2005年7月議会(第2回定例会)一般質問より
1.市民協働を基盤とした行政運営について
(1)人事計画について
 20年間職員採用凍結の地方自立計画見直し…公務員が担うべき職務、民間あるいは専門性ある市民が担った方が公益にかなう職務を根本から検証した上で、必要最低限の職員採用を行っていくべき。若い世代が補充されなければ、職員の意欲低下は免れない。
 臨時職員の任用形態……現在3種類となっており、同じ職務で賃金が異なる等、人事管理上も好ましくない。本来あるべき姿に正していくべき。
【市長】 将来にわたって職員が担う公務の領域などを的確に把握し、適正な人事計画を立て、職員定数の抑制を図りつつ計画的な採用について検討していく。臨時職員については法に沿った任用形態としていきたい。
【天田】
 市長公約の病気休暇見直しに留まらず、特殊勤務手当、退職時の特別昇給等、公務員優遇と言われる制度についても見直すべき。
 給与体系……公務員は定年まで上がり続けるが、民間は一定年齢からは下がっていく。志木市のラスパイレス指数(国家公務員の給与を100とした場合の数値)が低いのは、早くから昇任試験を導入し、昇格・昇給を厳格にやってきたことによるものであり、給与体系自体は国家公務員と遜色ない。
 定年退職者が今後増えていく。専門的な知識・経験を有する職員については「58歳から理事(部長職を外れる)、60歳定年退職」にこだわらず、市全体の人事計画の中で検討を。
 少子高齢社会における福祉を基盤とした組織のあり方を構築すべき。
【市長】 この提案の趣旨を踏まえ検討していく。
(2)行政パートナーについて
公務への市民参画、市民にとっての新しい公益のあり方構築は重要だが、行政パートナーは地方自立計画に基づき組織化ありき、業務ありきでやってきたがために、業務の効率化、サービス向上、守秘義務等に様々な問題が発生している。
 個々の団体との委託契約のため、適切でない人材を外すことができない。一方、()朝霞地区シルバー人材センターでは事務局が説得して、発注者の意向に沿えるよう、業務転換等を行っている。
 行政パートナーをとりまとめる市民組織があり、人材育成、教育訓練、人材派遣、適性の見極め等やれるとよいが、現段階では難しい。
 村山快哉堂では3年間の市民ボランティア講座を経て研修を重ねた市民が、行政と協働でしくみづくり、業務改善しながら管理運営も行っており、こうしたボトムアップのあり方が望ましい。
 評価のあり方……個々の行政パートナー委託業務に対する評価だけでなく、市民協働全体のしくみも含めた評価、検証が必要。
【市長】 志木市行政安定化プロジェクトの中で、行政パートナー制度のあり方や評価制度そのものも含めて、しっかりと検証をしていきたい。
(3)指定管理者制度について
現在管理委託している公共施設のみならず、地方公共団体が自ら管理すべきと法に定められているもの以外は図書館、公園等も全て対象となる。公共施設のあり方全体をオープンに検証すべきと主張してきたが、進んでこなかった。
 市民会館、市民体育館等を管理委託している(財)志木市文化スポーツ振興公社について……前市長が公社職員に身分保障を約束したために、ゼロベースでの検証、業務改善が思うように進んでいない。一方で、市民手づくりのサマーコンサート、演劇ワークショップから市民劇団設立等、市民文化向上のために市民協働で努力してきた点も踏まえて判断すべき。
 社会福祉協議会に管理委託している老人福祉センター、及び、(社福)ルストホフ志木に無償貸与している老人デイサービスセンターについて……介護保険制度改革で新たに必要とされる地域包括支援センター、新予防給付、地域支援事業等の機能を持つ地域福祉の拠点として幅広い活動が展開されるべき。
【市長】 指定管理者制度の選定方法についてはご指摘の通り、これまでの経緯を踏まえて最良の方法を選択していきたい。デイサービスセンターについては介護予防拠点として整備するのか、指定管理者制度を適用するのか早急に検討したい。
【天田】 市民会館の回転率は30%台であり、経営努力を。仮に、公社が指定管理者に指定されて、現在派遣している市職員を引き上げても経営可能な実務、コストの両面を整備すべき。


2.市民病院について
 すぐやるべきこと……日々の経営状況の把握(入退院、紹介率、科毎の収支から目標管理へ)、クレーム・意見に対する情報公開、医療福祉相談のPR等
 ルネッサンス(再生)プロジェクトで検討すべき事項……地域医療連携、小児科重視、リハビリテーション等高齢者医療の機能充実、自治体間の広域的運営、地方公営企業法の全部適用等
【市長】 常勤医師不足の中での救急診療体制維持、26年を経た病院施設、医療機器の更新等、課題は山積している。市民病院ルネッサンスプロジェクト検討委員会を設置し、市民に信頼される安心・安全な市民病院となるよう、再生計画づくりに取り組む。
【天田】 自治医科大学からの派遣が今年度からストップしており、医師確保については市長自ら動いてほしい。優秀な医師により、手術等の実績で収益増となり、経営改善にもつながる。
【市長】 医師確保については全力を尽くしていきたい。県内の市立病院全ての共通課題であり、先頭に立って取り組んでいきたい。


