World Jazz Gallery Presents

World Jazz Tour navigated by Jessica Williams

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 Room #02

Jessica Williams
"Heartland"

     (EAR-ART EA-1035CD)

Recorded at  QUANTA Studios, Sacramento,
CA, in November and December, 1989
Issued in  1990 (EAR-ART Productions, USA)

1. Heartland
    (Jessica Williams)
2. The Cosmic Wheel
    (Jessica Williams)
3. Animal Logic
    (Jessica Williams)
4. The Integral Trees
    (Jessica Williams)
5. Ishtar
    (Jessica Williams)
6. Skyscape
    (Jessica Williams)
7. Crystal Bay
    (Jessica Williams)
8. Monkey Business
    (Jessica Williams)
9. Prayer fot the Mother
    (Jessica Williams)


Jessica Williams : Synthesizers


Jessica Williams : Engineer
Jessica Williams : Producer
Elaine Dahnert : Liner notes

この "Heartland" は "This is not a jazz album." とい
うJessica Williams本人の但し書き付きが付けられている
作品。全編にわたってシンセサイザーによるヒーリング・
ミュージックが展開されている。

Jessica Williamsはソロピアノ演奏を聴いてもわかるよう
に、磨き抜かれたタッチに定評があるピアニストであるが、
実はハンコックも顔負けのエレクトリックジャズの達人。
その腕前の程は、"Virtual Miles" や "Jazz Impressions
of Spain"(2000年、2001年にそれぞれリリース)にいかん
なく発揮されている。

良くも悪くも70年代のエレクトリックジャズのサウンドを
象徴するような存在だったシンセサイザー。当時のアルバ
ムを聴くとある種の郷愁(古めかしさ)を感じるのも確か。
ただ、OPAで活躍したHugo Fattorusoのようにシンセを
効果的に使った人がいなかったわけではない。(おしなべ
てラテン系の人はシンセの活かし方が巧いように思うが。)

最近ではMr. Fingers こと Larry Heard のように、エレク
トロニクスの技術を駆使して独自の感性にもとづく音世界
を構築している人がいる。この作品においても、Jessica
Williamsは、時にコミカルな表情を交えながら、エレクト
リックサウンドからヒューマンな響きを導き出している。

Jessica Williams はもちろんピアニスト。だが、ピアノに
特別の拘りを持っているわけではなく、ピアノ以上に自分の
意思を伝えることが可能な楽器が見つかれば、そちらの方に
乗り換えると語っている。彼女自身が改良を重ねているシン
セサイザーが「そちらの楽器」になるのかもしれない。

90年代はソロとトリオ演奏に注力してきた Jessica でった
が、21世紀はエレクトリックジャズに新境地を見いだそうと
しているようにも見える。本格的にソロピアノに取り組む前
に録音されたこの作品を聴きながら、そんなことを思った。

The beautiful website of Jessica Williams
Edited by Kazunori KONO, January/12th/2004   Back