音楽ゆかりの地をゆく



二つの顔を持つザルツブルクA
モ−ツアルトづくしのザルツブルクに加え、現代になってから脚光を浴びたもう一つの
“顔”それは、ミュ−ジカル「サウンド・オブ・ミュ−ジック」です。このミュ−ジカルが完成したのは、1950年代の終わりでした。ブロ−ドウェイの舞台は限られた人しか観ることができませんでしたが、60年代に入り、映画化されたことにより世界中の人たちから賛美されました。ザルツブルクを背景に実在したトラップ一家がモデルになり、音楽は、今も永遠の名曲となり(ドレミの歌、エ−デルワイス、ひとりぼっちの羊飼い、私のお気に入り.等)世界中の人々に愛唱されています。
ミュ−ジカルを知らなくても「ドレミの歌」は知っているという程ですね。
 まぎれもなく、ザルツブルクのお城やミラベル庭園が果たした効果は大きく、映画ならではの成功でした。ザルツブルクやウィ−ンを旅行すると、このミュ−ジカル出現以来、「サウンドオブミュ−ジックの舞台となったザルツカンマ−グ−トへ!」というオプショナルツア−が目立つようになったわけです。湖水地方の爽やかさやザルツブルクの東南にひろがる丘陵地帯は、映画の中のあの美しい山々の風景そのままです。旅行会社もいいところに目をつけたものだと感心しました。私もご多聞にもれず、しっかりとそのツア−に参加し、映画のシ−ンを思い出したり、テ−マソング等を口ずさんだことを覚えています。18世紀に活躍した天才の音楽と、20世紀のミュ−ジカル王(リチャ−ド・ロジャ−ス)の音楽に支えられ、“ザルツブルク”は、一体いつまで栄えるのでしょうか?!
 この二人の音楽に、価値が無くなる日がやって来るとは考えられません!
40年も前のミュ−ジカルが、今も色あせることなく、キャストが替わり、世界のどこかで上演されています。近年は、主役のマリアを、クラシックの歌手が歌ったりし、新しい魅力も加わってきました。 (ウィ−ンのオペレッタの花形、メラニ−ホリディが話題を呼んでいます) ミュ−ジカルファンが増えた近年です。若者達は、“ザルツブルク”イコ−ル「サウンドオブミュ−ジック」と答えるかも知れません? そうなれば、モ−ツァルトは嫉妬するでしょうね!

    

ザルツブルグ市内から湖水地方に向かう途中    「サウンド・オブ・ミュージック」でマリアが結婚式を挙げた教会