World Jazz Gallery PresentsAspects in World Jazz |
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Gallery #010Afro-Peruvian Music Meats Jazz Vol.2 |
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アフロ・ペルー音楽とジャズの邂逅。復活した「ソンゴサウルス」 |
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今はお店の名前も形態も変わってしまったが、大宮駅前アルシェ の4階にあるCDショップ(のバーゲンワゴン)は、私にとって 素晴らしい出逢いを提供してくれる場所だった。ジェシカ・ウィ リアムス、ポルトガルやスペインそしてポーランドの熱いジャズ は、すべてそこで「偶然に」発見された。中でももっとも強烈に 印象に残る1枚はソンゴサウルス・レーベルよりリリースされた ホセ・ルイス・マドゥエノの「チルカーノ」である。「サウス・ アメリカン・ジャズ」への新たな道のりはこうして拓かれた。 ソンゴサウルスはペルー出身のギタリスト、リッチー・セーロン によって創設された異色のジャズ・レーベル。これまでラテンジ ャズにも殆ど取り入れられる機会のなかったFestejoやLando等の アフロ・ペルー音楽の要素を積極的に導入することで、ジャズの 地平線を一気に南米大陸全般にまで押し広げることに成功したジ ャズ史に残る重要レーベルのひとつ、と個人的には思っている。 「チルカーノ」は現在のペルーを代表する一人の音楽家(ピアニ スト/作編曲者)の才能を記録した充実した作品となっている。 この1枚のCDに出逢ったことがきっかけで、ソンゴサウルス・ レーベルからリリースされたすべてのCDをウェブサイト経由で 入手することになった。枚数にして9枚と、けして数が多いわけ ではないが、丹念にプロデュースがなされた逸品ぞろい。発売予 告リストに載っていたオスカル・スタニャロ(「カリビアン・ジ ャズ・プロジェクト」他での活躍でも知られるペルー出身のベー シスト)の "Mariella's Dream" は鶴首していた1枚だった。 しかしながら、そんな期待を裏切るかのようにソンゴサウルスは 消滅してしまった。詳しい経緯はリッチー・セーロンのウェブサ イトに彼自身の独白の形で紹介されている。要はまったく採算が 取れなかったとのことである。最高レベルのミュージシャンを集 めて作られた創造的かつ革新的な作品が「売れない」というだけ の理由で世の中から消えてしまうのは残念なことである。 が、ソンゴサウルスは見事に復活を果たした。2004年にリリース された "An Evening of South American Jazz" (ライブ録音) は 密やかながらも力強いメッセージが込められた意欲作。「サウス ・アメリカン・ジャズの時代到来」を期待させる1枚でもある。 |
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Jose Luis Madueno |
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Oscar Stagnaro |
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Richie Zellon "An Evening |
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(1) songsaurs sng.724774 (1996) |
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Edited by Kazunori KONO, March/10th/2005 Back   |