Live Reports from Rugby Stadium熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 2004 |
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○観戦記録 関東学院大学 vs 日本大学(2004年10月31日) |
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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2004/10/31) 於:三ツ沢球技場 <試合結果> T G PG DG 得点 | 総得点 反則 関東学院大学:前半: 4 2 0 0 24 | :後半: 5 3 0 0 31 | 55 10 +-----------------+-------------------------------+-------------+ 日本大学 :前半: 1 0 0 0 5 | :後半: 0 0 0 0 0 | 5 9 ◎出場メンバー 関東 : 1.今 2.林 3.笹倉 4.石田 5.三根 6.梅川 7.阪元 8.大鰐 9.吉田 10.田井中 11.小柳 12.藤井 13.山下 14.北川 15.有賀 (16.池沢 17.田中 18.竹山 19.大下 20.高安 21.金堀 22.堤) ○交替 13→21(後19分交代), 2→17(後24分入替), 6→18(後24分入替) 14→22(後33分入替), 7→19(後34分入替), 9→20(後40分交代) 日大 : 1.森下 2.北島 3.飯田 4.古賀 5.ラタ 6.大山 7.トーエツ 8.蓬莱 9.向山 10.松下 11.藤原慶 12.金川 13.安井 14.藤原丈 15.吉田 (16.手塚 17.高橋 18.福田 19.野村 20.倉澤 21.武居 22.中村) ○交替 3→17(後 0分入替), 4→18(後19分交代), 14→22(後24分入替) 9→20(後31分入替), 6→19(後35分入替) レフリー :戸田京介(日本協会公認) ◎得点経過 関東学院大学 0 5 10 17 24 24 T T G G 時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点 T 日本大学 0 5 5 関東学院大学 24 31 38 45 50 55 55 G G G T T 時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点 日本大学 5 5 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗 ◎得点者 関東:前半10分 笹倉 (T) 15分 有賀 (T) 31分 田井中(T)、田井中(G) 38分 有賀 (T)、田井中(G) 後半 8分 藤井 (T)、田井中(G) 18分 小柳 (T)、田井中(G) 28分 小柳 (T)、田井中(G) 31分 有賀 (T) 36分 堤 (T) 日大:前半34分 松下 (T) ◎試合内容 [キックオフ前の雑感] 週末の雨に祟られた感のある今シーズンのリーグ戦。残念ながら本日も、と思 われたが、雨は朝のうちに上がりキックオフ前には日も差してきた。球技場と 銘打っているだけあってスタンドが試合を観やすい構造になっており、ピッチ の状態も良好。屋根のないことが欠点と思われる三ツ沢だけに、これはとても ありがたい。 さて、この試合は関東学院にとってリーグ戦グループ連勝記録の更新がかかっ た大一番。であると同時に、次節より始まる上位グループ(あくまで前年度) リーグ戦に備えて、開幕直前にして再構築を余儀なくされたチームの仕上がり 状態を確認する意味でも重要な試合となる。懸念されたFWのまとまりも徐々 に良くなってきているように見える。 一方の日大は、開幕2連勝で好調なスタートを切ったかに見えたが、続く法政 戦に大敗して失速気味の感は否めない。負傷者が出たためか、メンバーの入れ 替わりも多くやや苦しい陣容。ただ、BKにはスピードスターの揃う関東学院 にもけしてひけを取らない決定力を持った選手達が居る。個々のスキルの差は 埋めようがない部分もあるが、何とか精神力で食らいついてもらいたいところ。 32連勝(新記録)達成は「既定事実」として余裕すら漂う関東学院サイドの 応援席。日大としては何とか一泡吹かせたいところなのだが...。 [前半の戦い] 関東学院のキックオフで試合開始。日大の自陣からのキック(ノータッチ)を 関東学院選手が自陣10mライン付近でノックオンし、日大がマイボールスク ラムのチャンスを得る。日大が得意(のはず)のスクラムで関東学院を押し込 むものの逆にターンオーバーされる。この試合での日大の課題の一つと言える セットの安定にやや不安を抱かせるファーストスクラムであった。 対する関東学院にもミスが目立つ。日大のアタックを止めてターンオーバーし チャンス!というところでパスミス。接点でのボールの活かし方の巧さはさす が!と思わせるものの、どこか集中に欠ける今一歩ピリッとしない序盤の関東 学院だった。