Live Reports from Rugby Stadium熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 2004 |
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Weekly Report |
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○観戦記録 大東文化大学 vs 拓殖大学(2004年11月7日) |
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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2004/11/07) 於:熊谷ラグビー場 <試合結果> T G PG DG 得点 | 総得点 反則 大東文化大学:前半: 6 4 0 0 38 | :後半: 3 2 0 0 19 | 57 7 +-----------------+-------------------------------+-------------+ 拓殖大学 :前半: 2 2 0 0 14 | :後半: 1 0 0 0 5 | 19 5 ◎出場メンバー 大東 : 1.木川 2.太田 3.須藤 4.マヘ 5.星 6.小泉 7.林 8.フィリピーネ 9.寺西 10.戸嶋 11.岩渕 12.塚元 13.藤山 14.畠山 15.政田 (16.笹尾 17.牧野 18.飯島 19.大久保 20.末永 21.佐藤 22.森) ○交替 6→17(後21分入替), 4→17(後25分入替), 13→19(後27分入替) 1→16(後29分入替), 7→22(後37分入替), 22→22(後37分入替) 拓殖 : 1.谷地村 2.滝内 3.仁和佑 4.田口 5.濱口 6.辻 7.寺尾 8.仁和康 9.松永 10.宮本 11.ロコツイ 12.川野 13.井上 14.吉武 15.横山 (16.保坂 17.黒澤 18.村山 19.小松 20.粟國 21.今 22.山下) ○交替 15→22(後 0分入替) レフリー :宮本和則(関東協会公認) ◎得点経過 大東文化大学 0 5 12 19 26 33 38 38 T G G G G T 時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点 G G 拓殖大学 0 7 14 14 大東文化大学 38 43 50 57 57 T G G 時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点 T 拓殖大学 14 19 19 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗 ◎得点者 大東:前半 3分 フィリピーネ(T) 6分 政田(T)、政田(G) 12分 藤山(T)、政田(G) 17分 政田(T)、政田(G) 25分 戸嶋(T)、政田(G) 38分 フィリピーネ(T)、政田(G) 後半14分 塚元(T) 24分 マヘ(T)、政田(G) 29分 寺西(T)、政田(G) 拓殖:前半 9分 ロコツイ(T)、吉武(G) 41分 吉武(T)、吉武(G) 後半 8分 吉武(T) ◎試合内容 [キックオフ前の雑感] シーズン半ばにして、ようやくリーグ戦グループの全チームの戦いを観ること になる。しんがりは大東文化大。巡り合わせもあるが、昨シーズン全試合を観 戦したチームである。昨年のチームは故障者等もあり、なかなかベストメンバ ーが組めずに苦しい戦いを強いられた大東大だったが、今年は緒戦からレギュ ラーもほぼ固定され良い状態に仕上がっているとも聞く。TVで観た関東学院 戦でもそのことは十分に確認された。 対する拓殖大は、1部に昇格したばかりながらもなかなかの健闘を見せている。 1部リーグの様々なタイプのチームと対戦しながら、一戦一戦確実に自分たち の戦い方を掴みつつあるように見える。秋晴れ、微風の絶好のラグビー日和に 恵まれた熊谷ラグビー場。フィリピーネとマヘを軸としたパワフルな大東大に 対して劣勢を否めない拓大ではあるが、オープン展開指向のランニングラグビ ーで力一杯暴れ回って欲しいところである。 [前半の戦い] 拓大のキックオフで試合開始。しばらくはカウンターアタックの応酬で、どち らのチームもオープン展開を主体としたパス回しで攻める。予想通りボールが グランドいっぱいに大きく動く展開となった。しかしながら、主導権を握った のは格上の大東大。3分に早くも大東大No.8フィリピーネがパワーを見せつけ る。大東大はカウンターアタックからの連続攻撃で最後はオープンに展開し、 飛ばしパス(ロングパス)を受けたフィリピーネが拓大ゴール左中間に走り込 み先制した。 大東大の攻勢は続く。6分には自陣(10mL/22mL)でのラインアウトからモール を形成して一気にHWL(ハーフウェーライン)まで前進し、オープンに展開。 拓大陣ゴール前のラックからFBの政田主将がインゴールに飛び込み早くも2 トライ目を記録。「このままやったら100点(ゲーム)行かれるぞ!」とイ ンゴール内の拓大選手から叱咤の声が上がる。マヘとフィリピーネのパワフル な突進もさることながら、クラッシュを避けて奔放にボールを繋ぐ大東大流の 継続ラグビーに対して、拓大側に明らかにとまどいの様子が見えた。 しかしながら、拓大にもフィリピーネやマヘに劣らないパワフルなランナーが いる。左WTBのシュウベリ・ロコツイがその人。9分には拓大はHWL付近 のマイボールラインアウトから素早くオープンに展開。