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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2000/11/11) 於:三ツ沢球技場
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
法政大学 :前半: 5 4 0 0 33 |
:後半: 1 0 3 0 14 | 47 16
+-----------------+-------------------------------+-------------+
東海大学 :前半: 0 0 0 0 0 |
:後半: 1 1 0 0 0 | 7 16
◎出場メンバー
法政 : 1.難波 2.水山 3.池谷 4.浅野 5.平塚 6.神山 7.佐藤 8.武藤
9.麻田 10.乗本 11.斉藤 12.赤沼 13.藤井 14.栗原 15.小滝
(16.神宮寺 17.吉澤 18.磯岡 19.中村 20.友永 21.新井 22.二口)
○交替 5→18(前14分入替)、14→22(前14分入替)、22→21(後0分入替)
10→20(後38分入替)
東海 : 1.岩代 2.黒田 3.宮本 4.臼井 5.比嘉 6.平松 7.梶村 8.大谷
9.小池 10.大東 11.松本 12.三須 13.福隅 14.芝田 15.渡辺啓
(16.中村 17.林 18.須藤 19.小笠原 20.鈴木 21.稲田 22.渡辺英)
○交替 6→19(後0分入替)、13→21(後0分入替)、10→22(後26分入替)
4→18(後33分入替)
レフリー : 高津(関西協会) タッチジャッジ : 田中、中原、吉田
◎得点経過
法政大学 0 7 14 19 26 33 33
G G T G G
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
東海大学 0 0
法政大学 33 36 39 42 47 47
P P P T
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
G
東海大学 0 7 7
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
法政:前半 2分 浅野(T)、乗本(G)
13分 池谷(T)、乗本(G)
25分 小滝(T)
30分 藤井(T)、乗本(G)
33分 藤井(T)、乗本(G)
後半13分 乗本(PG)
24分 乗本(PG)
31分 乗本(PG)
35分 藤井(T)
東海:後半 4分 小池(T)、大東(G)
◎得点パターン(参考) 法政大学(風上)のキックオフで試合開始
前半 2分 7- 0 (法政)中央付近スクラム左オープンに展開して(13)が大きくゲイン,
東海ゴール付近でラックを形成,右オープンに展開し(10)がイン
ゴールへキック,(4)がデッドボールライン直前で押さえトライ,
(10)G成功
13分 14- 0 (法政)東海陣22ML付近左ラインアウト起点,モールから右オープンに展開
しゴール前でラックを形成しサイドアタックで前進,ゴール前で形
成したラックから(3)がダイビングしてトライ,(10)G成功
25分 19- 0 (法政)東海陣10ML/22MLスクラムから右へサイドアタックしてラックを形
成,素早く右オープンに展開し(15)がトライ,(10)G失敗
30分 26- 0 (法政)カウンターアタックから(13)がトライ,(10)G成功
33分 33- 0 (法政)東海陣で得たペナルティから(4)が突進して(1)にパス,(1)
がさらにゴール前まで前進しラックを形成,ラックから(13)が
トライ,(10)G成功
後半 4分 33- 7 (東海)法政陣G前で得たペナルティから速攻で(9)がトライ,(10)G
成功
13分 36- 7(法政)正面やや右20m,(10)PG成功
24分 39- 7 (法政)正面やや右15m,(10)PG成功
31分 42- 7 (法政)正面10m,(10)PG成功
35分 47- 7 (法政)自陣22ML内で(9)がフェアーキャッチ,FKからクイックでオープンに
展開し連続攻撃で東海ゴール前まで前進しラック,右オープン
に展開し(13)がトライ,(21)G失敗
◎試合内容
一戦ごとに着実に自信を深めていく東海大。点数から見れば法政の圧勝(47-7)
だが,堂々たる戦いぶりを見せた東海大の健闘も光った。もはや心意気は立派な
上位校。就任当初は部員の生活指導から始めたと伝えられる木村監督(東海大)
がわずか3年目にしてここまでのチームを作り上げた手腕には惜しみない拍手を
