|
関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2000/11/12) 於:三ツ沢球技場
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
関東学院大学:前半: 4 3 0 0 26 |
:後半: 2 0 0 0 10 | 36 12
+-----------------+-------------------------------+-------------+
大東文化大学:前半: 0 0 0 0 0 |
:後半: 3 1 0 0 17 | 17 18
◎出場メンバー
関東 : 1.久富 2.蔵 3.山村 4.堀田 5.北川 6.若松 7.米元 8.山口
9.春口 10.今村 11.水野 12.荒牧 13.水田 14.四宮 15.角濱
(16.立川 17.櫻井 18.森部 19.赤井 20.橋本 21.奥 22.渡邊)
○交替 7→19(後39分入替)、13→22(後39分入替)、8→16(後41分入替)
大東 : 1.島田 2.大塚 3.片岡 4.村瀬 5.生沼元 6.露木 7.井上 8.マウ
9.苫米地 10.中垣 11.五十嵐 12.田中 13.オト 14.太田 15.大西
(16.坂尾 17.吹越 18.山本 19.バツベイ 20.山中 21.松尾 22.山田)
○交替 3→16(前24分交代)、4→18(後18分入替)、8→19(後27分入替)
10→21(後38分入替)、9→20(後39分入替)、13→22(後41分入替)
レフリー : 田中(日本協会) タッチジャッジ : 河野、尾形、半沢
◎得点経過
関東学院大学 0 7 14 19 26 26
G G T G
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
大東文化大学 0 0
関東学院大学 26 31 36 36
T T
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
T G T
大東文化大学 0 5 12 17 17
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
関東:前半 5分 山口(T)、荒牧(G)
17分 山村(T)、荒牧(G)
21分 水野(T)
26分 FW(T)、荒牧(G)
後半 5分 水野(T)
11分 水野(T)
大東:後半 1分 ? (T)
16分 大西(T)、松尾(G)
27分 五十嵐(T)、松尾(G)
33分 大西(T)
後半 6分 太田(T)
17分 五十嵐(T)、中垣(G)
22分 マウ(T)
◎得点パターン(参考) *関東学院大学のキックオフで試合開始
前半 5分 7- 0 (関東)大東陣G前スクラム押し込み(8)がトライ,(12)G成功
17分 14- 0 (関東)大東陣G前10m右ラインアウトからモール,ラックで前進し(3)がト
ライ,(12)G成功
21分 19- 0 (関東)PK(チョン蹴り)から左オープンに展開し(14)が22ML内付近
までゲイン,左タッチ際でタックルされてボールをこぼしたとこ
ろでラック,右オープンに展開し(11)がトライ,(12)G失敗
26分 26- 0 (関東)大東陣G前10m左ラインアウトからモールを形成してそのまま押
し込み左中間にトライ,(12)G成功
後半 1分 26- 5 (大東)関東陣内で関東ボールをターンオーバー,連続攻撃で左中間に
トライ,(10)G失敗
5分 31- 5(関東)HWL付近右ラインアウトから左オープンに展開,ラックから右オープン
に展開し(11)がトライ,(12)G失敗
11分 36- 5 (関東)大東陣10ML/22ML左ラインアウトから右オープンに展開,ラックか
ら左に展開し(11)がトライ,(12)G失敗
17分 36-12 (大東)自陣22ML内からのカウンターアタックで左オープンに展開し(15)
がHWL付近までゲイン,フォローした(11)に繋ぎ(11)が関東
DFを振り切ってG中央にトライ,(10)G成功