本日のSOは田井中で過去2戦でSOを務めていた藤井はCTB。 コンビネーションがしっくりいっていなかったのかも知れない。 ラックでのターンオーバーでせっかくのチャンスを潰してしまう日大に対して、 ミスで得点機を潰してしまう関東学院。といった形でしばらくは膠着状態の試 合展開だったが、10分に関東学院が日大陣ゴール前でのラインアウトのチャ ンスを掴む。ここでモールをじっくりと押し込み、最後は左PRの笹倉がイン ゴールでボールを押さえて関東学院が5点を先制した。このような得点のチャ ンスを逃さないのは流石である。本日の関東学院のラインアウトはほぼパーフ ェクトだった。 12分には日大もビッグチャンスを掴む。関東学院陣内(10/22m)で関東学院 のキックをチャージして一気にゴール前へ。だが、惜しくもノックオンでチャ ンスを潰す。その直後の14分、関東学院は自陣からのカウンターアタックを 起点として見事な連続攻撃。最後はFBの有賀がゴール左隅に飛び込み、ゴー ルは失敗したもののリードを10点に拡げる。両チームの「継続」に対する確 実性の違いが如実に現れた。 試合開始から15分が経過。そろそろ試合が落ち着いてもいい頃だが、どちら も相変わらずしっくりしない。ただ、チャンスを確実にものにするのは関東学 院の方。31分には日大陣22m付近のスクラムから8→9→10とショート サイドをつく攻撃が鮮やかに決まり関東学院が7点を加点。これで関東学院が ペースを掴むかに見えた。 しかしながら、ここでようやく日大も一矢報いる。関東学院陣内で得たPKか らクイックでFWがタテをついて前進。ゴール前ラックから出たボールをSO 松下が相手ディフェンダーをパスと見せかけて巧みにかわしゴール正面に飛び 込んだ。日大はここで波に乗るかと思われたが、肝心なところでミスを犯して しまう悪い流れは変わらない。38分には関東学院陣10m付近まで攻め込み ながらノックオン。これを関東学院のFB有賀が拾って一気に60m走りきっ てゴール中央に飛び込んだ。今一歩ピリッとしないチームメートに喝を入れる かのような主将(代行)の怒濤のランニングだった。 [後半の戦い] 前半は気合いが空回り気味だった日大。後半開始早々から関東学院に強力なプ レッシャーをかける。関東学院ゴール前でPKのチャンスを得、クイックで仕 掛けてゴールまであと一歩のところまで迫る。が、ここでも痛恨のターンオー バー。日大FWに前進を許さず、しばしばターンオーバーを見せるなど、関東 学院FWのまとまりは着実に良くなってきた印象。 過去3戦と比較して、どこか集中力が切れているところが散見されたのが本日 の日大。8分にはそんなこの日の日大を象徴するようなプレーが出た。日大陣 での関東学院アタックの局面でSH吉田が一瞬パスを躊躇。ここで何故か日大 の選手達がボールウォッチャーになってしまった。その隙を突く形で関東学院 の左CTB藤井が棒立ち状態の日大選手達を横目に一目散にインゴールに飛び 込んだ。敵も味方も唖然呆然のトライだった。 敵味方を問わず、ミスが生じてもプレーを止めない意識が身に付いている関東 学院の選手達は、次にどのようなプレーが行われるべきかという認識を共有す ることでチームとしての集中力を保っているように見える。ミスが起こるごと にプレーが途切れてしまう日大との差はここにあるような気がする。もちろん、 踏み込んでしっかり前で止められる関東学院に対し、受け身で追いタックルの 形になることが多い日大といった両チームのDF力の差も無視できないが。 以後、勝利を確信した関東学院は18分、28分、31分、36分にトライを 重ねて着々と加点。リーグ戦連勝記録更新(32連勝)に花を添えた。前半は しっくりこなかったFWも終盤にはすっかりまとまりの良いFWへと成長を遂 げていた。昨シーズンのような個々で突破を図るFWも魅力的ではあるが、8 人のまとまりで勝負するのが本来の関東学院のスタイル。そういった意味でも この試合は格好の仕上げとなった感がある。 終了間際に日大は最後の抵抗を見せる。PKからクイックで仕掛けて大きくゲ イン。あと一歩でこの日2個目のトライか、と思わせたところで稲妻のような タックラーがゴール直前に現れた。この日大活躍のFB有賀が強力なタックル で日大のトライを阻止。主将代行としてチームを引っ張ろうとする意識は最後 まで衰えることはなかった。 [試合後の感想] 日大は抵抗らしい抵抗も見せられず、すっかり関東学院の引き立て役に終わっ てしまった感がある。選手個々では良いものを持っていても、チーム全体とし ての技術の差は如何ともし難いものがある。ただ、回り道ではあっても、普段 の練習で「日大流の継続」に対する飽くなき探求を続けて欲しいと思う。そう した地道な努力を重ねていく過程で自ずとミスは減っていくはずである。 関東学院はようやく王者としての風格を取り戻してきたように見受けられる。 FWが8人の塊として組織的に動けるようになってきたことが大きい。個人突 破を図ることよりも15人の組織で確実に継続してゴールを目指すのが関東学 院の形。残り3試合でチームがどのような形に仕上がるのか楽しみである。 (2004年10月31日記) トップに戻る |
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