Live Reports from Rugby Stadium熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 2005 |
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流通経済大学 vs 中央大学 |
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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2005/11/13) 於:熊谷ラグビー場 <試合結果> T G PG DG 得点 | 総得点 反則 流通経済大学:前半: 4 4 0 0 28 | :後半: 4 1 0 0 22 | 50 8 +-----------------+-------------------------------+-------------+ 中央大学 :前半: 0 0 0 0 0 | :後半: 1 0 0 0 5 | 5 10 ◎出場メンバー 流経 : 1.金城 (2).湯原 3.松波 4.西川 5.笠原 6.古崎 7.藤田 8. 鈴木 9.森 10.アンダーソン 11.松本 12.浅利 13.池田 14.勝俣 15.森谷 (16.夏目 17.吉田 18.ニコラス 19.相 20.飯笹 21.仲程 22.大石) ○交替 6→17(後18分入替), 8→19(後18分入替), 5→18(後25分入替) 15→21(後26分入替), 3→16(後34分入替) 中央 : 1.麻生 (2).諸隈 3.長谷川 4.岡 5.眞壁 6.松本 7.大西 8.青木 9.片渕 10.佐藤甚 11.長友 12.中村 13.有田 14.新井 15.越村 (16.藤田 17.菊田 18.岡島 19.石丸 20.古賀 21.谷口 22.工藤) ○交替 4→19(後 0分入替), 3→16(後12分入替), 9→20(後31分入替) 10→21(後31分入替), 2→18(後35分入替), 8→17(後36分入替) レフリー :早藤嘉幸( 協会公認) ◎得点経過 流通経済大学 0 7 14 21 28 28 G G G x G 時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点 中央大学 0 0 流通経済大学 28 35 40 45 50 50 G T T T 時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点 T 中央大学 0 5 5 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗 ◎得点者 流経:前半 2分 森谷 (T)、森 (G) 11分 アンダーソン(T)、森(G) 24分 松本 (T)、森 (G) 38分 鈴木 (T)、森 (G) 後半11分 勝俣 (T)、森(G) 25分 勝俣 (T) 34分 松本 (T) 41分 湯原 (T) 中央:後半21分 長友 (T) ◎試合内容 [キックオフ前の雑感] 何度も書くが、1997年度のシーズンに熊谷ラグビー場で流大(流通経済大)の 劇的な初勝利を観たことが、このHP立ち上げの原点となっている。対戦相手 は中央大。まったく異なるカラーを持つチーム同士でありながらも、この2チ ームは良きライバルでもある。基礎技術に裏付けられた緻密な組織力(流大) と、魂のラグビーとしか形容しようのない闘争心(中央大)のせめぎ合いは、 時に観戦している者に大きな感動をもたらす。 過去8シーズンの両チームの対戦成績を調べてみたら、4勝4敗のまったくの 五分だった。ここ2シーズンは流大が2連勝しているとはいうものの、点差は 僅かに1点と2点。今シーズンは黒星先行ながらも、着実にアタックの形が整 いつつある流大に対し、そろそろ爆発しなければならない中央大。リーグ戦史 に新たな感動の1ページを作り出すことができるだろうか。 [前半の戦い] 中央大のキックオフで試合開始。流大はキックオフのボールを確保し損ないタ ッチに出してしまう。やや緊張感に欠ける立ち上がりだったが、その直後のF B森谷のビッグプレーで流大15の気持ちは一気に戦闘モードに切り替わる。 中央大ハイパントのボールを自陣10mライン手前付近で確保した森谷は、中 央大のタックラー達をはねのけながら豪快に前進を図り中央大ゴールまで到達 してしまった。開始僅か2分の出来事だった。 しかしながら、中央大も気を取り直して反撃。本日のSOは佐藤甚ということ もあり、オープンにボールが大きく動く。4分には流大陣10m/22mの位置から のラインアウトを起点とした連続攻撃で流大ゴールに迫るものの、惜しくもノ ックオン。8分にも中央大はラインアウトからのオープン攻撃でチャンスを掴 むが、今度はWTBに渡るはずのパスがミスでタッチラインを割ってしまった。 早めに追い付きたい中央大にとっては残念な立ち上がりだった。 オープン展開合戦の様相を示していた序盤の流れの中で、流大は12分に追加 点を奪う。HWL付近でのラインアウトからモールを形成して10mライン付 近までドライブして前進。SOの位置に立っていたCTB浅利からのパスがC TBの位置にいたアンダーソンに渡る。ここでアンダーソンは巧みなステップ ワークで中央大ディフェンダー達をかわしながら約40mを走りきりポスト中 央にトライ。流大は、敵陣に入るとSOの位置に浅利、あるいはFBの森谷が 立たせるなど、アンダーソンのスキルとセンスを活かすための様々な工夫がな されている。それにしても、小さな身体に闘志をみなぎらせたアンダーソンの 鬼気迫るようなランニングは見事だった。 中央大にも得点のチャンスが訪れないわけではない。18分には流大陣22m 付近でラインアウトのチャンスを得、モールを押し込んで流大ゴールを目指す がノットリリースの反則を犯しチャンスを潰す。