ソット・ヴォーチェ



感動の南半球 −2004.夏 Part1
これまでの海外旅行は皆、北半球にある国でした。ちょうど今年はアテネでオリンピックが開催されましたが、前のオリンピックはシドニ−(オ−ストラリア)でした。
テレビを見ながら、その頃から漠然と行ってみたいと思っていました。はっきり言って、あまり大自然に興味はありません。オ−ジ−ビ−フもそんなに食べたいわけでもありません。
シンプルに、計画を立てました。物々しい出で立ちの旅は苦手ですから軽装で体験できることだけです!
1.ブラックスワンを見ること。
2.南十字星を見ること。
3.コアラを抱くこと。(もちろんカンガル−も見ること)
4.シドニ−.オペラハウスで音楽を聴くこと。
5.シドニ−タワ−に登り、夜景を見ること。
6.シドニ−.水族館で、珍しい魚を見ること。

以上のことができれば、旅の目的としては十分でした。でも、嬉しい誤算で、それ以上のことができ、実に楽しい旅になりました。

【オ−ストラリアの旅−−パ−スの思い出】@

ブラックスワンは西オ−ストラリアのパ−スのモンガ−湖で見ました。物語(白鳥の湖)では、白鳥に対して、黒鳥は“悪”のイメ−ジですが、ここでは、この地方のシンボルであり観光客を呼び寄せています。真っ黒な体にに深紅の目とクチバシ、尾羽はバレリ−ナのスカ−トのように愛らしく、その情熱的な姿は忘れることはないと思いました。
 気温17度という、朝のモンガ−湖と広大なキングスパ−クを散策し、一日前の日本の猛暑は忘れてしまいました。冬の時期ということで、植物や野鳥が少なかったものの、整然とした美しさと、南半球でしか見られない珍しい花を心に刻み、パ−ス郊外のフリ−マントルに向かいました。ここは、西オ−ストラリア州で最初に開拓が始まった町でインド洋に面した美しい港町でした。まるでテ−マパ−クの町のように西欧風のかわいい建物が並び、ウキウキしました。南欧からの移民が多いとのことで、両側がカフェという、カプッチ−ノ通りはホントにのどかで素敵でした!お決まりコ−スですが、昼は、この町の名物のフィッシュ&チップス(イギリス名物で、お馴染み)を食べました。話の種には一通り経験して...という具合でしたが、あまりの量の多さにタジタジでした。
すっかり気に入ってしまったフリ−マントルの町を、後ろ髪を引かれる思いで去りパ−ス市内のホテルへ戻りました。その夜、第二の目的の“星空を見るツア−”を申し込んでいたので、それに備え少し休まなくてはいけません。

夕方6時。ホテルのロビ−で待っていると、その夜のガイド兼ドライバ−が迎えに来てくれました。車に乗ると、他にも“星空ツア−”の参加者たちが乗っていました。
「どこまで行くんですか?」の問いに「企業秘密です。ウチの会社で見つけた特別の場所です!」...冗談とも本気ともとれました。(観光客が各自で行くようになったら、商売にならないので、教えてくれないのでしょうね?!) いずれにしても見知らぬ町(国)です。暗い道を郊外にどんどん走ったら、どこへ着いたのかも判りませんでした。懐中電灯を持ったガイドに、皆ついて行きました。砂の道でした。波の音が聞こえ、海のすぐ近くであることが判りました。周りに人家や建物がないところだったので、ほんとうの純粋な星明かりに驚きました。夜空いっぱいの星...星座の説明をしてもらいながら、目が慣れてくると初めには見えていなかった小さな星達も見えてきて嬉しくなりました。そして、ガイドが「さて南十字星はどっちでしょう?」ともったいぶって言いました。探すまでもなく、誰かが「あそこ!」と叫んだので、そちらを見ました。その「あそこ」を探すのに首が疲れましたが、ついに見つけました。日本では見られない「サザンクロス」..その響きにどれだけ憧れ、想像力を抱いたことか!..インド洋の波の音をBGMにして見た、輝く空の構図は生涯、忘れることはないと思います。
その夜、ロマンチックな印象で眠りにつきたかったのですが、胃袋は、星だけでは満足してくれず...。オ−ジ−ビ−フの分厚いステ−キ(一枚400グラムはあったはず!)を味わいました。(今後、星座の形がステ−キに見えないことを祈るのみです)