2008年6月議会 一般質問より
1.組織のあり方について
 市長からの指示ありきではなく、本来それぞれの高齢者福祉、都市計画等の担当部署で現状分析、政策立案、進行管理、見直し改善等果たすべき機能が果たされていないのではないかという指摘を市民からいただいています。
 今後5年間で約100人が退職し、新規採用は退職者の1/2で、従来2人で行っていたものを1人で行わなければならず、管理職も多くを抱え部下の育成にまで手がまわっていない現状です。
 メンタルヘルスの問題についても、精神疾患による休職者だけではなく、現在の組織の皆が心身ともに健康であるかに注意を払わなければなりません。
 組織に人を育てる力がなければいくら新規採用を行っても活力は生まれず、真に市民の役には立てないという危機感があります。組織力人間力を高めていくための単発的ではない腰を据えた研修等、組織をあげての人づくりに今本気で取り組むことを市長に求めました。
2.市民協働について 〜市民が安心して活動できるために〜
 市の審議会委員については、非常勤特別職の公務員として、公務災害補償に関わる条例により通勤途上の事故による負傷等に対する補償があります。また、村山快哉堂や高齢者ふれあいサロン等のボランティア的な活動については、社会福祉協議会のボランティア活動保険に加入し、活動の往復も補償の対象とされています。
 一方、市の様々な計画策定委員会等、無報酬で市長が委嘱している活動については、会議については保険の対象となりますが、往復における事故は対象外です。
 今後は何らかの形で補償の対象とされ、市民が安心して市政に参画し活動できるしくみづくりを求めました。
3.市民の心身の健康づくりについて
 自殺者が全国で年間3万人を越え、5月13日〜18日に志木市が行った心の安全週間での講演では、30代から50代で自殺が1〜2位の死亡要因となっていることがわかりました。
 2008年度より40歳以上の特定健診・特定保健指導にあわせて志木市ではがん検診も行い、2009年度からは従来の保健センターを(仮称)総合健診センターとして整備し、健診体制の充実を図ります。
 この機会に、心の健康チェックシートにより気付きを促す、保健師による啓発等を行い、将来的には心の健康診断も合わせて行い、早期発見・早期治療につなげていく。また、医療機関任せではなく、市民をメンタルヘルスのサポーターとして養成していく取り組みについても提言しました。
 2009年度に向けいろは健康21プランの見直しが行われますが、健康づくりの推進については全庁的、全市民的になっているとはいい難い現状です。例えば、路上喫煙防止条例や公共施設の全面禁煙に合わせて市民や職員に対する禁煙のサポートを行う等の活動を従来から提言してきましたが、実現していません。
 特定健診・特定保健指導に合わせて、40歳未満についてもメタボリックシンドロームに着目した健診・保健指導を今年度から行なっていくということです。ライフステージに応じた生活習慣病の予防を系統的に行いつつ、ライフスタイルを見直していかれる具体的な行動計画になるような見直しを求めました。
4.志木駅周辺の駐輪対策について
 ダイエー前の道路に駐輪システムを設置することは、消防活動に支障をきたすため不可能ということですが、現在車道・歩道にそれぞれ1列ずつ路上駐輪されているのですから、歩道を一定程度拡幅することにより、歩道部分に駐輪システムを設置できないか提案しました。
 市は撤去作業や意識啓発をしていきたいとのことですが、徹底されなければ結局車道も自転車だらけで、消防活動に支障をきたす状況に変わりありません。
 誰もが安心して通行できるユニバーサルデザインの観点から、歩行者やベビーカー、車いすが安全に通行できる対策を求めました。
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5.選挙事務のあり方について
 4月13日に行われた市議会議員選挙では、立候補者ながら市議として、適正な選挙が行われるように終始見守ってきました。今回は投票日間際に入場券の印刷ミスが明らかになる等がありました。
