音楽ゆかりの地をゆく



北原白秋生家.記念館
日本の代表的詩人、北原白秋(1885〜1942)の故郷、福岡県柳川を訪れた。
この国に生まれた声楽家として、北原白秋:詩.山田耕筰:作曲.というコンビによる作品は避けて通れないと思っている。

この道.からたちの花.かやの木山の.鐘がなります.松島音頭.曼珠沙華.
ペチカ.砂山.あわて床屋.待ちぼうけ...

まだまだあるが、どれも二人の日本人の繊細な感覚が織りなされ、出来上がった作品だと思う。このコンビだから名曲として今も残っているのは確かだ。
白秋の生家は保存され、多くの人達の心のふるさととなっているようだった。
私は、白秋が愛して止まなかった柳川を散策し、氏の生家の縁側に腰掛け、また、 記念館で膨大な詩と資料を見て、なぜか胸がいっぱいになった。
あらためて、日本人でよかったと思った。日本の風土や季節感を細やかに詩に託せる詩人が羨ましいと思った。
柳川方言の音の美しさも心に沁みた。
柳川の地を訪れ、また深い歌が表現できるような気がした夏だった。