Live Reports from Rugby Stadium

熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 "Play Back 2000"

2000 Top

○観戦記録 流通経済大学 vs 法政大学(2000年10月21日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2000/10/21) 於:三ツ沢球技場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 流通経済大学:前半: 1  0  0  0  5 |
       :後半: 1  0  0  0  5 |  10 16
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 法政大学  :前半: 5  2  0  0 29 |
       :後半: 5  4  1  0 36 |  55 20 


◎出場メンバー

 流経 : 1.野本 2.児玉 3.荒井 4.伊藤 5.和田 6.中西 7.白幡 8.沼尻
      9.後藤 10.加瀬 11.堀籠 12.田中 13.徳永 14.森竹 15.土生
     (16.川嶋 17.岩岡 18.川井 19.大石 20.藤井 21.本橋 22.鈴木)

    ○交替 12→21(後0分入替)、1→16(後12分入替)、5→18(後20分入替)
        7→19(後21分入替)、10→20(後24分入替)


 法政 : 1.神宮寺 2.水山 3.池谷 4.浅野 5.平塚 6.神山 7.中村 8.渡辺庸
      9.麻田 10.乗本 11.斉藤 12.赤沼 13.渡辺哲 14.栗原 15.矢澤
      (16.難波 17.谷口 18.磯岡 19.波山 20.友永 21.藤井 22.小滝)

    ○交替 7→18(後16分入替)、14→22(後21分入替)、12→21(後24分入替)
        1→16(後?分入替)、2→17(後?分入替)、11→20(後?分入替)

 レフリー : 御領園(日本協会)  タッチジャッジ : 谷口、三笠、鈴木


◎得点経過

 流通経済大学  0                      5                           5
                                      T
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
              T            G         T         G  T
 法政大学    0    5            12        17        24 29       29


 流通経済大学  5            10                                   10
                      T
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
              G G             G   P     G         T
 法政大学   29   36 43            50  53    60        65       65

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗


◎得点者

 流経:前半21分 徳永(T)
    後半11分 中西(T)

 法政:前半 3分 栗原(T)
      16分 斉藤(T)、栗原(G)
      26分 斉藤(T)
      36分 斉藤(T)、栗原(G)
      39分 斉藤(T)
    後半 3分 栗原(T)、栗原(G)
       5分 斉藤(T)、栗原(G)
      23分 乗本(PG)
      29分 斉藤(T)、栗原(G)
      39分 難波(T)


◎得点パターン(参考)   *流通経済大学のキックオフで試合開始

 前半 3分  0- 5 (法政)流経陣右22ML付近ラインアウト起点,左オープンに展開,ラックか
                 ら右オープンに展開し(14)が右隅にトライ,(14)G失敗
   16分  0-12 (法政)流経キックに対するカウンターアタックから(15)が大きくゲインに
                 して(14)に繋ぎラック,左オープンに展開し(11)がトライ,(14)
                 G成功
   21分  5-12 (流経)法政陣ゴール前左で得たペナルティから(10)がインゴール右に
                 キック,走り込んだ(13)がトライ,(10)G失敗
   26分  5-17 (法政)流経陣右22ML付近ラインアウト起点,ラックを経て左オープンに展
                 開し(11)が左隅にトライ,(14)G失敗
   36分  5-24 (法政)流経陣右ラインアウト起点,ラックを経て左オープンに展開し(11)
                 がトライ,(14)G成功
   39分  5-29 (法政)流経陣での流経ボールラインアウト,流経ボールを法政がターンオー
                 バーしてラックから左オープンに展開し(11)トライ,(14)G失敗

 後半 3分  5-36 (法政)スクラムから(8)がサイドアタック,ラックを経て右オープンに展開し
                 (14)トライ,(14)G成功
    5分  5-43(法政)流経キックオフしたボールを自陣からオープンに展開,(10)→
                 (12)シザース→(8)が大きくゲインし(11)にパス,(11)がそ
                 のままG中央にトライ,(14)G成功
   11分 10-43 (流経)法政陣左G前ラインアウトからモールを形成して前進,(6)が持
                 ち込みトライ,(10)G失敗
   19分 10-50 (法政)スクラムから右オープンに展開,ラックを経て左オープンに展開し
                 (11)トライ,(14)G成功
   23分 10-53(法政)G正面15m(10)PG成功
   29分 10-60 (法政)ラインアウトから右オープンに展開,ラックを経て左オープンに展開
                 (11)がトライ,(10)G成功
   39分 10-65 (法政)流経陣右G前ラインアウトからモールを形成,ラックを経て(16)が
                 持ち込みトライ,(10)G失敗


