbean Jazz Project の中心人物である Dave Samuels, ベネズエラ出身の Edward Simon といったカリブ海ゆかりのミ ュージシャン達の参加が彩りを添えている。クレズマー風の作 品からプロコフィエフの「ピーターと狼」まで、Zellon の飽 くなき探求心は止まるところがない。 Richie Zellon が創設し、ユニークなジャズを世に送り出して きた Songosaurusレーベルは数年前に消滅状態となりファンを やきもきさせていた。しかしながら、最近 Zellon 自身のウェ ブサイト(下記)が開設され、ここで紹介した3枚のCDの試 聴と購入が再び可能となった。Richie Zellon's website |
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Richie Zellon
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Edited by Kazunori KONO, Dec/1st/2003 Back   |