流大もちぐはぐで、中央大ゴ ールまで迫りながらも反則を犯しチャンスを潰してしまうのは同じ。だが24 分、流大は自陣でラックでのターンオーバーに成功しオープンに展開。HWL を越えた辺りの左タッチライン際で左WTB松本が上手く内に切れ込んでパス を受け取り、そのまま中央大ゴールまで一気に駆け抜けた。同じような局面で 中央大の選手はタッチに出てしまうことが多いのとは対照的。教科書通りのプ レーとも言えるが、普段の練習成果が自然の形で発揮されたように見えた。 着実に得点を重ねる流大は27分にPGを狙うものの失敗。その後、しばらく は中央大が流大陣に入って攻める局面が続く。32分には、自陣10m/22mでの マイボールスクラムから連続アタックを仕掛けて継続を重ね、流大陣の22m ライン付近まで迫るが実を結ばない。ボール支配は続けるものの、ゴールに近 づくにつれて球出しが遅れ気味となり、有効なゲインを稼げないことが得点に 繋がらない理由。流大BKのバリエーションの豊富さに比べると、中央大BK はメニュー不足のように見える。チーム戦術がなかなか固まらないため仕方な いのかも知れないが、CTB有田やWTB長友らの能力が活きないのは残念と 言う他ない。球捌きでもランでも非凡なところを見せる佐藤甚をシーズン当初 からSOに定着させてチームを作っていたら違っていたかも知れないが...。 ボールを持ちながらも攻めあぐむ中央大を尻目に、流大は効果的に得点を挙げ ていく。36分には中央大陣22m付近のラインアウトからモールで前進し、 アンダーソンがインゴールに飛びこむがパイルアップ。だが、その直後の5m スクラムからNo.8の鈴木がサイドを突いてトライ。ゴールも成功して28−0。 攻めている時間はそれほど変わらない、いやむしろ中央大の方が長かったかも しれないのだが、得点力の差が如実に現れた前半の闘いだった。 [後半の戦い] このままでは終われない中央大はキックオフから積極的に攻める。流大ペナル ティからの速攻でサイドアタックを重ねながら流大陣22mライン付近へ。4 分には流大ゴール前の絶好の位置でラインアウトのチャンスを得るが、ボール をスティールされてしまいチャンスを潰す。6分の同じようなラインアウトの チャンスもノットリリース。FWにとっては頑張りどころだっただけに残念と いう他ない。中央大は、良い形ができかけながらも、攻め込みながらも得点を 奪えない前半の悪い流れを引きずっている。 対照的に流大の得点は一瞬である。11分、中央大ドロップアウトからのキッ クに対してWTB勝俣が強引とも思えるカウンターアタックを仕掛けると、中 央大DFにぽっかり穴が開き、勝俣はそのままゴールポストまで到達してしま った。FB森谷(1年生)にプッシュされる形で、ここのところ流大の両WT Bがすっかり自信を付けている。勝俣の緩急を交えたランは見応えがあったが 簡単に真ん中を割られてしまうのはいただけない。 得点内容(35−0)からすると一方的な展開のように見えるこの試合だが、 アタックのチャンスは中央大にもほぼ公平に与えられている。その後、また、 しばらくは中央大の時間となった。15分にはまたしても流大ゴール前でのラ インアウトでボールをスティールされてしまう。(BKが頑張っているのだか ら)「FWしっかりしろ!」という叱声が聞かれてもいいくらいなのだが、今 日の中央大応援席は静かである。 電光掲示板の中央大の得点表示が0から5に変わったのは、後半も21分にな ってから。流大陣10m/22mの位置でのセンタースクラムを起点したアタックで のゴールに向けて蹴られたボールをWTB長友がインゴールで押さえた。反撃 の狼煙を上げるにはちょっと遅すぎた。直後の24分、流大は中央大陣10m/ 22mの位置でのラインアウトから強力なドライビングモールで一気に22m内ま で前進してサイドアタック。ラックからオープンに素早く展開し、アンダーソ ンが超ロングパス(飛ばしパス)をCTB池田に送る。池田からラストパスを 受けた勝俣が難なくインゴールに飛びこんだ。 大学選手権へのチケットを掴み取るために絶対に勝たなければならない東海大 戦に向けて流大は攻撃の手を緩めない。34分には、中央大がアタックの局面 でノックオンしたボールを途中出場の仲程が拾って大きく前進し、連続攻撃か ら松本がトライ。さらに37分、中央大ゴール前のラインアウトで、流大は何 と12人モール攻撃を仕掛ける。ラインに並んだ選手は3人のみというスペシ ャルプレーで、先だっての法政戦がお披露目になったプレー。法政戦は失敗に 終わったが、ここではHO湯原主将がボールをグラウンディングしてしっかり と締めた。過去2シーズンでの接戦が遠い昔の出来事のように思われるくらい の流大の圧勝だった。 [試合後の感想] 中央大は今日も元気なく敗れてしまった。だが、中央大に対しては厳しい言い 方になってしまうが、「闘志」だけでは勝てない時代になってきていることも 事実である。選手個々のスキル、組織的な連携だけでなく、ピッチの上に立つ 15人の選手達が共通の戦術眼を持って戦えること、さらに付け加えれば、ス タンドで応援している部員全員がピッチの上に立つ選手達と同じ気持ちで戦え ること、のいずれの面においても流大の方が優っていた。それらの流大の特質 は1997年のシーズンから苦労に苦労を重ねながら、時にチーム崩壊の危機にも さらされながらも時間をかけて地道に熟成されてきたものである。 本日、第1試合で登場した東海大も、流大同様、苦労を重ねながら組織的に戦 えるチームを完成させつつある。1試合毎に着実に実力を高めている立正大に しても、相当な努力を積んでいることは間違いない。良いお手本達に学ばない 手はないと思われるのだが...。 (2005年11月15日記) Top |
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