2002年9月議会(第3回定例会)一般質問
1.地方自立計画における課題について
【天田】 職員採用の20年間凍結については、年齢構成の高齢化・職務の継承・市民協働時代の職員の育成・若者の高失業率対し希望をもてる労働政策等の観点が必要
【市長】 必要に応じて新規採用職員や、任期つき職員の導入も考えなければならない
【天田】 行政パートナーとしての有償ボランティアについては、単なる安い労働力であってはならず、公務の私物化を避けるためにも男女共同参画の観点、どのように育成・選定していくのか、公平性、透明性、機会の平等性、公務の責任に対する教育等が必要。03年度導入ありきでなく、先ず、「行政運営における市民協働」に関して市民と職員が共に学習・議論しながら運営ルール、研修企画等のしくみづくりをすべき
【市長】 市民・職員・識者によるプロジェクトチームで研究を深め、想定される課題を解消した上で市民への情報提供をし、理解と協力が得られる実施を目指していきたい
2.住民基本台帳ネットワークシステムについて
【天田】 8月2日、市民の意思を踏まえて 1.市民に対する説明責任を果たすこと 2.国に対して意思表示を明確にしていくこと を要望し、市長は 1.セキュリティー規定に「市長の判断でシステムを切断することができる規定」を盛り込む 2.国民総背番号制には反対 3.個人情報保護法の検証の上、ネット離脱も含めて判断する 4.住民説明会の実施 を回答。市町村の自治事務である住民基本台帳法改正や事務執行に関して、地方主権の観点から、上意下達ではなく、基礎自治体の意見の反映を国に求めるべき
【市長】 事前に市町村の賛否などの意見調整はなされないまま法案が成立し、基礎自治体の意見が反映されていないものと考えている。今後、住基ネットも含め、不条理であると判断できる事務に関しては、国と地方公共団体の役割の明確化と民主的関係の構築の考え方に立ち、市民及び市の意見として国に要請、提言していく
3.志木公民館の建物利用構想の方向性と課題
【市長】 教育委員会の廃止の方向を踏まえ、市長部局の財産として管理し、志木公民館の建物の状態、駐車場の狭小の問題等、全ての情報を開示し、市民との意見交換会を開催したい。仮に再利用する場合は市民による新しい運営形態の導入の検討、大規模な補強工事はせず期限を定めた再利用が望ましいと考えている。→12月議会で、4月以後複合施設の利用状況を見た上で判断するとの方針が示された
4.地域福祉計画(2003年度より策定)を見据えた社会福祉の充実 【提案】
(1) 障がい者施策における支援費制度に向けた留意点、選択できる多様なサービスの創出・育成
● ケアマネージメント充実により、一人ひとりのニーズや課題をサービスに反映
● 家族の休養のためのレスパイトサービス、生活サポート事業の事業者育成と利用者助成の拡大(例・新座市)
● 社協等のボランティア養成による外出介助でQOL(生活の質)を向上(例・戸田市)
● 手話通訳者派遣事業の2003年度からの実施
(2) 精神保健福祉施策
● 朝霞区市長会への各市精神障がい者団体の要望(身体・知的障がい者に対する援護施策と同様のサービス、県への補助要望)→2003年度から実施していく
● 生活支援センターの設置(東松山市では精神・身体・知的障がい者に一時的な介護サービスを提供する障害者生活支援センター)
(3) 予防・健康づくりに重点を置いた戦略的な保健事業の展開
● 健康日本21(21世紀における国民健康づくり運動)の県目標(食生活・身体活動・休養・歯科保健・アルコール・たばこ)の内、市でも具体的目標を定めて推進を→健康づくり事業の推進計画を策定していく
● 高齢者の介護予防施策へのホームヘルパー・ケアマネージャー等現場の意見反映
● 現在策定中のスポーツ振興計画に保健センターもかかわるべき→積極的な連携を図っていく
● 地域リハビリテーション(地域における高齢者・障がい者等の自立支援のために医療・保健・福祉・生活に関わるあらゆる人々がリハビリテーションの立場から行う活動の全て)の推進
(4) 子ども、家庭、地域の実態に応じた児童センターの活動
● 学校週5日制、地域の組織化・活動支援等、社会の課題やニーズをとらえた事業展開を(例・朝霞市 子ども会、お父さんクラブ)→地域と一体となった運営手法の確立に向け検討していく
● 青少年の活動拠点の確保→【市長】 地区ごとに既存の公共施設等を利用し、多様な幅広い層向けの拠点をつくっていったらどうか
(5) 地域福祉活動計画(地域福祉計画と連動し社協が策定)に向け、社会福祉協議会の育成・パワーアップ
● ヘルパーステーション、たんぽぽサービス等の研修体制の充実
● 市と社協の機能・役割分担・事業の検証
【市長】 社協の職員体制を始めとする主体的力量の強化、充実は極めて重要であり、主旨を踏まえて協議していく
