音楽ゆかりの地をゆく



赤とんぼ
 日本人の心のふるさととも言える歌...そう思っていましたが、最近の若者や子供はあっけらかんと「しらな−い」と答えます。昭和2年に作曲された山田耕筰の代表的名作で、当時は童謡として発表され、覚えやすい旋律でしかも格調高さも備え、広く歌われ今も歌い継がれています。ただ、気になることですが近年、時代にそぐなわないと、戦前から歌われてきた童謡、唱歌が教科書から消え始めました。この「赤とんぼ」を歌っている世代の人達は音楽の授業の成果と思いますが、次代の人達には教科書以外に誰が伝えるのでしょうか?あまりに多様な歌が氾濫している中にあり、皮肉にも個々がカラオケボックスに入り込む現状です。残念ながら、我が国民は、親から子へ歌を伝えるという文化を持ち合わせていませんし..。この歌が後世にも歌い継がれて行くか?それは、今の大人しだいなのは確かです。私は、この名曲を自分たちで守って行けなければ恥ずかしいと思っています!
この歌を歌い出すと不思議と4番までスラスラ歌詞が出てきますね...。そして情景もくっきり浮かびます。やっぱり名曲です。

童謡の里、龍野市(兵庫県)を訪れました。ここは、赤とんぼの作詞者、三木露風の故郷で、生家も在ります。龍野市は古びた城下町で「播磨の小京都」とも言われています。
赤とんぼの歌碑のある通りは「童謡の小径」と呼ばれています。歌碑の前に立つと童謡のメロディ−が流れてきます。この詞は、露風が東京(三鷹)に住むようになり、故郷の
播磨平野に思いをはせ、幼い日の慕情を書いたと言われています。
 静かな町並みを、のんびりと「赤とんぼ」をハミングしながら歩いてみました。