ラグビー観戦記録への取り組み

「パソコン通信」といってもピンとこないかもしれませ
んが、今から１０年くらい前はその全盛時代でした。ニ
フティの「ラグビーフォーラム」（今でいうＢＢＳの先
駆けのようなもの）でもシーズン中には毎晩のようにネ
ット上で熱い議論が交わされていました。

私がその輪に加わったのは１９９６年度のシーズンから
です。最初は観戦した試合に対する感想を気ままにフォ
ーラムに書き込んでいる程度でした。が、だんだんそれ
では飽き足らなくなり、観戦の試合の内容についてもじ
っくり書いてみたいと思うようになりました。

もちろん、これには理由があります。メディアで話題に
なるのはもっぱら伝統を誇る人気チームの試合。都心か
ら離れた熊谷でも熱い戦いが展開されていることを少し
でもファンに伝えることができないものだろうか。観客
席の様子を眺めながらそんなことを考えていました。

そんないきさつもあり、メモ用記録ノートを手にしての
観戦が始まりました。試合展開を視覚的に表現する方法
を模索する過程で「ラグビー版スコアボード」も生まれ
ました。まだまだ書き足りないなと思いつつも、少しで
も選手達の奮闘の記録を残して行ければと思っています。

1998シーズンを振り返る

やはり１番強く印象に残っているのは、圧倒的な破壊力
で優勝を決めた法政の躍動的なラグビーです。前年度優
勝の関東学院はチーム状態が現在のように盤石ではなく、
２敗を喫して２位に終わりました。

１部昇格２年目にして関東学院を破った流通経済大は大
東大も破り、前半戦を終えた段階で２勝２敗。一気に上
位進出が期待されたのですが、後半の(メンタル面での)
失速が響いて結局は前年度と同じ５位に終わりました。

また、ＦＷ主体から展開ラグビーへのモデルチェンジに
成功したかに見えた日大でしたが、主力選手の故障もあ
り苦戦を強いられました。対照的に序盤に躓いた中央大
は後半戦の巻き返しに成功し３位に躍進。１５人の気持
ちが一つになったときの破壊力は法政をも凌ぎました。

いまひとつ勢いに乗れなかったのが大東大。大学トップ
レベルの戦力を誇っていただけに大学選手権にあと一歩
届かなかったのが残念でした。専修大も力を出し切った
とは言い難く入替戦を戦うことに。「先輩」の流通経済
大に負けじと旋風を巻き起こすことが期待された山梨学
院は、健闘及ばす悲願の１勝は成りませんでした。

多くのドラマが生まれたのが「1998」だったと思います。