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熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 "Play Back 1997"

1997 Top

○観戦記録 中央大学 vs 日本大学(1997年11月9日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(1997/11/09) 於:熊谷ラグビー場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 中央大学  :前半: 1  0  1  0  8 |
       :後半: 2  1  2  0 18 |  26 14
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 日本大学  :前半: 1  0  2  0 11 |
       :後半: 4  2  0  0 24 |  35 19


◎出場メンバー

 中央 : 1.佐々木 2.村田 3.高島 4.忠地 5.野村 6.浜田友 7.関 8.大沼
      9.平野 10.月田 11.山村 12.阿部 13.平澤 14.迫本 15.佐藤誠
     (16.越野 17.高橋創 18.臼井 19.江浦 20.炭竈 21.鎌田)

    ○交替  3→17(後36分入替)、15→21(後40分入替)


 日大 : 1.横山 2.草野 3.川村 4.岡田 5.安田 6.古屋 7.鷲谷 8.龍
      9.柳 10.日原 11.池田 12.野杁 13.沢木敬 14.窪田 15.田原
     (16.高野 17.南方 18.矢巻 19.沢木智 20.徳原 21.吉村)

    ○交替  なし

 レフリー : 中原(関東協会)  タッチジャッジ : 藤井、高尾、宮本


◎得点経過(前半20分までの得点経過不明)

 中央大学    0                PGx1=3     8                      8
                                           T
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                                            T
 日本大学    0                PGx2=6            11             11


 中央大学    8        13     16  23   26                       26
             x    T       P  G    P
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                     G        T      T G
 日本大学   11           18       23    28 35                  35

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗


◎試合内容

[全般的な感想]

折からの強風(熊谷名物でもある)も味方して?中大が健闘し、後半には一時26-
23で日大をリード。しかしながら、最終的には自力に勝る日大が逃げ切った。日大
にとっては反省材料の多い試合ではあったが、確実に5勝目を挙げ、悲願の優勝に
向けて一歩前進といったところ。

[試合展開]

実は競技場に着いたのがキックオフから20分後。日大が何点取っているかと思って
スコアボードを見たら 6-3 で(中央大ファンの方には失礼ながら)ちょっと拍子
抜けしてしまった。日大は前半は風上で有利だったはずだが、気のゆるみからかミ
スを連発。そこを中央大につけ込まれて得点を許すなど、日大としてはおそらく今
期最低の出来。33分にラインアウトからFWがモールで押し込んでやっと1つめの
トライを奪ったものの、それでも波に乗れずに前半を終了。風下の後半に不安を残
す展開となった。

後半になっても、日大は強風下でのキック処理を誤るなど相変わらずミスが多い。
7分に中央大にトライを奪われて11-13と逆転を許したところで、ようやく日大らし
いプレーが出る。セットプレーからBK→FW→BKの展開でトライを奪い、一息
ついた。しかしながら、中央大も粘りを発揮し、15分PG、18分トライ(ゴール成
功)で日大を再逆転(18-23)。場内の中央大ファンが大いに沸いた。

19分に日大が再び「日大パターン」(セットプレーからBK→FW→BKの展開)
でトライを奪い同点(23-23)。いよいよ日大のエンジン全開と思った矢先の23分
に中央大がPG成功で再々逆転(26-23)。ところが、日大側にいや〜なムードが
漂い始めてきた26分だった。ゴール前のセットプレーから、CTB沢木が技有りの
トライ(ゴール失敗)を決めて再びリードを奪う(28-26)。相手DFが余った状
態を巧みなステップワークで振り切っての見事なトライだった。その直後の28分に
も、キックオフのボールをFWの縦突進でインゴールまで持ち込んでトライを追加。
その後の中央大の必死の猛攻も実らず、結局 35-25 でノーサイドとなった。

以上のように、得点経過からはスリリングな展開であったことが伺われるが、日大
が負けるという感じはなかった。それは、頼みのFWが崩されなかったから。また、
日大は必ずトライを取れるパターンを持っているのも大きな強み。本日も大活躍の
No.8龍を中心としたFW第三列のひたすら前へ出ようとする闘志が日大に勝利を呼
び込んだ、と言えそうである。

というわけで、本日の試合は日大にとって関東学院との大一番に向けて一抹の不安
を抱かせる展開となったが、私にはとくに心配ないように思われた。苦戦したもの
の日大のチーム状態はけっして崩れているわけではなく、おそらく東海大戦の大勝
が無意識のうちに気の緩みを生んでいたのだろう。11/22(関東学院戦)に対する
期待はけっして小さくなっていない。           (1997年11月9日記)

[追想 after 2003]

リーグ戦グループを観戦する楽しみのひとつとして「因縁の対決」と言うものがあ
る。毎年のように息詰まるような熱戦(肉弾戦+精神戦)が展開される日大vs中央
大もおそらくその一つであろう。苦手意識というのがあるのかどうかはわからない
が、年度の成績に関わりなく日大は中央大に苦しめられることが多い。強力FWを
中心に圧倒的に攻める日大と粘り強いディフェンスでなかなか得点を許さない中央
大との「意地と意地のぶつかり合い」は見応え十分。

ここ数年は両チームとも少し元気がなく、その対戦もやや淡泊な内容になっている
のが残念に思われる。ただ、中央大の伝統といってもいい「魂のラグビー」(15
人の気持ちがグランド上で一つになると想像を超えたパワーを発揮する)は2003シ
ーズンの関東学院戦が思い起こされるように途絶えてはいない。強力スクラムの復
活によりパワーアップが成功しつつある日大との熱い戦いがリーグ戦グループの活
性化に繋がることを期待したい。

Edited by Kazunori KONO, Feb/24th/2004   Back