World Jazz Gallery Presents

World Jazz Tour navigated by Poncho Sanchez

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Sonando

 Room #02

Poncho Sanchez
"Sonando"

   (Concord Picante CCD-4201)

Recorded at  United/Western Studios,
Hollywood, CA, in August 1982
Issued in  1983 (Concord Records, USA)

1. Night In Tunisia
    (F.Paparelli/J.Gillespie)
2. Sonando
    (Pete Terrace)
3. The Summer Knows
    (M.Legrand/A.Bergman/M.Keith)
4. Con Tres Tambores Bata Un
   Quinto y Un Tumbador
    (Eduardo Angulo)
5. Este Son
    (P.Sanchez/J.P.Hernandez)
6. Almendra
    (Abelardo Valdes)
7. Sueño (Chalie Otwell)
8. Cal's Pal (Eddie Cano)
9. Peruchín (Chalie Otwell)


Poncho Sanchez : Congas, Perussion
Ramon Banda : Timbales, Perussion
Tony Banda : Bass
Luis Conte : Bongos, Batá, Perussion
Gary Foster : Sax, Flute
Jose Perico Hernandez : Vocal
Steve Huffsteter : Trumpet
Mark Levine : Trombone
Dick Mitchell : Sax, Flute
Charlie Otwell : Piano


Carl E.Jefferson : Producer
Phil Edwards : Engineer
George Horn : Mastering
Leonard Feather : Liner Notes

Poncho Sanchezにとって、Cal Tjaderはかけがえのない存
在であった。ラテンジャズを志すPonchoにとって最大のア
イドルであっただけでなく、最高の師でもあった。1975年
にCal Tjaderのバンドにコンガ/パーカッション奏者とし
て迎え入れられたことが、Ponchoの楽歴において輝かしい
1ページを切り開くこととなったのである。

そんなPonchoにとって、1982年5月のフィリピン公演旅行
中におけるCal Tjaderの急逝は、大きな衝撃と悲しみを与
える出来事であった。ただ、このことが20年以上にわたっ
てアメリカ西海岸で精力的な活動を続けている偉大なラテ
ンジャズバンドを生むきっかけとなったことも事実。Cal 
Tjaderの死から約3ヶ月後、Concord Records 社長のCarl
E.Jeffersonの強い勧めによりPoncho Sanchez バンドの実
質的なデビュー作 "Sonando" の録音が実現する。

上記のような客観的な事実のみなら、この新生ラテンジャ
ズバンドの結成は「拙速」のイメージを持たれてしまうか
もしれない。しかしながら、実際に "Sonando" での演奏
を聴いてみると、Poncho Sanchezがいかに自身のバンド結
成に向けて入念な練っていたかが伺われる。

Cal Tjaderが晩年に残した "La Onda Va Bien"(グラミー
賞ラテンジャズ部門受賞作)や "Gozame Pero Ya" で聴か
れるラテンフュージョンタッチの演奏とはうってかわった
正統派ラテンジャズの世界がここにはある。リズムはマン
ボ、チャチャチャ、ボレーロなどが中心。ダンソンの名曲
中の名曲 "Almendra" がプログラムに含まれている辺り、
Ponchoのラテン音楽に対する目配りは確かなものと言える。

また、#1の "Poncho" のところでも触れたように、打楽器
奏者3人とホーン奏者3人にベーシストとピアニストが加
わった8人による編成はその後も一貫して守られることと
なる。(ボーカリストとサックス奏者がもう1名参加して
いる"Sonando" は例外と見て良いと思う。)

"Sonando" はPoncho Sanchezバンドの方向性を決定づけた
充実した内容の「デビュー作」だと思う。
Poncho Sanchez's website
Edited by Kazunori KONO, January/27th/2004   Back