 投票率が45%から40%に下がる中、選挙の重要性から、市民の選挙事務に対する信頼を高めていく必要があると考え、選挙の執行者である市選挙管理委員会の浅田委員長に、事務処理マニュアルの作成、点検表によるチェック体制等について伺いました。
 浅田委員長からは、「今後は事務処理マニュアル等について精査、研究するとともに、応援職員を含めた選挙事務執行体制等についても検討していきたい。」との答弁がありました。
 今回の開票事務については、投票用紙分類機の導入等もあり、前回より事務従事職員が減ったにもかかわらず、開票時間は約1時間短縮できたということです。更なる努力を応援していきます。
6.志木市の教育について
 白砂正明教育長が4月に就任され初めての議会で、教育に対する基本的な考え方を伺いました。
(1)自治における教育のあり方
 従来保護者に対する指導はできないといわれてきましたが、指導はできなくても、子どもにとってより望ましい教育のあり方について働きかけていかなければならないと考えています。白砂教育長のもとで、家庭・学校・地域社会がそれぞれの役割と責任を果たしつつ、お互いが協力し子どもたちを真ん中において教育を営んでいかれることを願っています。
 教育についてみんなで考えていくためには、教育に関する情報提供のあり方が適切でなければいけないと思っています。
 例えば通学区の自由化や適正配置の問題にしても、市民が教育的に正しく判断していかれるためには、教育委員会が責任を持って教育的に情報提供をしていくことが基本と考えています。
 白砂教育長からは「教育は普遍であり、時代に流されてはならない教育と、時代に即して変えなければならない教育のバランスを失わないことが極めて大切。教育の狙いは人格の形成と社会性の育成だが、その根幹は家庭教育であり、基本的な善悪の判断力やしつけは、子どもを持つ親の最大の責任と考えている。このことを基本に教育委員会は家庭・学校・地域の有機的な連携を図りながら教育施策を推進していく。」
 また、「教育は教育委員会だけで行うものではなく、お互いに情報をしっかりと共有しながら進めていくのが最善であろうと思っているので、適切な情報提供をしていきたい。」との答弁がありました。
(2)教職員の研修について
 「教職員は常に研修に努めなければならない」とされ、研修は教職員の命であり、最も重要であると考えています。
 従来から県費負担教職員については、県による初任者研修・5年・10年・20年次研修が位置づけられ、特に1年目の初任者については代替教員も手当されます。
 一方、ハタザクラプラン(少人数学級編成)に伴う市費の常勤講師とともに、県費教員の2〜4年目についても継続的な研修の必要性から、市教育委員会でパワーアップ研修を行っています。
 さらに、学校週5日制等により志木市では近年行われていなかった教科ごとの主任研修会も、若い教員を育てなければとの熱意から、校長先生方が中心となって今年度から復活するそうです。
 学校ごとの校内研修についても、例えば志木四小では、ベテランの音楽の先生が若い人を育てたいと、市内全小学校に声をかけ自主的に授業を公開する、図工でも先輩教諭が放課後若手教員に指導法を伝授する等が行なわれているそうです。
 こうした校内研修が充分にできるよう、学校に対するサポートも必要であると思います。
 白砂教育長からは「研修は教員の職責そのものであると認識している。教育委員会としては各教科の主任研修会や各学校の校内研修に積極的に指導主事を派遣するとともに、外部講師を招聘するなど、様々な面から研修の充実を図っていく。」との答弁がありました。
 近年、学校が主体的に取り組んでいる教育委員会の委嘱研究については、予算がつきにくい状況です。研究の重要性を踏まえ、あり方の検討を求めました。また、教育委員会の指導主事は事務作業で多忙を極めており、現場への支援、指導により多くの時間を割けるよう提言しました。
 教育長からは「研究については費用も含めて検討していきたい。また、指導主事本来の業務ができるような体制をつくっていきたい。」との答弁がありました。
(2009年2月) 
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