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熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 "Play Back 1998"

1998 Top

○観戦記録 日本大学 vs 法政大学(1998年11月8日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(1998/11/08) 於:熊谷ラグビー場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 日本大学  :前半: 0  0  0  0  0 |
       :後半: 2  2  0  0 14 |  14  9
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 法政大学  :前半: 2  1  1  1 18 |
       :後半: 3  3  1  0 24 |  42 18 


◎出場メンバー

 日大 : 1.田中 2.大渕 3.柳沼 4.栗原 5.安田 6.矢巻 7.三縄 8.横瀬
      9.沢木 10.日原 11.窪田 12.野杁 13.今利 14.北條 15.田原
     (16.草津 17.川村 18.高野 19.宮野 20.宗岡 21.海藤 22.徳原)

    ○交替  9→20(後0分入替)、3→17(後0分入替)


 法政 : 1.鶴長 2.大西良 3.鶴長 4.細川 5.平塚 6.山口 7.田口 8.崎尾
      9.矢野 10.内田 11.薄田 12.川合 13.西村 14.浦部 15.加賀谷
     (16.松下 17.斉藤 18.菅原 19.渡邊 20.岡 21.若木 22.笠井)

    ○交替  4→20(後0分入替)、1→22(後12分入替)、8→19(後35分入替)
        13→17(後37分入替)、2→21(後40分入替)、9→18(後40分入替)
      

 レフリー : 渡辺(関東協会)  タッチジャッジ : 新野、大崎、並木


◎得点経過

 日本大学    0                                                  0
                 
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
               D  P                 G    T
 法政大学    0     3  6                 13   18                18


 日本大学    0           7              14                     14
                     G              G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                P      G     G                 G
 法政大学   18      21     28    35                42          42

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗


◎得点者

 日大:後半10分 栗原(T)、日原(G)
      25分 栗原(T)、日原(G)

 法政:前半 4分 内田(DG)
       7分 内田(PG)
      25分 崎尾(T)、内田(G)
      30分 田口(T)
    後半 5分 内田(PG)
      12分 加賀谷(T)、内田(G)
      18分 川合(T)、内田(G)
      36分 浦部(T)、内田(G)


◎試合内容

今シーズン見た2試合(専修大戦と流通経済大戦)の観戦記で「今一歩信じ切れな
い」と書いた法政だったが、この試合を見てすっかり信じる気になった。法政こそ
優勝に値するチームだと思う。ちょっと気が早いが、大学選手権ではリーグ戦G代
表として法政と流通経済大の2校を応援しようと思っている。

[前半の戦い]

今シーズンの法政のスタートダッシュのすばらしさは定評のあるところ。FWとB
Kが一体となってテンポよく攻め続け、フィニッシュはBKで余裕を持って決める、
といった実に理にかなった攻撃。面白さの点では流通経済大に一歩譲るものの、ト
ライの美しさという点では俄然法政である。とくに圧倒的なパワーを誇りながらも、
けっしてごり押ししないFWの素晴らしさは、大学ラグビー界でも屈指のものとい
えるのではないだろうか。

もちろん、このパターン(スタートダッシュ)は日大も熟知しており、序盤はひた
すら日大が耐える展開とななった。何とか法政の猛攻を2PGの6点のみに抑え、
そろそろ日大の時間帯になりかかった25分、ついに法政の連続攻撃が実を結ぶ。
続く30分にもラインアウトからトライが生まれ法政のリードは18点に拡がった。
長身LO平塚を軸とした法政のラインアウトは完璧で、日大はスクラムでも完敗。
何度かコラプシングを取られたこともあり、前半の日大は全く自分たちのペースを
つかむことができなかった。

[後半の戦い]

これまでは前半に大量点を取った後、後半は休んでしまうことが多かった法政だっ
たが、本日は後半もひたすら前への法政。4分にSO内田がPGを決めて得点差は
21点に。10分に日大がモールプレーで1トライ返すものの、法政は13分と18分に立
て続けに連続攻撃からトライを奪い35-7。ここで勝負は決まった。

日大の2トライはいずれもモールを押し込んで奪ったもの。とにかく攻め手がなか
った。FW戦で圧倒されてしまったので仕方ないが、本日はBK攻撃が全くと言っ
ていいほど不発。ウィングまでボールが回ることは一度もなかったと思う。切り札
北條が2回ほどカウンターアタックで大きくゲインする場面があったが、いかんせ
ん単発だった。

結局試合は42-14で法政の圧勝。キャプテンの大西は今日も元気にチームをまとめ
ていた。ほんとにいいキャプテンだと思う。単純なことを当たり前にやる、この一
見簡単そうでなかなか他のチームができないことを忠実に実行し、確実に勝ってし
まう法政の圧倒的な強さを感じた試合だった。

[全般を通じての感想]

チームカラーといってしまえばそれまでかもしれないが、日大はとにかく大人しい。
このチームには法政の大西主将のようなムードメーカー的な牽引者がほしいところ。
もっともそれより前にFWの機動力不足を何とかする必要があると思う。サイズだ
けでなくスピードも求められるのが現代のFW。今年の日大のFWはそのどちらも
中途半端といった感じ。

法政は次の関東学院戦に勝てば最終節を待たずに優勝。個人的な希望を言わせても
らえば、法政らしくスカッと決めてほしい。同じ日の不安定な関東学院の戦いぶり
(対大東大戦)を見て、その思いをいっそう強くした。   (1998年11月8日記)

Edited by Kazunori KONO, March/7th/2004   Back