音楽ゆかりの地をゆく



マリオネットのオペラ!!
チェコは伝統芸能として、人形劇が盛んです。プラハの町を歩いていると、マリオネットの店がたくさんあり、どこにも入ってみたくなる私でした。人形劇というと子供が見るもの、というイメ−ジがあるでしょうが、オペラや歴史的題材を扱ったものが多く、チェコ独特の芸術作品です。
かつて、大国の支配下にあり自国の言葉を使えない時代に、せめて人形にチェコ語を語らせることで、ささやかな抵抗をしたところから発展したと言われています。現在はチェコの名物的存在で、どこの劇場も満員です。特に、オペラの場合、オリジナルの全幕の音楽が流れ、それに合せて人形が動くので、チェコ語の理解不要ですから観光客に大人気です。
私は「ドン・ジョヴァンニ」を観ました。人形達の動きや表情がみごとで、ラブシ−ン等は、人形なので思い切りリアルに演出し、場内は大笑いなのです。(本当のオペラ歌手にそれを要求したら、役を降りると言うでしょう!モ−ツァルトはエッチ!?な表現が大好きでしたから、このマリオネット版、ドン・ジョヴァンニを観たら、きっと喜んだことと想いました)とにかく、長いはずのオペラが、人形の動きに引きつけられて、アッという間に終わったという感じでした。時間があれば、もっと他の劇場にも行って見たいほど、人形達は私の心を虜にしました。(本当は、人形を操る人達がスゴイ訳ですよね!この人達は裏にいますが、芸術家だと思いました。ブラヴォ-!)

 *「ドン・ジョヴァンニ」について、一言...

オ−ストリア生まれのモ−ツァルトは幼い頃から父に連れられ、ヨ−ロッパ中の旅をしましたが、プラハの町を愛し、短い生涯の中で4度プラハを訪れています。2度目のプラハ滞在中に完成したオペラが「ドン・ジョヴァンニ」で、必然的に初演は、プラハでした。それをプラハの人々は誇りに思っていますから、マリオネットオペラだけではなく、本当のオペラも「ドン・ジョヴァンニ」の公演が多いのです。帰国後、このオペラの中のデュエットをすることになっていましたが、人形のツェルリ−ナの色っぽい動きが頭に浮かび、彼女(?)がライバルに思え、たいへんでした!