3.特別養護老人ホームについて
下宗岡3丁目の新たな建設計画
設立法人……(仮称)社会福祉法人新座福祉会
施設概要……100室(個室ユニットケア)
         デイサービスセンター 40人
         地域交流スペース
   ※ショートステイは近い場所に20室程度設ける予定
 市単独補助は行うのか。
 市内待機者は112名とのことで、市内優先の要請をすべきでは。
 低所得者対策として、社会福祉法人独自の減免制度を要請してはどうか。
【市長】 平成20年早々の開所に向け、地権者との協議、地元住民への説明会、県への事前協議を進めていると聞いている。市としての補助は財政上困難と説明し、県補助金を活用したいとのこと。市内待機者優先の受け入れを協議している。低所得者の利用者負担については、減免制度適用をお願いしていきたい。
【天田】 (社)ルストホフ志木の特別養護老人ホーム ブロンは、低所得者の利用者負担減免制度を未だに実施しておらず、改めてお願いしていくべき。
【健康福祉部長】 今後、協力を求めていきたい。


4.自然環境、緑地等の保全・再生について
2001年3月に市民協働で1800万円かけて策定された緑の基本計画の推進体制が未だなされていない。都市緑地保全法改正を受け、県はふるさと埼玉緑を守り育てる条例を整備している。自然再生条例に基づく自然保全再生計画(2002年3月)も、西原特定土地区画整理事業等、民間による開発の代償措置がなされないなどの課題がある。
【市長】 両計画の実施体制については全庁的な課題と捉え、検討していく。
【天田】 組織のあり方も検討し、自然環境に関する職員研修を行ってほしい。(→研修は早速実施の予定)


5.安全・安心なまちづくりについて(公共施設の被害状況と対応策)
6月26日(日)、「市役所前公園身障者用トイレの窓ガラスが枠ごと盗まれた」と村山快哉堂ボランティアが警備員室に連絡したが、「翌月曜日に職員に報告する」との対応だった。
 すみやかに職員に連絡をとる体制になっているはずなのに、なぜしなかったのか。
 警察に被害届を出すべきと担当に提言したのに、出したのは7月12日、報告書も7月14日作成で、様式が整っておらず、担当者名や被害届についての記載もない。緊張感が無さ過ぎる。
 すぐ立件されなくても他の事件との関連から明らかになる場合もあり、従来は損害賠償請求をしてきている。市民は縦割りではなく横断的に防犯のまちづくり、青少年の健全育成のため動いており、危機感がある。
【市長】 緊急時の連絡体制については、速やかに情報が伝達されるよう対応していく。
【財務部長】 警備員が人命に関わる内容でないからと判断してしまった。本来は直ぐ連絡すべきだった。
【都市整備部長】 今回の例を教訓として、今後は遺漏のないよう対応していきたい。


6.中学校通学区学校選択制について
完全自由化に向け、市長は教育委員会にお願いしていくということだが、実施の時期は。学校・家庭それぞれが責任を持って選び選ばれること、選択したら互いに協力して学校・地域を良くしていくという理念の共有が重要と考える。そのための環境整備をどのように行っていくのか。
【教育長職務代理者・教育政策部長】 教育委員会としては4月1日から転校が可能となるよう、2006年4月実施を目途に検討を進めている。多くの解決すべき課題があり、保護者・市民への十分な説明を行い、理解をいただくことが大切と認識している。


7.特別な教育ニーズへの対応について
(1)ホームスタディ制度における課題
 教員免許状を持った教育ボランティアの確保が難しく、謝金の時間500円を見直しても、ニーズにこたえていくべきではないか。
 文部科学省は、「不登校児童・生徒のための独自のカリキュラム(教育課程)を申請すれば編成できる」という考え方を打ち出した。不登校の児童生徒についても、実態に合った個別指導計画を策定していくべきではないか。
【教育長職務代理者・教育政策部長】 現在、確保に大変苦慮している状況もあるので、検討していきたい。
 過去3年間の成果……適用者数延べ81名中59名、73%が解決の方向性
 今後の課題…制度がありながら活用していない事例についての実態把握、学校との連携による積極的予防策、教育ボランティアに対する研修会等。
 ニーズへの対応……夏休み等、長期休業中における対応など、本人・保護者のニーズに応えていきたい。
(2)特別支援教育について
今年度から校内委員会、学校コーディネーターの設置が義務付けられ、各学校で校内研修も行われていると思うが、取り組み状況は。個別指導計画を定めていくことが望ましいがどうか。
【教育長職務代理者・教育政策部長】 子ども一人ひとりに対する効果的な個別支援方法について、学校長のリーダーシップのもと、校内研修の一層の充実が必要。
 2年目となる特別支援プログラムは昨年の2倍、22名の申請があり、個別学習評価等を行っているが、学校現場で活かせる具体的学習指導について、専門的な助言と学校での取り組みを支援していきたい。

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