2007年12月議会(第4回定例会)一般質問より
1.今後の都市計画について
 高度地区(原案)は、富士前田子山土地区画整理地域・上宗岡三丁目地区計画区域・志木ニュータウン地区を指定区域から除いただけで、地域それぞれの実態に応じたものにはなっていません。
 25メートルより低い高さ制限を求める方々は、住民自ら地区計画で定めていって下さい」 との市の姿勢に対し、住民からは 「従来から12メートルを求めているのになぜできないのか。」「行政が一律25メートルに指定しておいて、住民に地区計画でやってくださいというのは、あまりに安易。市の職員は何の努力も労力も要らないのではないか」 等の厳しい意見が出され、私は非常に危機感をもちました。
 更に、4年間もかけて市民参加で2000年に策定された都市計画マスタープランの土地利用方針を見た方々は、「この時点で詳細に地域の実態に応じた土地利用方針が出されているのに、行政は今まで何をやっていたのか。」
 この計画が進捗されずに、結果的に放置されてきた中での今回の高度地区指定に対し、住民からは行政への不満、不信感が出され、私は大変重く受けとめています。
 私が再三議会でとり上げてきた緑の基本計画についても、2001年度以降全く推進体制がとられていません。
 12月議会初日には長沼市長から、「景観行政団体に県の同意を得てなることができた。今後景観計画、景観条例の策定に向けて行政として一生懸命取り組んでいきたい」 という報告があり、それ自体は評価しますが、2001年に市民参加で策定された都市景観形成基本計画は、殆んど手付かずで、市民にも知られていません。
 行政は、市長が代わっても停滞することのないように、計画的に進めなければならない (地方自治法) とされ、総合振興計画をはじめ多くの計画を持っています。
 志木市では、せっかく市民と行政で一生懸命つくり、内容は良いものに仕上がっているのに、生かされておらず、経費のみならず貴重な市民・職員の創意工夫や労作が生かされていません。行政の計画性どころか、計画性のない行政と言われても致し方ないのではないでしょうか。
 都市計画行政はハードからソフトへ、ものをつくるだけの発想からまちづくりのマネジメントへと、とっくに転換していなければならなかったのです。
 2008年4月の組織改正では、都市計画課で都市計画マスタープラン、土地区画整理事業、景観に関すること等を総合的にとらえていこうという意図が感じられますが、組織を変えるだけではなく、みんなが本当に市民と一緒につくった計画を大切に推進していくんだという体制にならない限り、市民に応えていかれないと思います。
 長沼市長は 「市民協働で計画を策定しても、必ずしも一般の市民に周知されていない状況については、私も心を痛めている。課題として、各種マスタープランが議会の議決事項になっていないこと、都市計画に関するマスタープランについても、全てが都市計画審議会の議決案件となっていないこと等がある。今後、景観計画の策定作業においては、ご指摘の点も参考にしながら進めていきたい。」 とのことでした。
2. 学校教育について
(1) 教育相談体制の充実
 教育サービスセンターについては1991年、当時の秋山教育長が命を懸けて創られ、教育はサービスであるとの理念のもとに相談・研究・研修という3つの柱で運営されてきました。4月からは教育サポートセンターとして、教育相談体制の一層の充実を図っていきたいということですが、コーディネートしていくサービスセンターの機能が重要です。
 現在、子どもに関わる相談員は2名だけれど、保護者に関わる相談員は1名のみとのこと。
 また、従来から予防の大切さを強調してきましたが、治療的なサービスではなく、幼少期からの軽度発達障害等への適切な対応により、不登校や問題行動等への移行を防ぐことが重要です。
 特に、中学校では、生徒指導に追われて手がまわらない現実がありました。
 2007年4月から全ての中学校にサービスセンター相談員が配置され、相談件数も増えて、問題が顕在化したのは良いことですが、校区の小学校までは手がまわっていないのが現実のようです。
 本来、小学校段階からの適切なサポートが必要なのです。
 柚木教育長からは 「専門的知識や経験を有する相談員の確保に一層努めるとともに、相談体制の仕組みについても創意工夫しながら、不登校や特別な教育的支援を必要とする児童・生徒の悩みや苦しみを早期に受けとめる体制を一層充実していきたい」 との答弁がありました。
(2) スクールソーシャルワークをどう進めるか
 少子高齢化、核家族化、地域社会のつながりの希薄化等の中で、親自身もコミュニケーションのとり方がわからないなど、学校・家庭・地域社会の間をつなぐスクールソーシャルワークの機能が必要とされていると考えます。(ソーシャルワーク=社会福祉活動に関する知識と技術の体系)
 新たな人材の確保は難しくても、今ある社会資源を有効活用して、家庭や学校を支援していくことが重要です。
 法律的な問題解決については、市の顧問弁護士に教育委員会を通して相談することができると思います。
 また、様々な課題を抱えたご家庭の状況については、市の要保護児童対策地域協議会に児童相談所・朝霞警察署・朝霞保健所等の関係機関が入り、連携をとれる体制になっており、既にきめ細やかな対応がなされているということです。
 さらに、以前から提言してきましたが、学校関係者が精神疾患等、精神保健福祉について学習していくことにより、専門職との連携のもとで、安心して地域社会のあらゆる方々と、よりよく適切に関わっていくことができると思います。コミュニケーションを円滑に図っていかれる手法を身につけることも、大変重要です。
 柚木教育長からは 「今日の相談業務内容は、多種多様な要因を背景とした非常に困難なケースが多くなってきている。そのため、児童・生徒が自力では適切に対応できないケースも多く、さらに保護者と教員だけでも解決できないケースも増えてきている。
 こうした相談者一人ひとりに対してきめ細かく対応していくためには、多様な専門家の支援による教育相談体制の強化が必要であると認識している。
 今後は教員のほか、臨床心理、医療関係、福祉、法律に関する専門家などと連携を図っていくことが必要であり、教育委員会としては、関係機関と連携を図る中で相談業務の充実に努めていきたい。」 との答弁がありました。
 また、「今年実施したメンタルヘルス研修など、今日的なニーズに対応した研修については、今後も教育委員会が中心となって進めていきたい。」 とのことでした。
(2008年3月)
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