志木市の介護保険事業計画・高齢者保健福祉計画から地域福祉へ
 前回(1994年)の高齢者保健福祉計画策定時には「市民の意見が充分に反映されなかった」という意見が多く聞かれましたが、介護保険法に計画段階からの市民参加が明記されたこともあり、志木市では公募市民を交えた介護保険事業計画及び高齢者保健福祉計画策定委員会を中心に、7回の市民公聴会(計286名が参加)を始め、自主的な市民の勉強会等多くの場で、市民ぐるみの議論がなされてきました。
《介護保険料と利用料は?》
 65歳以上の第1号被保険者の保険料については所得に応じた5段階の軽減及び割増となっています。第1号被保険者の保険料の総体は動かせないため、中にはその範囲内で更に軽減及び割増をはかる自治体もあるようですが、それには被保険者間の合意形成が必要となります。保険料及び利用料の軽減は法により認められないため、これまで一律に支給していた寝たきり老人手当を要介護度と所得に応じて見直し、その名称も含め、可能な限り高齢者の尊厳と自立を支援するようなしくみづくりを提言しました。
 尚、この度の国の特別対策により、半年間は第1号被保険者の保険料は徴収せず、その後1年間は半額とし、国が全額負担という措置が取られ、志木市も同様の措置を取るとのことです。第2号被保険者(40歳〜64歳)の保険料は、加入する医療保険に上乗せ徴収されます。
 利用料については、同じく国の特別対策により、ホームヘルプサービスについて低所得世帯は3年間は3%、段階的に2005年度から10%とする、更に障害者については04年度まで3%とされています。
 その他のサービスについては一割自己負担となりますが、高額介護サービス費として所得に応じた自己負担上限額が設けられており、一時的な自己負担のための貸付制度も市が設ける予定です。
《認定と自立支援は?》
要介護認定については、1次判定のコンピューターソフトにも改良が加えられ、2次判定では特記事項や医師の意見書をもとに、介護認定審査会による審査・判定がなされています。
2000年1月5日現在
申請件数          426件
審査件数          331件
自立               3件
2次判定での変更件数   86件             (変更率25.9%)
           ・要介護度が重くなったもの  77件
           ・軽くなったもの          9件
           ・2段階重くなったもの      5件
 自立の方に対しては生活支援サービスを紹介し、必要に応じ、社会福祉協議会のたんぽぽサービス、志木二小の教育福祉ふれあい館での高齢者いきいきサロン、入浴等については福祉センター・第二福祉センターをご利用いただけます。
 今後は、高齢者保健福祉計画に基づき、在宅介護支援センターを拠点に地域で身近な住民同志で支え合える地域ケア体制の確立に向け、市民・事業者・行政ぐるみの地域連帯の輪をっくり、高齢者も支える側・支えられる側それぞれが生きがいを感じられる対等の関係をつくっていくことが最も重要であると考えます。
 実際、この介護保険制度をきっかけに、市民自身が我がまちを真剣に考えていく中で、隣近所の支え合いの大事さを認識し、また「高齢になってからではなく、女性も男性も、子ども時代からの家事を始めとした生活と意識の自立の大切さを痛感しています。」と、幼児期からの家庭や地域での教育と生涯学習の重要性を指摘された83歳の女性のご意見を、私たちは実践していきたいと思います。
《介護保険サービスの供給体制は?》
 在宅サービスのうち、ホームヘルプサービスは供給量を満たしています。デイサービスは、4月から社会福祉法人ルストホフ志木の運営により、ブロンについては土曜日曜、柏町の志木市デイサービスセンターについては改修による受け入れ増と土曜のサービス拡大が考えられています。更に、既存の施設改修や新たな保健福祉施設内にデイサービスセンターを設けることも検討されています。訪問看護ステーションのサービス体制は継続されます。
 施設サービスのうち、在宅への中間施設としての老人保健施設は充足されています。
 療養型病床群についても、志木市が属する西部第一医療圏では充足されており、増床は県に認可されない状況です。
 特別養護老人ホームについては、社会福祉法人の参入も含め、サービスが確保されるよう調整をはかっていくとのことです。
 尚、良質のサービスを確保するために、指定居宅介護支援事業者(ケアマネージャー)・指定居宅サービス事業者についてそれぞれ2回の交流会・説明会を実施し、ケアマネージャーには要介護者本人の立場に立ち、その意向を尊重してケアプランを作成するよう指導、事業者についても連絡会議や指導を重ねていくということです。
(2000年1月)

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