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熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 "Play Back 2000"

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○観戦記録 大東文化大学 vs 中央大学(2000年10月7日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2000/09/30) 於:熊谷ラグビー場(B)

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 大東文化大学:前半: 6  5  3  0 40 |
       :後半: 6  6  0  0 42 |  82 20
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 中央大学  :前半: 1  0  0  0  5 |
       :後半: 4  3  0  0 26 |  31  6 


◎出場メンバー

 大東 : 1.林田 2.大塚 3.坂尾 4.生沼知 5.生沼元 6.露木 7.小林 8.バツベイ
      9.苫米地 10.松尾 11.五十嵐 12.田中 13.オト 14.太田 15.大西
      (16.吹越 17.藤田 18.丸山 19.村瀬 20.吉村 21.中垣 22.森)

    ○交替  2→16(前17分交代)、5→18(前33分交代)、9→20(後20分入替)
         14→22(後26分入替)、7→19(後31分入替)、3→17(後34分入替)
         10→21(後34分入替)


 中央 : 1.藤田 2.河辺 3.田村 4.平野 5.田中 6.山田 7.臼井 8.小野田
      9.鈴木 10.高村 11.岡本 12.下別府 13.早淵 14.平田 15.中畑
     (16.富井 17.大久保 18.高橋 19.菅谷 20.渡辺 21.塩崎 22.平田)

    ○交替  4→18(前34分交代)、8→19(後20分入替)、15→22(後21分交代)


 レフリー : 谷口(関東協会)  タッチジャッジ : 矢木沢


◎得点経過

 大東文化大学  0       7                     14 19 26 33  40     40
                       G                     G  T   G G   G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                          T  x
 中央大学    0                5                                 5


 大東文化大学 40      47        54 6168         75         82    82
                G         G  G G          G          G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
              G  G                G  T
 中央大学    5    12 19              26  31                    31

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗


◎得点者

 大東:前半 6分 太田(T)、松尾(G)
      28分 松尾(T)、松尾(G)
      31分 五十嵐(T)
      35分 五十嵐(T)、松尾(G)
      37分 露木(T)、松尾(G)
      41分 オト(T)、松尾(G)
    後半 5分 太田(T)、松尾(G)
      15分 太田(T)、松尾(G)
      18分 太田(T)、松尾(G)
      20分 田中(T)、松尾(G)
      31分 オト(T)、松尾(G)
      42分 五十嵐(T)、松尾(G)

 中央:前半15分 山田(T)
      18分 中畑(PG)
    後半 3分 認定(T)、中畑(G)
       6分 鈴木(T)、中畑(G)
      23分 早淵(T)、高村(G)
      26分 下別府(T)


◎得点パターン(参考)   *中央大学のキックオフで試合開始

 前半 6分  7- 0 (大東)中央陣ラインアウトからラックを経てオープンに展開,(10)のキック
                 をインゴールで(14)が押さえトライ,(10)G成功
   15分  7- 5 (中央)大東陣22m内ラインアウトからモールを形成し前進,ラックを経て
                  (6)がトライ,(15)G失敗
   18分  7- 5 (中央)中央やや右35m,(15)PG失敗
   28分 14- 5 (大東)中央BKがキックしたボールを大東が自陣でキャッチしてカウン
                 ターアタック,(11)が大きくゲインし相手G前で(10)にパス,
                 (10)そのままトライ,(10)G成功
   31分 19- 5 (大東)中央陣右ラインアウトを起点としモール,ラックで前進,左オープンに
                 展開,(10)→(8)→(6)→(11)左隅にトライ,(10)G失敗
   35分 26- 5 (大東)中央BKがキックしたボールを大東が自陣で確保し(11)が
                 カウンターアタック,大きくゲインしそのままトライ,(10)G成功
   37分 33- 5 (大東)センタースクラムから右にサイドアタック,(11)がゲインしフォローした
                 (6)がトライ,(10)G成功
   41分 40- 5 (大東)中央ボールラインアウト,中央(10)キックしたボールを(11)が左側
                 タッチライン付近でキャッチしカウンターアタック,(15)→(14)が大きく
                 ゲイン,フォローした(13)がトライ,(10)G成功

