Live Reports from Rugby Stadium熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 2004 |
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○観戦記録 法政大学 vs 拓殖大学(2004年10月10日) |
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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2004/10/10) 於:水戸ツインフィールド <試合結果> T G PG DG 得点 | 総得点 反則 法政大学 :前半: 5 4 1 0 36 | :後半: 5 4 0 0 33 | 69 7 +-----------------+-------------------------------+-------------+ 拓殖大学 :前半: 1 0 0 0 5 | :後半: 0 0 0 0 0 | 5 8 ◎出場メンバー 法政 : 1.中村 2.小笠原太 3.長沼 4.吉田 5.玄 6.遠藤 7.大隅 8.磯岡 9.穂坂 10.野村 11.和田 12.大村 13.田沼 14.小笠原仁 15.高山 (16.小田嶋 17.望月 18.鬼頭 19.山崎 20.成田 21.野本 22.西條) ○交替 15→22(前24分交代), 8→19(後 0分交代), 2→26(後21分入替) 5→18(後35分入替) 拓殖 : 1.谷地村 2.滝内 3.仁和佑 4.田口 5.濱口 6.辻 7.寺尾 8.仁和康 9.松永 10.井上 11.ロコツイ 12.バツベイ 13.川野 14.山下 15.横山 (16.保坂 17.寺崎 18.村山 19.相良 20.粟國 21.勝山 22.今) ○交替 11→22(後22分入替), 13→21(後20分入替), 5→17(後35分入替) レフリー :篠原克行 (関東協会公認) ◎得点経過 法政大学 0 3 10 15 22 29 36 36 P G T G G G 時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点 T 拓殖大学 0 5 5 法政大学 36 43 50 55 62 69 69 G G T G G 時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点 拓殖大学 5 5 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗 ◎得点者 法政:前半 1分 野村(PG) 7分 小笠原仁(T)、野村(G) 9分 大村(T) 16分 大村(T)、野村(G) 24分 吉田(T)、野村(G) 26分 西條(T)、野村(G) 後半11分 野村(T)、野村(G) 18分 田沼(T)、野村(G) 34分 和田(T) 38分 西條(T)、野村(G) 40分 鬼頭(T)、野村(G) 拓殖:前半37分 田口(T) ◎試合内容 [キックオフ前の雑感] 前日関東地方を駆け抜けた台風による雨のピッチへの影響が大いに心配された。 自宅(埼玉)から県道大宮栗橋線、国道4号線(バイパス)、国道50号線を 経由する120kmの道のりを約3時間かけて水戸ツインフィールドに到達。 緑の絨毯とでも形容したくなる素晴らしいピッチの状態を見たら、そんなロン グドライブの疲れも一気に吹き飛んでしまった。試合開始30分にかかわらず、 (文字通りの)2つのフィールドに挟まれた形で設けられた観客席は、既に熱 心なファンで埋まっている。「熱戦」の舞台としての雰囲気は最高。 それはさておき、オープニングゲームの中央大戦で(スコアの上では)上々の スタートを切った法政ではあったが、優勝を狙うには何処かちぐはぐな印象が あったことも否めない。法政はこの試合でスカッと勝ってそんなちぐはぐ感を 払拭できるだろうか。 一方の拓殖大(以下、拓大)。法政の持ち味である「高速環境」という未体験 ゾーンでの戦いにあって劣勢であることは否めない。が、自分たちの目指すラ グビーが1部リーグでどの程度通用するのかを確かめつつ、今後の戦いへの確 かな手応えを掴めるだろうか。 といったように、両チームに対して期待することが異なってはいるが、熱い戦 いを期待してキックオフを待った。 [前半の戦い] 法政のキックオフで試合開始。最初からエンジン全開は法政の持ち味とすると ころ。法政FWの強烈なプレッシャーに拓大は自陣ゴール前でたまらずオフサ イドの反則を犯す。森田(おそらく負傷欠場)に代わってこの日SOを務める 野村が難なくPGを決め法政が先制した。開始僅か1分だった。 しかしながら、拓大はその後のキックオフでチャンスを掴む。法政が自陣でペ ナルティを犯し法政陣22m内でラインアウト。だが、このラインアウトを確 保でず、せっかくのチャンスを潰してしまった。対照的に法政のラインアウト は安定しており、また拓大ボールもたびたびスティール。このラインアウトの 優劣が両チームの得点差となって現れたともいえる。 そして、7分。拓大陣10m付近でのスクラム(拓大ボール)で拓大がアーリ ープッシュの反則。