◎試合内容

開幕から2連勝,それも「上位校」(今シーズンは既に死語だろうか?)を相手
にほぼ完璧な内容での圧倒的な勝利と絶好調の法政。その勢いは止まるところを
知らない。チーム作りに苦しむ流通経済大にも圧勝してしまった。流通経済大は
攻守ともにまったく元気がなく、このスコア(10-65)で収まったのが不思議な
くらいだった。

とにかく法政のスタートダッシュには要注意。流通経済大キックオフで始まった
この試合でも,法政は最初から積極的に攻めてきた。モールを経ての2次攻撃か
ら法政がオープンに展開したところで,流通経済大CTBが気迫のタックル。法
政のお株を奪うような「突き刺さるタックル」で、流通経済大の選手達には確実
に勇気を与えたプレー(のはず)だった。

3分に法政はラインアウトを起点としたオープン攻撃で鮮やかなトライを奪って
先制するものの、なぜかここからペースダウン。モール攻撃で流通経済大FWと
揉み合っているうちに徐々に流れは流通経済大へ。テンポがゆっくりになると法
政の攻撃力は確実にダウンする。開始早々の鮮やかなタックルが法政の選手達の
目に焼き付いていたのだろうか。

しかしながら,今年の流通経済大はBK攻撃にまったくキレがない。上級生で固
めたFWのプレーも雑で、結局攻めきれず。16分にカウンターアタックから法
政にあっさりトライを奪われると、後はほとんど抵抗らしい抵抗もできずに終わ
ってしまった。

法政のトライパターンはほぼ決まっていた。流通経済大陣ゴール前の22mライン
付近のラインアウトからFWが縦を突いてラック。そこから素早くボールを出し
て流れるようなパスワークでオープンに展開し,WTBでトライ。まるでタック
ルなしのアタック&ディフェンスの練習を見ているかのようなトライが6本くら
い。あとはカウンターアタックでFBが大幅にゲインした後、ラックからの素早
い球出しからオープンに展開してWTBでトライ。法政の挙げた10トライのう
ち9個は両WTBによるものだった。

このように,2次もしくは3次攻撃で簡単にトライを奪われてしまう流通経済大
は、去年とはまったく別のチームになってしまったかのよう。新人を多く含むB
K陣は攻守ともに自信を失っており、また、4年生が中心のFW陣には「燃え尽
き症候群」という言葉がピッタリ当てはまるくらいに覇気が感じられない。

とにかくチャレンジャー精神を前面に押し立てて強豪に立ち向かっていたのが1
部に昇格したシーズンの流通経済大だった。しかしながら,その翌年のシーズン
に関東学院を破ったあたりから、チーム全体にモチベーションの低下が見られ始
めたことが気になっていた。昨シーズンに好成績を挙げられたのは、おそらく2
部時代、そして昇格1年目の苦労を知る選手達が残っていたことが大きかったの
ではないかと思う。チームが強くなっていく過程で失ってしまったものを、手遅
れになる前にもう一度思い出して欲しいと思う。

そのことはさておいても、やはり法政は素晴らしいチームに仕上がっている。確
実に前で止めるタックル、一歩でも前に出ようとする意欲が強く感じられる低い
姿勢でのアタック、丁寧なダウンポールなどなど。メンバーが少々入れ替わって
も同じラグビーができるくらいに戦術が徹底されているのも強みだと思う。

法政は1戦目や2戦目と比べると、攻撃のリズムに微妙なズレが出てきているよ
うに見える点が気にならないでもないが,来週の関東学院との一戦がますます楽
しみになってきた。
                           (2000年10月21日記)

Edited by Kazunori KONO, May/5th/2004   Back