音楽ゆかりの地をゆく



独断と偏見によるkeiko的ミュージカル考
 
さすが、ディズニ−!テ−マパ−クだけにはとどまらず、ミュ−ジカルを制作しても一流。「美女と野獣」でブロ−ドウェイ初進出したのが1994年、当初は自社のイベント系スタッフを起用したため、大味、ミュ−ジカルの興奮が薄らいだ..等、批判を浴びたという。
だが、2003年の現在も、続演中!SFX効果の威力はもちろん、万人の胸を打つ、優しい愛のスト−リ−のおかげのヒットなのだ。今や、ファミリ−.ミュ−ジカルの大定番で確固たる地位を築いた感がある。
9年前にこれを観た子供が成長し、恋人と観る...素敵! ディズニ−ランドにリピ−タ−が多いそれと、共通のものを感じる。そう言えば、あの夜も家族連れが目についた。そして、ステ−ジを感動しただけではなく、観客(特に大人の男性)の純情な反応にも感動した。年を重ねても、童心を失ってはいけない..と思い生きている人達がこんなにいるんだ!と、嬉しかった。 
ディズニ−をこれだけで感心してはいられない。皆さんご存じの「ライオンキング」これは、ディズニ−.ブロ−ドウェイ進出第2弾で、1997年初演以来、今もロングラン中。もとは同名のディズニ−.アニメのミュ−ジカル化だが、独特のマスクや衣装デザイン、照明、舞台装置など、すべてがアニメを超え、観客を驚かせた。
作曲が時のア−ティスト、エルトンジョン!彼のセンスにエスニックなサウンドが加えられ、ミュ−ジカル界に新風が吹き込まれたと思う。
そして、21世紀...ディズニ−は、17世紀のヴェルディの名作オペラ「アィ−ダ」をミュ−ジカル化!これには、イタリアオペラを崇拝する私もびっくり!
今回のブロ−ドウェイ行きで、一番、興味があった演目である。2つの前作のように人気を獲得できるのか?オペラのイメ−ジが強すぎないか?等、気になっていたのである。
今のところ、毎回、チケット完売。音楽は「ライオンキング」のエルトンジョン.ああ、あまりにもヴェルディと違う! 斬新な衣装にロックのリズム...今は、満員とは言え、どんな仕上がりか、観客に試されている時期であろう...今後、リピ−タ−が続くと、前2作のように、ミュ−ジカル史に残るのだろう。
今度、ついに日本にも上陸とか..スト−リ−からして、我が国土に根づくか不安である。私は、このタイトルなら、やっぱりメトロポリタンオペラの方へ行きたい!(あくまでも偏見!)
それにしても、ディズニ−.ブロ−ドウェイ三大ミュ−ジカル、現在、全てヒットという快挙。(このご時世、ショ−ビジネスの世界は実力のみ。人気の無い劇場は次々、閉鎖されていると言う)
最近のブロ−ドウェイは、安定したロングランミュ−ジカルに加え、新作のラッシュ。いよいよ、永遠の名作となるかのレ−スが始まった..という感。 

〈人気の新ミュ−ジカル〉−リバイバルを除く
シカゴ. ヘアスプレイ. ム−ビン・アウト. モダン・ミリ−.プロデュ−サ−ズ. マンマ・ミ−ア. レント





 *ブロ−ドウェイ ミニ知識
タイムズ・スクエア(7番街とブロ−ドウェイの42nd stから47th st.が交差する
逆三角形地帯のことをいう)に初めてミュ−ジカル劇場ができたのは1892年。
1920年代には一大演劇街を形成する。大恐慌等で一時、衰退したこともあるが
1960年代には活気を取り戻し、名作を生み出し続けている。毎年、新作が発表されるが、5年以上も上演されている作品はほんの一握りで、開演数日で公演打ち切りになることも珍しくないと言う。
 有名作品が上演される500席以上の劇場を「オン・ブロ−ドウェイ」
100から499席の劇場で上演される作品を「オフ・ブロ−ドウェイ」とよぶ。
オフの劇場は、新人の役者やスタッフを積極的に採用しているので、冒険的な作品に出会える。(現在、オンで上演中の「レント」はもとはオフの作品で絶賛を浴びてオンに
進出した)

♪イチ押し..「レント」
プッチ−ニのオペラ「ラ・ボエ−ム」を現代風にアレンジ。イ−スト・ビレッジを舞台に、麻薬、同性愛、エイズなどの現代の様々な問題をシニカルに描いたロック・ミュ−ジカルだ。 前記の「アイ−ダ」と異なり許せる(?)のは、原作が同じというだけでタイトルも登場人物も変えられ、自然に受け入れられるところだ。出演する若手俳優は衣装、顔立ち等、個性的でまさにニュ−ヨ−ク!
若い人達に観て欲しい!(ネダ−ランダ−劇場)



*ここでティ−タイム....
たまたま、テレビでタレント達がニュ−ヨ−クを観光しているのを見た。
名前は明かさないが、歌手、女優、と称している若い3人。
タクシ−の運転手が親切に「あちらがタイムズ・スクエア..」と指さしてくれたのに、誰も、それがわからない。英語が理解できないのではなく...彼女達の馬鹿丸出しの会話..「タイムズ・スクエアだって?何それ」「わかんない」...「新聞社かも?」
 おいおい、何故、今の職業を選んだの?アンタ達が、たとえ日本人でも、ショ−ビジネスの世界の人間と聞かされていたから、あの運転手は、ブロ−ドウェイ方向を指差してくれたんでしょうが!「ああ、あこがれの地域!」くらいは言って欲しかった。
「おしごと」とはいえ、食べ歩きだけではもったいないと思う。その「おしごと」、お笑い系の人達でよかったんじゃないでしょうか?! 歌手や女優なら、その世界の聖地くらい勉強しようよ。お願い!(NY帰国ひとつき..回想と共にクリスマスソングを聴く。12月中旬)