ソット・ヴォーチェ



イタリアは私の原点
 イタリアは私の原点。声楽入門で初めて歌ったのがイタリア古典歌曲で、近代歌曲に、オペラ、カンツォ−ネ等、今もなお、この国の歌の魅力は尽きることなく、その心に近づくことが私の永遠の課題と思っている。
かつて、この国で歌と共に、色彩感覚やファッション感覚を学んだ。
昼の街では、遊び心のある最新ミラノファッションを眺め、夜はオペラハウスで正統派の洗練されたお洒落に、ため息が出た。昼と夜の全く異なる装いをTPOで、堂々と着こなせる女になりたいと思った。もちろん、自分の歌もこの装いの違いほどのジャンルを自由に、そしてドラマチックに歌いこなしたいと思った...青春の真っ只中に持った理想だが、今も私の美学、ポリシ−である! 近年、日本からイタリアへ向かう観光客には、ブランドを追うショッピング目的が目立つという。
イタリアは歴史の国、芸術の国である。その価値を理解した上で新しいセンスにも触れて欲しいと願わずにはいられない。プラダやグッチをネコも杓子も持つ日本人を、イタリアの人達は不思議だと言っている。ヨ−ロッパの人は、むやみににブランドに飛びつくことはしないし、経済力のバランスも考え、自分に何が似合うか?それを知った上で買い物をしているのだ。あきれるのは、卒業旅行と称し、イタリアまで訪れて、フランスのルイ・ヴィトンを買う女子大生がいることである。(ロ−マの休日の映画を知っていれば、優秀な方)我が愛しのイタリアのイメ−ジを壊さないで!と願うこの頃である。

          

私のローマの休日                              ミラノスカラ座前