World Jazz Gallery Presents

World Jazz Tour navigated by Poncho Sanchez

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Bien Sabroso!

 Room #03

Poncho Sanchez
"Bien Sabroso!"

   (Concord Picante CCD-4239)

Recorded at  United/Western Studios, Hollywood, CA
Issued in  1984 (Concord Picante, USA)

1. Ahora
    (Charlie Otwell)
2. Bien Sabroso
    (Poncho Sanchez)
3. Nancy
    (Don Garcia)
4. Keeper of the Flame
    (Mark Levine)
5. Brisa
    (Charlie Otwell)
6. Sin Timbal
7. Una Mas
    (Kenny Dorham)
8. Half And Half
    (Paul Horn)
9. Ican
    (Eddie Cano)

海の向こうの新しいジャズの動向がなかなか(正確に)伝
わってこなかった80年代にあって、私にとって貴重なジャ
ズの情報源となっていたのがFEN(現在のAFN。関東
地域では810kHzで受信可能)の "Jazz Beat" という番組
であった。月曜日から金曜日の午後9時半から30分間、
Laura Lee(女性DJ)がトークを交えながら、新旧取り
混ぜた自由な選曲でジャズを聴かせてくれた番組。

その "Jazz Beat" から流れてくるジャズで私の耳を虜に
したのがPoncho Sanchezのラテンジャズだった。たぶん、
Laura Leeにとってもお気に入りだったのだろう。その他
に印象に残っていることころでは、ブラジルの名トランペ
ッター、Marcio Montarroyosの曲もよくかかっていた。

何度もPoncho Sanchezの名を耳にするうちに居ても経って
もいられなくなり、輸入レコード店を探し回って見つけた
のがこの "Bien Sabroso!"(とっても美味しい!)である。
もちろん看板に偽りはなかった。次作の "El Cogero" と
ともに初期のPonchoバンドを代表する作品。グラミー賞に
ノミネート(ラテンジャズ部門)されたことも十分に頷ける。

メンバーは前作の "Sonando" からボーカリストとサック
ス奏者(たぶんゲスト扱いだったのだろう)が抜けた8人
編成。Poncho が理想と考えていた形がここに完成した。
オーソドックスなスタイルながらも、カリブ海の強烈な太
陽ではなく、カリフォルニアの青い空をイメージさせる哀
調を帯びたサウンドが魅力的で、とくにボレーロは絶品。

メキシコ系でしかも西海岸を拠点とするPonchoにとって、
「正統派」として認められるまでの道のりが平坦でなかっ
たことは想像に難くない。ジャケットにあしらわれたタコ
スは、そんなPonchoの意地の表れではないだろうか。

Poncho Sanchez
Steve Huffsteter
Mark Levine
Dick Mitchell
Charlie Otwell
Tony Banda
Ramon Banda
David Romero

Carl E.Jefferson
Phil Edwards
Virginia Escalante








: congas
: trumpet, flugelhorn
: valve trombone
: tenor saxophone, flute
: piano
: bass
: timbales
: bongos

: Producer
: Engineer
: Liner Notes

Edited by Kazunori KONO, July/11th/2004   Back