World Jazz Gallery PresentsAspects in World Jazz |
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Gallery #008The Beautiful Memories of New York Salsa in 70s |
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オスカル・デ・レオンの歌声が導いてくれた70年代の熱き |
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世の中に「サルサ」という音楽が存在することを知ったのは 70年代半ばのことだった。愛聴していたNHK(FM)の 「ラテンタイム」で谷川越二さんが取り上げられた、サルサ の伝説的なアルバム、ファニア・オールスターズの「ライブ ・アット・ザ・チーター」(1971年収録)が最初の出逢い。 ある意味でショックであった。当時の日本で紹介されていた ラテン音楽といえば、タンゴ、サンバ、フォルクローレ、マ リアッチ、ラテンポップスなどの(あくまでも)中南米音楽。 アメリカのニューヨークにこんなエキサイティングなラテン 音楽が存在することは知るよしもなかった。ただ、サルサに のめり込むまでにはもう少し時間が必要だった。 民放系のFMで月曜日の深夜に「きまぐれ飛行船」という番 組が放送されていた。片岡義男氏がDJを務めていた、純然 たる音楽番組ではなかったが、ジャンルにとらわれない(番 組の名に恥じない、きまぐれな?)セレクションが魅力で、 夜更かしをして聴いていた。 70年代も終わりに近いある日、「今夜はサルサを」という 紹介で最初にかかったのがオルカル・デ・レオンだった。ベ ネズエラが生んだサルサ界最高のスターのひとり。その素晴 らしい歌声とやや哀調を帯びたブラスセクションの掛け合い が心に滲みた。タイトルは定かでなかったが、輸入レコード 店で偶然手にした "El Oscar de la Salsa" から「あの夜」 と同じサウンドが飛び出してきた時はとても嬉しかった。 それからしばらくは、サルサに夢中になった。国内盤でも名 盤が次々にリリースされるという幸運もあった。最終的に私 の心を捉えたのはルイス・ペリーコ・オルティスの洗練され た作品群なのだが、他に印象に残っている2枚を挙げると、 レイ・バレットの「リカンストラクション」とティピカ73 の「チャラングェアンド」ということになる。 前者はジャズテイストが濃厚で、後者はサロンの香りも漂う チャランガテイストとスタイルこそ異なるものの、「熱いサ ルサ」であることに変わりない。ティト・アジェン(vo)、サ ル・クエバス(b)、アルフレド・デ・ラ・フェ(vn)といった 生きの良い若手ミュージシャン達が思う存分暴れまくってい る演奏スタイルに当時の勢いを感じる。 「リカンストラクション」にもクレジットされているラルフ ・イリサリー(ルベン・ブラデスのバンドのティンバレス奏 者だった)が率いる "Timbalaye" が展開している元気いっ ぱいの演奏を聴いていると、70年代NYサルサの熱い血は 今もしっかりと受け継がれていることが感じられて頼もしい。 |
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Oscar D'Leon |
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Ray Barretto |
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Tipica 73 |
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(1) TH 2026 (1977) |
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Edited by Kazunori KONO, September/12th/2004 Back   |