送りたいと思う。
一方の法政。上位校(あくまでも昨年のという注釈がつくが)との対戦を終えた
ところで、負傷者や出場停止者が出ていることもあり、ややお疲れモードも見え
隠れする戦いぶりだった。しかしながら,大学ではおそらくトップレベルの堅い
ディフェンス力は健在。この突き刺さるタックルが健在である限り、法政の勢い
は止まらないだろう。
両チームの健闘を率直に讃えたくなる好ゲームだった。
[前半]
本日の法政は左PR(東海大の宮本の同位面)に難波を起用。東海大の強力スク
ラムへの対策と思われるがこれが当たった。スクラムを押すどころか前半は逆に
押されてしまったのは東海大にとって誤算だったに違いない。
開始早々2分の法政の得点はそのスクラムを起点にしたもの。法政FWがファー
ストスクラムをグイッと押し込み素早くオープンに展開。そして、パスを受けた
13番藤井が東海大防御陣を突破して一気にゴール前へ。ラックからの速い球出し
からSO乗本がインゴールへキックしたボールを左LOの浅野がデッドボールラ
インの手前で際どく押さえた法政らしい鮮やかな速攻だった。
法政FWの集散の速さ(惜しみないサポート)は特筆に値するが、その中心選手
として頑張っているのがこの浅野。オープン攻撃を主体とした連続攻撃でカギを
握っているのは実はFW第2列の選手の展開力。この日対戦した東海大の4番臼
井のプレーを見てもそう感じるが、走力があり、かつ判断力に優れたロックを持
っていることが強いチームの条件でもあるようだ。ロックはけして高さだけでは
ない。(浅野は184cmで臼井は185cm)
法政の勢いは止まることを知らずといった感じで前半33分までに5連続トライで
33-0。FWの素早い球出しを基本としたスピード感溢れる連続攻撃が面白いよう
に決まり、勝負はほぼ前半で決まってしまった。東海大にも攻撃のチャンスがな
かったわけではないが、ことごとく法政の鋭い出足のタックルにつかまりミスで
攻撃権を法政に渡してしまうことが度々。まだまだ戦い慣れていない様子も散見
された。
東海大で惜しまれるのは,意図してのことだったのか,前半は風下側だったこと
からかキックオフのボールが深め(22ML付近)に蹴られていたこと。まるでアメ
リカンフットボールのキックオフリターンのような力強い突進を見せた7番佐藤
(幹夫)のプレーが、ことごとく法政の攻撃の起点となっていた。佐藤は前述した
浅野とともに法政のランニングラグビーを支える重要選手である。
[後半]
後半は、法政に安心感と攻め疲れが出たのか、東海大が押し気味の展開となった。
開始早々の3分に東海はペナルティからの連続攻撃でSHの小池主将がトライ。
法政FWの足が止まり気味となり、スクラムの主導権も東海大に。前半冴え渡っ
ていた連続攻撃のリズムにやや狂いが出てきた。あえて法政の課題を挙げるとす
れば、テンポが遅くなった時(自分たちのリズムでなくなったとき)の凌ぎ方と
いうことになるだろうか。
しかしながら、東海大にゲームの主導権を渡さなかったが法政の強固なディフェ
ンス力。東海大はなかなか追加点が奪えない。逆に法政は7分,13分,31分に着
実にPGで加点してリードを拡げる。この辺りは、けが人をこれ以上増やさない
ために、あえて無理をしないといったスタンス。SHの麻田がラックに巻き込ま
れる毎に「麻田には無理をさせるな!」という声がスタンドから飛んでいたが,
これには私も100%納得。SH麻田が怪我で欠場してしまったら、法政の攻撃
力のパワーダウンは必至だ。
法政に限らず,東海大のディフェンスもなかなか強固。後半35分までに挙げた法
政の得点はPG3個による9点のみ。このまま法政は後半ノートライに終わって
しまうのか、と思われたところでようやく法政に後半初トライが生まれた。SH
麻田が自陣G前で得たフリーキック(フェアキャッチ)から迷わずオープンに展
開。流れるような連続攻撃で一気に東海陣ゴール前まで前進し、最後はCTB藤
井がこの日3つめとなるトライで締めくくった。このままでは終われないという
法政の気持ちがよく表れた見事なトライだった。
[試合後の雑感]
東海大は残り2試合(中央戦と専修戦)に連勝すれば大学選手権出場をほぼ手中
に収めることができる。中央、専修両校ともFWのセットプレーに不安を抱えて
おり、法政に比べればディフェンス力も落ちる..となれば夢も拡がる。(流通
経済大が残り2連勝しても、直接対決で勝っている東海大が上位となる。)
東海大の残り2試合の戦いぶりにも要注目である。
(2000年11月11日記)
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