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熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 "Play Back 2000"

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○観戦記録 大東文化大学 vs 法政大学(2000年9月30日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2000/09/30) 於:秩父宮ラグビー場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 大東文化大学:前半: 0  0  0  0  0 |
       :後半: 1  1  0  0  7 |   7 15
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 法政大学  :前半: 5  4  3  0 42 |
       :後半: 3  2  1  0 22 |  64  8 


◎出場メンバー

 大東 : 1.中村 2.大塚 3.坂尾 4.生沼知 5.生沼元 6.井上 7.丸山 8.バツベイ
      9.苫米地 10.松尾 11.海老原 12.田中 13.オト 14.太田 15.畑山
     (16.吹越 17.藤田 18.山本 19.相 20.吉村 21.中垣 22.五十嵐)

    ○交替  6→19(前17分入替)、1→16(後16分入替)、11→22(後18分入替)
         9→20(後24分入替)、10→21(後24分入替)、5→18(後33分入替)
         3→17(後37分入替)


 法政 : 1.神宮寺 2.吉澤 3.池谷 4.浅野 5.平塚 6.神山 7.佐藤 8.渡辺庸
      9.麻田 10.乗本 11.斉藤 12.赤沼 13.渡辺哲 14.栗原 15.矢澤
     (16.難波 17.水山 18.磯岡 19.中村 20.友永 21.藤井 22.小滝)

    ○交替  2→17(後17分入替)、13→21(後14分入替)、9→20(後28分入替)
         10→22(後37分入替)、11→19(後39分入替)


 レフリー : 田中(日本協会)  タッチジャッジ : 石井、谷口、栗林


◎得点経過

 大東文化大学  0                                                  0
                 
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
             P      P   G   T   P G   G     G
 法政大学    0   3      6   13  18 21 28  35    42             42


 大東文化大学  0                                 7                7
                                           G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
              G                      T        G   P
 法政大学   42    49                     54       61  64       64

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗


◎得点者

 大東:後半32分 太田(T)、中垣(G)

 法政:前半 2分 栗原(PG)
       9分 栗原(PG)
      13分 渡辺(T)、栗原(G)
      17分 斉藤(T)
      21分 栗原(PG)
      23分 神宮寺(T)、栗原(G)
      27分 渡邊(T)、栗原(G)
      33分 渡辺(T)、栗原(G)
    後半 3分 斉藤(T)、栗原(G)
      26分 矢澤(T)
      35分 藤井(T)、栗原(G)
      39分 栗原(PG)


◎得点パターン(参考)   *法政大学のキックオフで試合開始

 前半 2分  0- 3 (法政)右中間30m,(14)PG成功
    9分  0- 6 (法政)右中間25m,(14)PG成功
   13分  0-13 (法政)ラインアウトからモールを形成して前進,ラックから(10)→(13)と
                 渡ってトライ,(14)G成功
   17分  0-18 (法政)自陣スクラム→ラック→(10)→(12)が大きくゲイン→(11)トライ
                 (14)G失敗
   21分  0-21 (法政)正面やや左22m,(14)PG成功
   23分  0-28 (法政)大東陣左G前ラインアウトからモールを形成,そのまま押し込み
                 (1)がトライ,(14)G成功
   27分  0-35 (法政)大東陣G前スクラムから(8)が持ち込みトライ,(14)G成功
   33分  0-42 (法政)(13)トライ,(14)G成功

 後半 3分  0-49 (法政)大東陣スクラムからサイドを突いてオープンに展開,(11)トライ
                 (14)G成功
   26分  0-54(法政)大東G前で(10)が右にキックしたボール(キックパス)を(15)が
                 インゴール右隅で押さえてトライ,(14)G失敗
   32分  7-54 (大東)法政陣でえたPから右に展開し(14)トライ,(21)G成功
   35分  7-61(法政)連続攻撃から(21)トライ,(14)G成功
   39分  7-64 (法政)(14)PG成功


◎試合内容

これが「戦国リーグ」とも称されるリーグ戦グループの怖さだろうか。王座奪還
に向けて、法政にとってはこれ以上は望めない絶好のスタートとなった。

序盤から8人が塊となって休むことなく攻め続ける法政FWの圧力に大東大FW
はなす術もなく後退。FW戦圧倒的優位の状況で、SH麻田の正確で速いパスを
起点としたBK攻撃が面白いように決まり、前半27分の段階で35-0と(誰も予想
できなかった)一方的な試合展開となってしまった。法政とは反対に大東大はマ
イボールでも活きたボールがまったく供給できず、BK攻撃もちぐはぐ。バツベ
イとオトは完全に「消えて」いた。

大東大にとって惜しまれるのは,前半で30分に訪れた絶好の得点機をミス(イン
ゴールまでボールを運びながら、オブストラクションを取られてトライならず)
で逃してしまったこと。持ち前のNo.8バツベイの縦突進を起点とした攻撃が見ら
れ、試合の流れは大東大に傾きかけていた。前半に2トライ返すことができて21
点差(35-14)なら,大東大は後半に十分望みをつなげる。しかしながら,その
ミスの直後に逆に法政にトライを奪われて0-42。ここで試合は完全に決まってし
まった。

後半開始直後の3分に法政がスクラムを起点としたオープン攻撃でトライを奪っ
てから26分に法政が再び得点するまで,試合はしばらく膠着状態となった。この
間、両チームともメンバーが頻繁に入れ替わったが,法政は明らかに余裕の交代
といった感じだった。後半23分にハーフ団が入れ替わってしまったことに象徴さ
れるように、大東大には明らかにチーム戦術に混乱が見られた。

後半32分に大東大はようやく切り札のWTB太田の個人技で1トライを返すもの
の時既に遅し。元気よく動き回る法政フィフティーンの姿だけが印象に残る試合
だった。

この勢いなら関東学院も敵ではない、と思わせそうな本日の法政。だが,大東大
の出来があまりにも悪すぎた、というのが私の率直な感想。少なくとも、優勝し
た一昨シーズンのチームのような圧倒的な破壊力はこの日の戦いぶりからは感じ
られなかった。ただ,精力的に動くFWに象徴されるチームのまとまりの良さと
選手個々のチーム戦術に対する理解度の高さは,優勝した時のチームを上回って
いるのではないだろうか。

いずれにせよ,法政にとっては次の日大戦が今シーズンを占う上での試金石とな
りそうで、そこでさらに自信を深めることができるかどうか。緒戦を見る限り、
優勝候補のひとつ流通経済大には昨シーズンの堅守とBKラインの切れ味はなか
った。リーグ戦の序盤戦の大一番が早くもやってくる。
                           (2000年9月30日記)

Edited by Kazunori KONO, May/5th/2004   Back