22分 36-17(大東)関東が自陣G前からのゴロキック(ミスキック気味)を大東(8)
が拾ってそのまま右隅にトライ,(10)G失敗
◎試合内容
四宮と角濱が完全復帰を果たした関東学院はベストメンバー。そして,この日3
トライと大活躍のWTB水野(1年生)というニューヒーローも加わり、王座奪
還に向けて意気上がる関東学院。
しかしながら、この日の四宮はまだまだベストとは言い難い状態。FBの角濱に
してもシーズン当初はレギュラーだった霜村(1年生)の溌剌としたプレーと比
べるとちょっと物足りない感じがした。大学選手権まであと1ヶ月あるとは言っ
ても,現状では大学王座奪還は難しいのでは?というのがこの試合を観ての率直
な感想。
[前半]
本日のテーマは「FWの関東学院」ではないかと思わせたくらい、とにかく前半
はFW周辺の戦いに力を入れていた関東学院だった。まずは開始5分。ゴール前
でのスクラムを一気に押し込んで先制。そして続く17分にはゴール前ラインアウ
トからモール、ラックを連取して前進しトライ。21分にBK攻撃で挙げたトライ
をはさんで、26分にはまたしてもゴール前ラインアウトからモールを押し込んで
トライを奪うというように、スコアはあっという間に26-0になってしまった。
PRの久富主将が引っ張るチームだけあって、スクラムを積極的に押すなど、今
年はFWの強さも売り物の関東学院。ラインアウトの場合も素早く展開してオー
プンスペースを有効に使うのが常套手段となっている関東学院には珍しく、FW
でモールを作って前進する場面が多く見られた。
とは言っても,試合内容は関東学院優位の一方的な展開というわけでもなかった。
むしろ攻めている時間は大東大の方が長かったかも知れない。大東大はボールを
動かしながらも、最後はモールやラックでうまくボールをコントロールできずに
ミスや反則で相手に攻撃圏を渡してしまう悪循環。何度か見られた関東学院陣の
ゴールラインをまたいでの攻防で、ことごとく身体をはってトライをくい止めた
関東学院の巧妙なDFに大東大はなす術なしといった感じだった。
[後半]
関東学院の貫禄勝ちも十分に考えられたのが前半の戦いぶり。しかしながら、後
半開始早々の1分、大東大FWがキックオフから関東学院陣内になだれ込み、関
東学院ボールをターンオーバー。素早くオープンに展開してトライを奪う電光石
火の早業で5点を返す。しかしながら、5分、11分に関東学院がすかさずトライ
を奪い返して関東学院のリードは31点に。試合はここで決まった。
いつもと違って、ここでキレてしまわなかったのが今日の大東大。レギュラーの
松尾に代わって本日はスタメンを務めた中垣(2年生)のゲームメイクが冴え、
以後は大東大優勢の試合展開となった。松尾の陰に隠れてはいるが、ラインを効
果的に動かす点では,中垣もなかなか捨てがたい魅力を持ったSOだと思う。
その中垣に田中とオトが加わったフロントスリーが関東学院のDFを翻弄し、決
定力のあるバックスリーで勝負をかけるのが大東の得意とするパターン。しなや
か系の11番五十嵐と、パワーブッチ切り系の14番太田の両ウィングが織りなす攻
撃のヴァリエーションは大東大ラグビーの大きな魅力でもある。
大東大は17分と22分に立て続けにトライを挙げてビハインドは19点まで縮まった。
関東学院のFWは前半の元気はどこへやらといった感じ。また,四宮も普段なら
ブッチ切りの独走態勢になるところを捕まってしまったり、ブラインドサイドか
らの攻撃参加もことごとく止められたりと、今一歩の出来。FWの仕上がりに比
べるとBKのコンビネーションプレーに課題が残ったのがこの日の関東学院では
なかったかと思う。
とは言っても、せっかくゴール前まで迫りながらもミスでせっかくのチャンスを
逃してしまうのが大東大。乱戦模様になるかと思われた後半だったが、結局この
あとはスコアが動かずにノーサイドとなった。
[雑感]
大東大は大学選手権に向けて着々とチームが整備されてきているようだ。残り2
試合、2連勝しても2連敗しても(どちらも可能性あり)、選手権の戦い方を知
っている大東大ラグビーの怖さに変わりはなさそうである。
(2000年11月12日記)
|
|