音楽ゆかりの地をゆく



♪ウィ−ン我が夢の街♪A
【第四場...幕間に】

ウィ−ンの人達は、オペラハウス(国立歌劇場)のことを“オペラ”と呼びます。
街の中心であり、その前にある駅名も“オペラ”..もし道に迷ったとしたら、シュテファン大聖堂の塔を探し出す方法もありますが、「オペラはどっちですか?」と尋ねると、きっと教えてもらえます。それほど、ウィ−ンのシンボルなのです。
私は、たとえオペラのチケットが取れなかったとしても、この周りに居るだけでも幸せです。
オペラハウスの側面にある*カラヤン広場。
噴水、チケット販売所、各種音楽グッズを扱うARCADIAがあり、モ−ツァルト風の衣装をまとった若者が観光客相手に「今夜、モ−ツァルトのコンサ−トはいかがですか?」とか「ヨハン・シュトラウスのコンツェルトハウスへ行きませんか?」等と営業活動をし、いつも活気に満ちています。
裏手に回ってみると、その日のオペラの大道具の搬入作業にも出会えます。大道具が積まれたその車は、全面にオペラハウスが描かれていて圧倒されます。
劇場の壁面に並んでいる、名場面の写真、その夜のプログラム..全て、音楽が聞こえてくるような風景です。(*サントリ−ホ−ルの前の広場を“カラヤン広場”と名付けていますが、ここから頂いたようです)
 
☆今回のARCADIAの収穫☆  

ドミンゴのブロマイド.新製品のモ−ツァルトの紅茶.モ−ツァルトのマリオネット.「ドン・ジョヴァンニ」のTシャツ.2006年版.オペラハウス演目カレンダ−.

 お土産が決まれば、次はウィ−ン滞在の基本中の基本!“カフェ・モ−ツァルト”で休憩したいし、夕食は“ウィンナシュニッツェル”を食べないことには気が済みません。短い滞在期間でしたが、思い通りのことを粉すことができ、今回は「まあ、いいかっ!」と納得しました。
“カフェ・モ−ツァルト”では、初めて、ウィ−ンのカフェに入った日のことを思い出しました。“ザッハ・トルテ”で有名なホテル「ザッハ−」のカフェに入ったとき、「アインシュペナ−」(日本人がウィンナコ−ヒ−と呼んでいるものに近いコ−ヒ−)と緊張して注文したことを..。あの時は、上着をクロ−クへ預けたり、チップをスマ−トに渡したい..なんてカッコ付けたお陰で、コ−ヒ−の味なんか全く味わえませんでした。
 若かったんですね。今回の私は「成るようになる」って感じで、自然体でウィ−ンを楽しむことができ、以前には気づかなかったものも、見えたような気がしました。
(きっと次があると信じていますが、また訪れる時、どんな私を見いだすでしょうか?)

【第五場...夜のシェ−ンブルン宮殿】

いよいよ、その時が来ました。私達は、ホテルでシャワ−を浴びチョッピリ、ドレスアップしてシェ−ンブルン宮殿に向かいました。昼の宮殿とは異なり、見学客であふれていた敷地内は静まり、黒の緞帳にイエロ−の宮殿がくっきりと浮いているようでした。
正門をくぐり、“白金の間”に向かう階段も、昼とは違い、ハプスブルク家全盛の時代にタイムスリップしたかのように思えました。
 お馴染みの「シェ−ンブルン宮殿オ−ケストラ」は、国内外のお客様にモ−ツァルトとヨハン・シュトラウスの音楽を、最高の芸術的レベルで演奏することを目標に創立されたと言われていますが、流石!いつも期待を裏切ることはありません。
そして、ソプラノとバリトンのソリスト.バレ−付きという形式のコンサ−トは、理屈抜きで、“優雅で贅沢なウィ−ンの夜”を約束してくれます。勿論この夜も、私の心のアルバムに“忘れられない夜”として残ったのは確かですが、その空気や音は書き表せないのが残念です。
(スナップ写真とともに、この夜のプログラムをUPします)

【終幕...いつまでも“ウィ−ンはウィ−ン!”】

東欧から帰り、3ヶ月..猛暑の中、ウィ−ンを書き記すことで、爽やかな空気を感じることができました。
どんなに時間が経とうとも、私はあの街のひとつひとつを忘れることはなく、一層、鮮やかに蘇るようにさえ思います。
まだまだ、書き表していないことがあります。でも、それは心の中にしまっておこうと思います。
最後にシェ−ンブルン宮殿を称え、“ウィ−ン我が夢の街”の一節を歌って、幕を降ろします。
       

 “子供の頃から舞台で歌っていたマリア・テレジアは、シェ−ンブルン宮殿に作られた劇場で、家族や廷臣たちとオペラを楽しんでいた
 レオポルト一世は、ベ−ト−ヴェンより数多くの作品を書いた
 ウィ−ンを「音楽の都」にしたのはモ−ツァルトだけではなかった
 ハプスブルク家が、そもそも音楽家の家系なのである
 フランスに嫁いだマリ−・アントワネットのおかげで
 ハ−プは楽器の麗しき女王となった
 シェ−ンブルンの一室で、アマデウスがマリ−に、子供のかわいい約束をしたことが、 なにかとても微笑ましい
 オ−ストリアの迎賓館、ウィ−ンの庭、シェ−ンブルンは時を越えて美しい”

♪喜びも悲しみも、みんなこの街に 夜でも昼でも心のなぐさめ
 誰にでも愛される私のふるさと 私の心はいつもこの街に〜♪ 〈2005.夏.K子〉