法政はFKからクイックで仕掛けて左オープンに展開し左 WTB和田が一気に拓大陣22m内へ。ラックを経て右オープンに展開し最後 は右WTBの小笠原がトライを決めた。速攻からグランドを左右にワイドに使 った展開と、法政らしい鮮やかなトライだった。 続く9分。これもFK(フェアーキャッチによる)が起点だった。自陣22m 内からクイックで仕掛け、法政左PRの中村が右タッチライン沿いを快走し一 気に拓大陣へ。ラックから左オープンに大きく展開し、最後はCTB大村がイ ンゴールに飛び込む。拓大は法政の速い展開にまったくついて行けない。拓大 は10分に法政陣22m内でスクラムのチャンスを得るものの、SO松永がゴ ール直前で惜しくもノックオン。 法政の攻勢は止まらず、16分、24分、26分に立て続けにトライを奪う。 まずは16分。拓大陣HWL付近でのラインアウトから拓大は右オープンに展 開してゲインを図ったところでターンオーバー。右PR長沼が左PRの中村に 負けじとボールを前に運びフォローしたCTB大村にラストパスを送る。24 分は拓大陣ゴール前ラインアウトからロングスロー→8→4のピールオフ。そ して26分は交代出場したFB西條がゴール前への絶妙のキックを快足を飛ば して(法政ファンも含めた周囲のノックオンの期待?に反して)上手く拾い上 げ、無事インゴールに飛び込んだ。 ここで勝敗の行方はほぼ決した。と同時に法政にとってはお約束とも言えそう な沈黙の時間帯が訪れる。以後、後半の11分までの約25分間、法政の得点 ボードは動かない。逆に、拓大の方に攻撃のリズムが出てきた。豪速球(速攻) にようやく目(身体)が慣れてきたといったところだろうか。スクラムを起点 としてサイドアタックを仕掛け、法政陣のゴールラインに迫る。そして37分、 ついに法政の堅いDFがこじ開けられた。スクラムからのサイド攻撃でLO田 口がトライを奪った。 法政が終了間際に仕掛けた連続攻撃も有効なゲインが稼げない。中央大戦と同 じく、戦いに余裕が出てきたことでいろいろな仕掛けを試そうとしていること が、逆にミスを助長しているようにも見えた。法政ファンにとってはややフラ ストレーションが溜まる中で前半が終了した。 [後半の戦い] 後半も、前半30分以降の拓大に傾いた試合の流れは変わらない。法政は「速 いプレー」に対する意識が強すぎるためか、プレーが雑になってしまうように 見受けられた。この点は中央大戦とまったく同じ。また、法政の攻撃のリズム は、速いものの単調(一本調子)になってしまうきらいがあり、スピードに対 応することさえできれば(実は)止めやすいとも言える。ペースを落としても よい状況で何故か慌ててしまっている印象。第2試合の流経大対日大戦では戦 術面の指示がピッチから多く聞こえてきたが、法政は? 気になる点ではある。 さて、拓大で将来楽しみな選手はCTBのバツベイ。もちろん、現在ジャパン で活躍している大東大OBのルアタンギの弟である。豪快な兄の印象からする と線が細い感じで、スキルの方もこれからといった感じ。3分には連続攻撃か ら法政陣でバツベイに渡ったパスはラストパスになるはずだった。コーナーフ ラッグめがけて一目散に走りきれば初トライの可能性が高かったのだが、法政 DFが待ちかまえる内に切れ込んでしまい万事休した。でも、頑張って欲しい。 法政ファンの欲求不満が高まる中でようやく11分を迎えた。HWL付近のラ インアウトから右オープンに展開して得意の連続攻撃。最後は拓大陣ゴール前 のラックから出たボールをSO野村がインゴールで押さえる。だが、なかなか 法政のペースにならない。スクラムでしばしば押し込まれるなど、劣勢を強い られたことがその一因。ノックオンが多く、スクラムが起点となる場面が多か ったとはいえ、今後の対戦をふまえての不安材料と言える。 法政はその後18分、34分、38分、40分に立て続けに4トライを奪って 69得点。ペナルティからの速攻、オープン展開によるWTBの独走、カウン ターアタックと法政らしいトライラッシュで面目を保ったとも言える。が、中 央大戦でのちぐはぐ感は払拭されないままノーサイドとなった。 [試合後の感想] FWとBKが一体になりテンポ良く攻めてトライを重ねる法政の高速展開ラグ ビーは、ラグビーを観るものにとって最高の楽しみを与えてくれるもののひと つだと思う。が、この高速展開はミスの多発と表裏一体の危険性も併せ持つ。 おそらく普段の練習から「速いプレー」を心がけ、そしてそれをピッチの上で 実践している法政のラグビーに対して、時に意識的なチェンジ・オブ・ペース も必要なのでは、とずっと思い続けている。もちろん、選手個々でバラバラに ではなく、チーム全体として。 法政の攻撃力の前に関東学院戦とほぼ同じ失点を喫して完敗だった拓大。ただ、 この日の戦いぶりを観た限り、選手達は、圧倒されたとしても(昨年度の山梨 学院のように)粉砕されたという印象はなかったのではないだろうか。今後の 戦いに対する確かな手応えが掴めたのではないかと思われる。戦いを終えた選 手達の表情からそんなことが伺えた。 (2004年10月11日記) Top |
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