World Jazz Gallery PresentsAspects in World Jazz |
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Gallery #003The Golden Age of the Music of Duke Ellington |
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20世紀を代表する音楽家の一人エリントン、その偉大な |
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ジャズの解説書では常に最高級の賛辞をもって紹介されるデュ ーク・エリントン。でも、エリントンの音楽は実際にはどのく らい愛されているのだろうか? ジャズの書籍がたくさん置い てあるような大きな書店でも、背表紙に「エリントン」の文字 が記された本にお目にかかったことがほとんどない。 かくいう私も、エリントンの音楽に真剣に向き合うようになっ たのはここ数年来のこと。レコード店で何となく目に止まった "The Best of Early Ellington"(1926年から1931年の間に収 録された演奏のベスト盤)を手に入れたことがきっかけであっ た。スィングよりさらに前の時代のジャズに対する認識を完全 に変えてしまうくらいに、この1枚との出逢いは衝撃的だった。 ちょうどそんな頃、ニフティサーブのジャズ・フォーラムでは 1924年から1947年までのエリントンの演奏を収めた40枚組のCD ボックス(で1万円以下という廉価)のことが話題になってい た。そのフォーラムの場で「エリントンのベストの演奏が聴け るCD」として大推薦されたのが"The Blanton-Webster Band"。 Jimmy BlantonとBen Websterがメンバーとして加わった1940年 から1942年の頃の史上最高のバンドによる演奏が収められた3 枚組のセット。この世界を知らずしてよくぞ今まで、と思った。 もう止まらなくなった。"Early" と "Blanton-Webster"の2つ の「点」を結ぶ「線」がとても気になる。そこで手にしたのが "Blanton-Webster" でも大活躍の歌姫 Ivie Andersonの歌もの を中心に編集された"Duke Ellignton Presents Ivie Anderson"。 30年代のエリントンのバンドが "Blanton-Webster" に向けて 充実の度を高めていく様子が(駆け足ながら)わかった。 エリントンへの興味は「線」から「面」へと拡がっていく。件 の40枚組にたどり着くまでにそう時間はかからなかった。40年 代の終わりが近づくとまた20年代の演奏を聴きたくなるといっ たことの繰り返しが5回くらい続いた。1928年のコットン・ク ラブ出演を期に自己の方向性を確立。30年代前半には様々な音 楽の要素を採りいれながら表現の幅を拡げていき、いつしかバ ンドはオーケストラへと成長する。そこに満を持して Blanton とWebsterが加わったのだから最高の音楽にならない訳がない。 エリントンといえば「ジャングル・スタイル」。でも私が一番 惹かれるのはリード群(サックスとクラリネット)によって奏 でられる愁いを帯びたサウンドである。このアンサンブルを聴 くのが楽しみでエリントンを聴いているようなところがある。 エリントンが傾倒したと伝えられるディーリアスの音楽の影響 も感じさせる(一抹の哀しさと)優しさに溢れた音だと思う。 エリントンの偉大さについては語り尽くされていると思うが、 強いて付け加え(?)れば、その音楽の発展過程が正規の録音 で残されていることではないかと思う。ベートーベンやモーツ ァルトは自分たちの時代に録音装置がなかったことを残念に思 っているかもしれない。もっとも、現代のオーケストラの演奏 水準の高さにはびっくり仰天しているかもしれないが...。 |
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Duke Ellington |
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Edited by Kazunori KONO, Jan/16th/2004 Back   |