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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(1999/10/23) 於:秩父宮ラグビー場
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
関東学院大学:前半: 3 3 2 0 27 |
:後半: 3 3 0 0 21 | 48 11
+-----------------+-------------------------------+-------------+
大東文化大学:前半: 1 1 1 0 10 |
:後半: 2 2 0 0 14 | 24 11
◎出場メンバー
関東 : 1.久富 2.蔵 3.櫻井 4.堀田 5.川井 6.古島 7.服部 8.若松
9.増田 10.淵上 11.木立 12.萩谷 13.吉岡 14.四宮 15.角濱
(16.高山 17.河田 18.北川 19.大津留 20.今村順 21.水田 22.三宅)
○交替 7→19(後0分入替)、11→22(後17分入替)、15→21(後25分入替)
大東 : 1.植木 2.吹越 3.高田 4.白水 5.生沼 6.露木 7.バツベイ 8.マウ
9.苫米地 10.松尾 11.五十嵐 12.赤羽根 13.田中 14.本郷 15.太田
(16.大塚 17.片岡 18.井上 19.村瀬 20.阿部 21.オト 22.畑山)
○交替 2→16(前33分入替)、5→18(後6分入替)、3→17(後21分入替)
7→21(後21分入替)、13→19(後21分入替)
レフリー : 石井(日本協会) タッチジャッジ : 谷口、藤、鈴木
◎得点経過
関東学院大学 0 3 10 17 24 27 27
P G G G P x
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
P G
大東文化大学 0 3 10 10
関東学院大学 27 34 41 48 48
G G G x
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
G G
大東文化大学 10 17 24 24
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
関東:前半 2分 吉岡(PG)
7分 増田(T)、吉岡(G)
22分 四宮(T)、吉岡(G)
25分 角濱(T)、吉岡(G)
31分 吉岡(PG)
後半 1分 吉岡(T)、吉岡(G)
14分 四宮(T)、吉岡(G)
37分 四宮(T)、吉岡(G)
大東:前半 9分 松尾(PG)
12分 五十嵐(T)、松尾(G)
後半 7分 高田(T)、松尾(G)
35分 白水(T)、松尾(G)
◎試合内容
中盤戦にさしかかった戦国リーグ戦にあって屈指の好カード...だったはずな
のだが、意外な点差がついてしまった。今すぐにでも大学選手権をやりたいくら
いの関東学院に比べると、大東大の仕上がりはまだまだといった感じ。関東学院
はこのあと約1ヶ月間試合がないのに対し大東大は11月末まで休みなしの連戦、
と今後のスケジュールに大きな違いがあるが、どちらも選手権に向けてしっかり
と調整をはかって欲しいところだ。
[前半]
関東学院は矢口、大東大は山田(いずれもWTB)が欠場していたが、両チーム
ともほぼベストメンバー。どちらも気合い十分で臨んだ立ち上がりのはずだった
が、大東大の方が空回り気味だった。
開始1分に関東学院がPGであっさり先制。本日ようやくスタメンで登場したC
TB吉岡だが、プレースキックは10本中8本成功と抜群に安定していた。また、
7分にはSH増田が5mスクラムからインゴールにボールを持ちみ難なくトライ。
熱戦を予想したファンにはやや拍子抜けの立ち上がりとなった。
しかしながら、9分に大東大に気迫のプレーが出る。関東学院陣10mライン付近で
の関東学院ボールのスクラムを力強くプッシュ。これが関東学院の焦りを誘いペ
ナルティ。SO松尾が落ち着いてPGを決め、まず3点を返す。
さらに、17分にはこの試合でも屈指と言えるビューティフルトライが大東大に生
まれる。関東学院陣10mラインと22mラインの中間付近でのマイボールスクラムか
ら素早く左オープンに展開。SO松尾から両センターを経由して逆サイドからラ
イン参加した右WTBにボールがわたりゲインライン突破。最後は左WTBの五
十嵐君が相手DFを振り切ってトライ。FWがスクラムをブレイクアップした頃
には既にトライが決まっていたというくらいの電光石火の早業だった。
しかしながら、これでペースを掴んだのは皮肉にも関東学院の方。得意とするF
WとBKが一体となった連続攻撃で攻め続け、22分に四宮がトライ。また、25分
には17分に奪われたトライのお返し、とばかりにセットスクラムから素早くBK
に展開してライン参加した角濱がトライを奪い、試合の流れは完全に関東学院に
傾いた。先日の専修戦ではやや頼りなかった角濱だが、今日はとても頼もしいプ
レーぶりだった。
大東大はせっかくのマイボールも球出しをことごとく関東学院に邪魔され、攻撃
は途切れがち。ターンオーバーされることが多く、ラインアウトも絶不調とあっ
ては攻撃のリズムに乗れないのもやむを得ない。とくにセットスクラムで関東学
院に徹底的にプレッシャーをかけられ、マウ、バツベイを中心とした自慢のFW
第3列がほとんど動けなかったのは誤算ではなかっただろうか。
関東学院が30分にもPGを追加し、27−10と関東学院17点リードで前半を終了。
もちろん大東の破壊力を持ってすれば十分挽回可能の点差ではあった。
[後半]
後半は気持ちを入れ替え、持ち味の奔放ラグビーで逆転したかった大東大だった
が、そんな気持ちを一気に打ち砕いたのがこの日大活躍の吉岡。これも開始1分
だった。SO淵上のハイパントをダイレクトキャッチしてそのまま独走しトライ。
大東大の選手がキャッチしかけていたボールを「気合い」でもぎ取ってしまった
気迫溢れるプレーだった。
しかしながら、このままでは終われない大東大はメンバー交代でリフレッシュし
たFWを中心として反撃する。7分には関東学院ゴール前でモールを押し込みト
ライ。ようやくトンガ勢が大きくゲインする場面もみられるようになった。ただ、
FWのサポートが遅いこともあって、単発の感は否めない。ボールを奔放に繋ぎ
まくる大東大の得意とする形には最後までならなかった。
14分には関東学院がラインアウトを起点とした連続攻撃からトライを奪ってリー
ドを24点に拡げる。その後しばらく膠着状態が続いた後、終盤の35分に大東のL
O白水が快速を飛ばしてトライを奪うものの、37分の四宮のトライで万事休して
しまった。
[感想]
最後まで15人が一体となって動き続けることができた関東学院が圧倒的な勝利
を収めた試合だったと思う。とくに、終始安定したボールをBKに供給し続けた
だけでなく、トンガ勢の突進を止め、しばしば相手ボールをターンオーバーする
など堅実にプレーし続けたFWなくしてはこの勝利は語れないだろう。
今年の関東学院は例年以上に弱点を見いだしにくいチームになっていると思う。
約1ヶ月後に対戦する3チーム(日大、中央、法政)には是非とも意地を見せて
欲しいところだ。 (1999年10月23日記)
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