 後半 3分 40-12 (中央)大東陣ゴール前での大東の反則に対しペナルティトライ,(15)
                 G成功
    5分 47-12(大東)中央(12)が自陣ゴール前でオープンにキックしたボールを大東
                 (14)が中央陣22ML付近でキャッチ,そのまま中央DFを振り
                 切り右隅にトライ,(10)G成功
    6分 47-19 (中央)中央大キックオフで大東ボールになったところをターンオーバー,
                 中央(9)がインゴールに持ち込みトライ,(15)G成功
   15分 54-19 (大東)大東陣での中央ボールラインアウトからのこぼれ球を大東が確
                 保して自陣ゴール前から右オープンに展開,(14)が約70m独
                 走しトライ,(10)G成功
   18分 61-19 (大東)中央大ボール,大東陣10ML付近からのオープン攻撃で大東
                 (14)がパスをインターセプトし約50m独走しトライ,(10)G成功
   20分 68-19 (大東)センタースクラムから左オープンに展開,(10)→(12)そのまま約
                 50m独走してトライ,(10)G成功
   23分 68-26(中央)大東陣10ML付近のスクラムからオープンに展開し(13)がトライ
                 (10)G成功
   26分 68-31(中央)大東陣ゴール前で(10)が右オープンにキック,(12)がインゴールに
                 持ち込みトライ,(10)G失敗
   31分 75-31 (大東)中央陣G前での連続攻撃から(10)→(8)→(13)と繋い
                 でトライ,(10)G成功
   42分 82-31 (大東)カウンターアタックから(11)がトライ,(10)G成功


◎試合内容

ちょっと気が早いかも知れないが,この試合の翌日に行われる日大−法政は優勝
をかけた大一番。こちらの試合も、大学選手権出場がかかっていると言う意味で
は大一番と言えなくもない。緒戦から大幅にメンバーを入れ替えてベテラン(上
級生)中心で戦った大東大がとりあえず建て直しに成功した。

予想外の大差がつき,大東大復活と言いたいところだが、実態は中央大の自滅。
これ以外の言葉は思い浮かんでこない。とくに前半28分から前半終了までのわず
か10数分間に5連続トライを許したのは「魔が差した」としか言いようがない。

アップ・アンド・アンダーで攻め込みながら大東大の両WTB(五十嵐と太田)
にやすやすとカウンターアタックを許したり、自陣ゴール前で苦し紛れに蹴った
ボールが右WTB太田への絶妙のパスになったり、オープン攻撃で完全に余って
いるのに受け手を確認しないでパスをして同じく太田にインターセプトを許した
り...。その他にもキックオフのミス(ポイントオーバーとノットテン)をし
っかりトライに結びつけられるなど、「やらずもがなの失点」が多すぎた。

中央大は先制を許したものの、序盤はやや優勢に試合を進めた。日大戦でも効果
的だったドライビングモールは本日も有効。今シーズンの中央大FWの強力な武
器となっている。15分にゴール前の好位置で得たPKを狙わずにラインアウト。
そのラインアウトを起点としてモールで前進し、FL山田がトライを挙げたとこ
ろで,ゲームの流れは完全に中央に傾くかに見えた。

しかしながら,続く18分により遠い位置(約35m)で得たPKを今度は狙って外
したあたりからちょっと歯車が狂ってきた。このあたりはチグハグ。26分に中央
大が反則でペースを崩してから流れは一気に大東大に傾き、以後5連続トライを
浴びる結果となってしまった。

一見大雑把に見える大東大だが,ここ一番(得点機)の集中力とBKプレーの技
術は中央大を完全に上回っていた。コンタクトする前にはフェイクを入れたり、
コンタクトポイントをずらしてクラッシュを避けボールを繋ぐといったプレーを
中央大BK陣も身につけていれば、中央大の得点は確実に増えていたはず。チャ
ンスを得てもやたらクラッシュが多く、ちょっと残念だった。

大東大の反省点は、後半簡単に失点する場面が多かったこと。ただ、ほとんどゲ
ームが決まってしまっていたことで、これは大目に見てもいいかも知れない。そ
れよりも,相変わらずサイドアタックに対するディフェンスが甘いことと、相手
FWのモールを中心とした連続攻撃を反則でしか止められないことの方が(とく
に上位校との対戦を考えた場合)問題だと思う。この点は緒戦の法政戦とほとん
ど変わっていなかった。

大東の立ち直りは嬉しい(今一歩信じ切れないが...)ものの,中央大がこの
まま元気をなくしてしまうとしたら寂しい限り。じっくり戦術を練り直し、選手
個々が自覚して集中力を高め、次の関東学院戦に臨んで欲しいところ。

                           (2000年10月7日記)

Edited by Kazunori KONO, May/5th/2004   Back