World Jazz Gallery PresentsAspects in World Jazz |
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Gallery #011In Her Own Sweat Way with Alto Flute |
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アリ・リャーソンのアルト・フルートによるくつろぎと |
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ジャズにおいて「癒し系」の管楽器は? アリ・リャーソンの奏 でるアルト・フルートに耳を傾けながら、ふとそんなことを思っ た。もともとこの楽器を専門に吹いている人が少ないこともあっ て、なかなか耳にする機会の少ない楽器だが、落ち着いた深みの ある音色によって(煌びやかさはなくても)控えめに語られるジ ャズもなかなか魅力十分だと思う。 アリ・リャーソンはアメリカの女性フルート奏者。欧州を拠点に 地道にキャリアを積み重ねてきた人であり、現在のジャズシーン におけるトップフルーティストの一人と位置づけられている。リ ーダー作品も少なくないが、彼女の魅力を多くのジャズファンに 知らしめたのは、赤を基調としたイラストによるジャケットが印 象的な "Brasil: Quiet Devotion" ではなかっただろうか。 実は、私がアリ・リャーソンその人を知ったのもこのCDだった。 ブラジル出身のキーボードの魔術師、ウェベル・イアーゴ(新生 タンバ・トリオの一員としエルシオ・ミリートとともに来日した ことでも知られる。)の素晴らしいアレンジに乗って、アリ・リ ャーソンが熱演を聴かせてくれる名品。もちろん、アルト・フル ートが主役という訳ではなく、どちらかといえばフルートと吹き 分けている感じではあったが。コンコードから一足先にリリース された2枚のカルテット作品 "Portraits In Silver" と"In Her Own Sweet Way" も同じような印象だった。 そんなイメージを吹き飛ばしてくれたのは、名手ジョー・ベック とのデュオ(+パーカッション)により録音された「アルト」だ った。アリ・リャーソンはすべての曲でアルト・フルートを演奏 し、ジョー・ベックが使っているギターもアルト・ギターという 徹底ぶりである。ジャズスタンダードやビートルズナンバーなど お馴染みの曲を題材としながらも、リラックスした雰囲気の中に 創造的なソロが愉しめる洒脱な作品に仕上がっている。 続いて出された「ジャンゴ」(2001年)でもこの二人の息はぴった り。何とか生で聴いてみたい。アリ・リャーソンの息づかいが聞 こえるくらいにアコースティックが優れたスペースでこの珠玉の デュオを聞けたら最高の夜になることは間違いないのだが...。 |
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Ali Ryerson |
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Ali Ryerson |
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Joe Beck & Ali Ryerson |
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(1) Concord Picante CCD 4762-2 (1997) |
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Edited by Kazunori KONO, June/27th/2005 Back   |