(6) 電動三輪車・シルバーカー等(高齢者・障がい者の自立を補助する福祉機器)を想定した公共施設整備
● 市営自転車駐車場に駐車できない実態の改善、全公共施設での対応を求める
(7) 総合的な保健福祉施設について
● 5年前から検討し、立ち消えとなっている保健福祉の拠点整備(保健センター、社協、心身障がい者福祉作業所、ボランティアセンター等)について、(仮)生涯学習センターにも機能を位置付けるなど積極的に再検討を→構想を立案していく
(8) 地域づくり(地域再構築)計画としての地域福祉計画の策定体制
● 全市民に参画の機会を、ワークショップ形式等でわかりやすく、職員の共通理解のための学習、策定に専念できる職員体制を
5.市民病院の進む方向性
(1) 地域医療の拠点としての市民病院の役割
【天田】 2003年8月までに急性期患者の一般病床にするか、慢性期患者の療養病床にするか選択が求められており、市民の7割を超えるニーズがある救急医療の充実の観点から、急性期患者の一般病床とすべき
【市長】 休日・夜間等の救急診療が外来受診者の6人に1人(17.6%)であり、急性期の地域の中核病院としての役割を市民病院で果たしていきたい
【天田】 近隣市にない介護保険の訪問リハビリテーションをやっている市民病院の社会的責任は重い。4月から診療報酬改定により入院中のリハビリの収益が従来の65%に下がるなど大きな影響を受けているが、自立支援・介護予防の観点でサービスを提供していく使命がある。地域リハビリテーション、転倒予防教室の開催等で、地域の保健・医療・福祉の拠点に
【市長】 リハビリも急性期の重要性が非常にクローズアップされており、高齢化社会も踏まえた地域医療の観点からの方向性が必要
(2) 訪問看護ステーションのサービス体制
【天田】 市長は訪問看護ステーションの民間参入を考えているようだが、現在、利用者の80%程度は市民病院の患者であり、保健・医療・福祉の連携からも、経営上も、訪問看護ステーションは病院と併設していなければ成り立ちにくい。
近隣市において土日夜間にサービスしているところは殆ど無い(天田調査)ことは、民間による経営基盤の弱さの現れと考えられ、川越市のように設立のため一定の補助をしたとしても、経営が存続する保証はない。
以上から、市民病院において運営するのが最も効率的であると考える。4月以後市民病院の組織に統合され、効率のよい運営とサービス充実の努力により、利益を生じている。
市民病院を「地域の介護予防や自立支援のリハビリテーションの拠点」とし、休日、夜間のサービスを含め、より充実すべき。
【市長】 民間が参入できる環境を整えていく必要がある。市民病院をキーステーションとした民間活力を導入し、志木地区・宗岡地区それぞれに訪問看護ステーション設置の必要性を強く感じている。運営にあたり、一定の助成を考慮しなければならないので、導入に向け検討していきたい。
【天田】 在宅介護支援センターを館・幸町地区に一ヶ所というのであればともかく、訪問看護は看護師が自宅を訪問してくれるサービスである。むしろ、市民病院のあり方として、今後、志木地区からも利用し易い交通手段等を考えていくべき。
(3) 受付業務のあり方
市長の考えで、4月から市職員が委託職員とともに受付業務を行っている
【天田】デメリット
● 市職員は人件費が高く年々増加
● 委託職員との共同だと委託費も割高になる
● 専門知識がない
● 診療報酬の取り漏れが発生しやすい
● 休暇等に対し補充職員が必要、委託は契約の範囲内で補充される
● 一部パート採用をしてもトータルでは委託職員のほうが効率的
市民からも、「他の分野で活かせる市職員がなぜ受付業務なのか」疑問の声が多く寄せられており、見直すべきではないか
【市長】 もともと専門性、経済性からすると委託が望ましく、市の全体業務の検証の中で課題としていく
6.西原斜面林内の道路計画について
(1) 斜面林への影響を最小限に留める道路構造に
【市長】 斜面の崩壊等に対する安全対策にも配慮した道路形態を組合側に要望していく
(2) 区画整理事業に伴う総合的な交通規制
【天田】 斜面林内7.5メートル道路計画については、接続する志木ニュータウン外周道路カーブで死亡事故を含めた交通事故が多発しており、周辺地域に対して、志木市の交通政策の観点から説明し、意見を聞きながら、必要な対策をとるべきではないか
【市長】 組合主導で事業を進めているので、市の主導的にはいかない
7.学校・保育園給食用食材の契約方法の見直し
従来の、商工会による推薦業者を各学校に割り当てるシステムから、新座市のように教育委員会が選定基準、
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