パスを受けたロコツイ が、そのまま約60mを走りきって1トライ返す。双方ややタックルが甘い感 はあったものの、クラッシュが少なくボールが大きく動く展開はなかなか見応 えがある。 その直後の12分には大東大のトンガコンビも負けじと反撃。拓大陣10mラ インからややゴール寄りの位置でのラインアウトからオープンに展開されたボ ールがライン参加したLOマヘに渡る。マヘが大きくゲインしたところにフォ ローしたのが「相棒」のフィリピーネ。ここでも大きなゲインがあり、ラスト パスがCTB藤山に渡る。大東大早くも3トライ目。昨シーズンも猛威を振る った大東大の4(マヘ)−8(フィリピーネ)攻撃であるが、今シーズンはさ らに威力を増した感がある。この二人がまるで申し合わせたかのように仲良く 連携して強力にタテを突くのだから拓大のDF陣はたまらない。 大東大は攻撃の手を緩めない。17分には何と自陣ゴール付近からカウンター アタックで大きく前進し、最後はFB政田主将が約60mを走りきってトライ。 拓大は大東大をゴール前に追いつめたと思った直後だっただけにショックは大 きい。続く24分にも大東大は拓大陣10m付近ラインアウトからFWでサイ ドをついて前進し、最後はラックから抜け出したSO戸嶋がトライと、ここで 大東大のリードは早くも26点に拡がった。 ここまで拓大は大東大のパワーと展開力の前に為す術なしといった感じであっ た。だが、フィリピーネの突進を二人がかりのタックルで止めたあたりから、 拓大はややペースを掴みかける。大東大が強力な4−8ラインのパワーでゲイ ンをはかるのに対し、拓大はFWのサイドアタックを交えたオーソドックスな オープン展開で対抗する。拓大の目指している形が見え始め遅ればせながらも 反撃体勢が整ったかに見えた。 しかしながら、38分にまたもやフィリピーネ。拓大陣ゴール前の大東ボール スクラムからのフィリピーネのアタックはゴール直前でのノックオンで拓大は ピンチ脱出。と思いきや、その直後の拓大ボールスクラムを今度は大東大が強 力に押し込み、スクラムからボールがこぼれ出たところを(今度こそ)フィリ ピーネが押さえて5点追加。 大東大は更に攻勢にでる。終了間際の41分、大東大が連続攻撃で拓大ゴール に迫る。オープン展開で完全にオーバーラップの状態(たぶん4対1くらいだ ったと思う)を作る。そして、ラストパス!となるはずのパスを拓大WTB吉 武がねらい澄ましたようにインターセプト。吉武はそのまま自陣22mライン 付近から一気に大東大ゴールまで駆け抜けた。一か八かとはいえ、確実に7点 失うはずのところを逆に7点奪ったのだからビッグプレーと言える。拓大の後 半の粘りに期待を繋ぐ中で前半が終了した。 [後半の戦い] 前半の半ばくらいからやや拓大にリズムが出てきたものの、パワーで勝る大東 大のペースで後半も試合は進む。大東大の4−8アタックは相変わらず強力。 ただ、大東大のミスに拓大の抵抗もあって大東大はなかなか得点が奪えない。 そんなやや膠着した状態の中で、8分に拓大に待望の得点が生まれる。拓大ら しいFWとBKの連携による連続攻撃で最後はWTBの吉武がトライ。これで 19−38と、拓大はダブルスコアまで挽回した。逆転するには厳しい状況と はいえ、あと数トライは期待できる状態になってきた。 しかしながら、それも束の間。14分に大東大に後半初トライが生まれる。拓 大陣22m内での大東大アタックの局面。大東大のパスミスを拾って反撃を試 みた拓大もお付き合いしてパスミス。フィリピーネが転々としたボールを拾い 右オープンに展開して、最後はCTB塚元がトライを奪った。拓大にとっては 何とも残念な失点。トライあるところにフィリピーネありである。 敗色濃厚となった拓大ではあったが、FWとBKが連携した良い形の攻めは続 く。15人ラグビーで果敢に大東大陣に攻め入るものの、肝心なところでター ンオーバー。フィリピーネ、あるいはマヘにボールをもぎ取られてしまうとい う形は見ていてちょっと気の毒な感じすらした。裏を返せば、それだけ2人の 仕事量が凄かったということにもなる。 大東大は24分にマヘ、29分に寺西がそれぞれトライを決め後半は3トライ 2ゴールの19得点。前半の戦いぶりからはちょっと物足りない感じもするが 圧勝であることには変わりない。拓大ももう少し取れそうな感じの展開ではあ ったのだが結局1トライに終わってしまった。拓大の健闘も及ばず、オープン 攻撃の応酬でボールがグランド上を大きく動いた熱戦はノーサイドとなった。 [試合後の感想] この試合における反則数は大東大7に対し拓大は僅か5。クラッシュが少なく ボールがよく動いたことの裏付けとも言える。双方ともタックルがやや甘かっ たことは否定できないが、ボールが動くラグビーは面白いということがよく判 った試合でもあった。 大東大の勝因はマヘとフィリピーネの活躍にあることは間違いない。だが、大 東大はこの2人だけで勝ったわけではない。この2人の持ち味が活きる形にう まくチームが纏まっていることが大きいように見受けられた。少なくとも、こ れまでなかなか出来ていなかったことがしっかり出来ているのだから。高速ラ グビーへのディフェンス面の対応がしっかり出来るようになれば、大東大復活 を高らかにアピールすることが可能になる。 「4−8パワー」に敗れてしまった印象が強い拓大だが、1部リーグでの戦い で着実に地歩を固めつつあるように見える。残る2試合で結果を出すことは難 しいかも知れないが、「拓大の継続ラグビー」の完成を目指して思う存分戦っ て欲しいと思うし、またその期待も膨らんできた。 (2004年11月8日記) トップに戻る |
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