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熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 "Play Back 2000"

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○観戦記録 専修大学 vs 東海大学(2000年11月25日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2000/11/25) 於:熊谷ラグビー場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 専修大学  :前半: 3  2  0  0 19 |
       :後半: 3  0  1  0 18 |  37 17
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 東海大学  :前半: 1  0  1  0  8 |
       :後半: 3  1  1  0 20 |  28 12 


◎出場メンバー

 専修 : 1.山口 2.米倉 3.太田 4.田山 5.西田 6.菅藤 7.大杉 8.春田
      9.田中 10.今崎 11.原 12.松井 13.植原 14.大宅 15.中川
     (16.鈴木直 17.児玉 18.小林 19.向久保 20.森岡 21.白崎 22.大森)

    ○交替  5→19(後2分交代)、2→17(後34分入替)、9→20(後36分入替)
        13→21(後36分入替) 


 東海 : 1.岩代 2.黒田 3.宮本 4.臼井 5.比嘉 6.平松 7.梶村 8.大谷
      9.小池 10.大東 11.三須 12.大野 13.田中 14.芝田 15.三木
     (16.中村 17.林 18.須藤 19.西岡 20.稲田 21.百村 22.渡辺啓)

    ○交替  10→22(前30分入替)、22→21(後25分入替)、15→20(後32分入替)


 レフリー : 古賀(関東協会)  タッチジャッジ : 中原、関、上田


◎得点経過

 専修大学    0           5         12       19                 19
                          xT         G        G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
              P                                   T
 東海大学    0    3                                   8         8


 専修大学   19         24 29 32                         37     37
                   T  T  P                        x T
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                P                    G    T  T
 東海大学    8      11                   18   23 28            28

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗


◎得点者

 専修:前半10分 西田(T)
      20分 ? (T)、植原(G)
      29分 菅藤(T)、植原(G)
    後半 8分 ? (T)
      11分 植原(T)
      14分 植原(PG)
      41分 ? (T)

 東海:前半 3分 三木(PG)
      39分 FW(T)
    後半 5分 三木(PG)
      26分 平松(T)、三木(G)
      31分 FW(T)
      34分 渡辺(T)


◎得点パターン(参考)   *専修大学のキックオフで試合開始

 前半 3分  0- 3 (東海)正面やや左20m,(15)PG成功
   10分  5- 3 (専修)専修PG失敗,東海ドロップアウトのボールを専修が10ML付
                 近で確保して(11)がカウンターアタック,東海22ML内でラック,左
                 に展開し(6)→(5)と繋ぎトライ,(13)G失敗
   20分 12- 3 (専修)東海陣G前で得たPKからクイックで展開しラックを連取し
                 前進,(6)?が右中間にトライ,(13)G成功
   29分 19- 3 (専修)東海陣G前スクラムからサイドアタック,(6)がトライ,(13)G成
                 功
   39分 19- 8 (東海)専修陣G前左10Mラインアウトからモールを形成してそのまま押
                 し込み(5)?がトライ,(15)G失敗

 後半 5分 19-11 (東海)正面30m,(15)PG成功
    8分 24-11(専修)東海陣G前左ラインアウト起点,FWのサイドアタックから左隅にト
                 ライ,(13)G失敗
   11分 29-11 (専修)東海ボールスクラムから(8)→(9)攻撃を専修がターンオーバーし
                 FWのサイドアタックでラックを連取して前進,(13)がトライ,
                 (13)G失敗
   14分 32-11 (専修)正面35m,(15)PG成功
   26分 32-18 (東海)専修陣G前ラインアウトから右オープンに展開しラック,(9)→
                 (4)→(6)と繋ぎ中央にトライ,(15)G成功
   31分 32-23 (東海)専修陣G前左ラインアウトからモールを形成,そのまま押し込み
                 トライ,(15)G失敗
   34分 32-28 (東海)専修G前連続攻撃から(20)トライ,(15)G失敗
   41分 37-28 (専修)東海ボール,自陣22M内からの連続攻撃でのパスミスを専
                 修BKが拾いそのまま独走しトライ,(13)G失敗


◎試合内容

1勝5敗同士の対戦で,負けた方は2部との入替戦へ。ただし,専修はこの試合
に勝てば大学選手権出場の道が開けるのに対し,東海は6位止まり。そんなモチ
ベーションの差が垣間見えた試合だった。とにかく勝ちたいという意欲が専修大
学に勝利をもたらしたように思う。

東海大は,先週のショッキングな逆転負け(中央大戦でインジュリータイムに逆
転された)が尾を引いているのか、心なしか元気がなかった。しかしながら、終
盤には(今シーズンの)専修も顔負けの追い上げを見せ、スタンドを大いに沸か
せた。入替戦というハードルはあるが、来シーズンの飛躍を十分に予感される立
派な戦いぶりだったと思う。

[前半]

前半3分に東海大がPGで先制。しかしながら,以後は勝利への執念に燃える専
修ペースの一方的といってもいい試合展開となった。一昨年や昨年のチームから
は想像できないくらいの「戦う集団」に変身したのが今年の専修。田山主将を先
頭とするFWのサイドアタックを軸とした攻撃が冴え、10分、20分、29分とほぼ
10分刻みにトライを奪ってリードを拡げる。

東海大もLO臼井やPR宮本君をライン参加させてゲインライン突破を図るなど、
工夫した攻めで見せ場を作るものの、肝心なところで細かいミスが出てしまい、
なかなか得点を奪えない。

そんな東海大に自分たちの得意とする形からトライが生まれたのは前半終了間際
の39分。専修ゴール前でのラインアウトからモールを一気に押し込んでトライを
奪い、ビハインドを11点に縮めて前半を終了した。後半につながる貴重なトライ
だった。

ちなみに、専修がこれだけの得点差をつけて前半を終了したのは今シーズン初め
てであった。(ちなみに大東大戦でのリードは3点だった。)

[後半]

後半も先制したのは東海大。しかしながら専修は8分と11分に立て続けにトライ
を奪い、さらに14分にはPGで加点し、専修のリードは21点に拡がった。いつも
の専修とはまったく逆のパターンで、明らかに専修の選手達に余裕の表情が伺え
た。

しかしながら,勝負は最後までわからないというのは、実は今シーズンの専修が
一番よく知っているところ。26分に専修陣ゴール前でのラインアウトを起点とし
て挙げたトライを口火として,東海大の怒濤の逆襲が始まる。31分,34分とわず
か10分足らずの間に3トライを連取して東海大のビハインドは4点まで縮まった。
あと1トライで逆転可能。

東海大の死力を尽くした攻撃と専修のそれこそ命を張った防御の応酬は、ついに
インジュリータイムにまで突入。東海大が自陣からオープンに展開し余った状態
でWTBにラストパス!というところで痛恨のパスミスが出てしまった。これを
専修大のBKが拾ってあえなくトライ。何とも言いようのない呆気ない幕切れだ
った。

[泣くな,東海大!]

ノーサイドの笛が鳴ってから第2試合(社会人の三洋電機 vs クボタ)が始まる
までの間専修ベンチでは,まるで優勝したかのようなお祭り騒ぎが繰り広げられ
ていた。片やグランド上の22mライン付近で直立不動の姿勢で首脳陣の弁に耳を
傾けていたのが東海大の選手達。彼らの神妙な面持ちを見ていると熱いものがこ
みあげてきそうになった。
                          (2000年11月25日記)


Edited by Kazunori KONO, May/7th/2004   Back