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熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 "Play Back 2000"

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○観戦記録 法政大学 vs 中央大学(2000年11月26日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2000/11/11) 於:群馬県営前橋ラグビー場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 法政大学  :前半: 5  4  0  0 33 |
       :後半: 1  0  3  0 14 |  47 16
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 中央大学  :前半: 0  0  0  0  0 |
       :後半: 1  1  0  0  0 |   7 16 


◎出場メンバー

 法政 : 1.神宮寺 2.吉澤 3.池谷 4.浅野 5.磯岡 6.神山 7.中村 8.武藤
      9.友永 10.乗本 11.一瀬 12.赤沼 13.藤井 14.富善 15.小滝
      (16.難波 17.谷口 18.猪野 19.小玉 20.高村 21.新井 22.小吹)

    ○交替 1→16(後18分入替)、11→22(後29分入替)、12→21(後29分入替)
        8→19(後32分入替)、2→17(後39分入替)、7→18(後39分入替)
        9→20(後39分入替)


 中央 : 1.大室 2.河辺 3.田村 4.田中 5.高橋 6.山田 7.臼井 8.小野田
      9.鈴木 10.高村 11.岡本 12.中畑 13.早淵 14.平田 15.三国
     (16.冨井 17.藤田 18.平野 19.後藤 20.寺本 21.塩崎 22.下別府)

    ○交替  10→21(後8分入替)、21→22(後25分入替)、9→20(後35分入替)
        2→17(後41分入替)


 レフリー : 藤(関東協会)  タッチジャッジ : 中澤、小澤、眞塩


◎得点経過

 法政大学    0       7  14      17        24 29                29
                       G  G       P          G T
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                         G     P     P     G      P
 中央大学    0               7     10    13    20     23       23


 法政大学   29     36       43                       50        50
             x G        G                        G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
           
 中央大学   23                                                 23

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗


◎得点者

 法政:前半 6分 神宮寺(T)、乗本(G)
       9分 富善(T)、乗本(G)
      17分 乗本(PG)
      28分 中村(T)、乗本(G)
      30分 富善(T)
    後半 4分 小滝(T)、乗本(G)
      13分 乗本(T)、乗本(G)
      38分 池谷(T)、乗本(G)

 中央:前半14分 岡本(T)、中畑(G)
      20分 中畑(PG)
      26分 中畑(PG)
      32分 平田(T)、中畑(G)
      39分 中畑(PG)


◎得点パターン(参考)    *中央大学のキックオフで試合開始

 前半 6分  7- 0 (法政)中央G前左ラインアウトからモールを形成して押し込み(1)が
                 左中間にトライ,(10)G成功
    9分 14- 0 (法政)自陣10ML付近右ラインアウトからオープンに展開して(10)が大
                 きくゲインして中央陣22ML前中央付近でラック,右に展開し
                 (14)がトライ,(10)G成功
   14分 14- 7 (中央)法政陣10ML付近右ラインアウトからサイドアタックで前進しラックを
                 形成,左に展開し(10)→(13)→(11)と繋いでトライ,
                 (12)G成功
   17分 17- 7 (法政)正面30m,(10)PG成功
   20分 17-10 (中央)正面やや右25m,(12)PG成功
   26分 17-13 (中央)正面35m,(12)PG成功
   28分 24-13 (法政)中央陣G前で得たPKからの速攻で(7)が左中間にト
                 ライ,(10)G成功
   30分 29-13 (法政)中央キックオフしたボールを自陣22ML内からオープンに展開し
                 て連続攻撃,(14)が右隅にノーホイッスルトライ,(10)G失敗
   32分 29-20 (中央)中央キックオフしたボールを法政が自陣からオープンに展開,パ
                 スミスを法政陣10ML付近で中央の(14)が拾いそのまま法
                 政DFを振り切って独走し中央にノーホイッスルトライ,(12)
                 G成功
   39分 29-23 (中央)正面42m,(12)PG成功

 後半 4分 36-23 (法政)中央陣左10ML/22ML中央ボールラインアウトを法政がスティール,サイ
                 ドアタックで前進しオープンに展開,(15)が右中間にトライ,
                 (10)G成功
   13分 43-23(法政)HWL付近中央スクラムから左サイドを突き(13)が中央DF陣を
                 かわしながら約40m走りきりトライ,(10)G成功
   38分 50-23 (法政)中央陣G前で得たPKからの速攻で(3)が飛び込みト
                 ライ,(10)G成功


◎試合内容

この試合に勝たなければ自力での大学選手権出場の可能性が消える中央大はこの
日もベストメンバー。一方の法政は主力選手の約半数を負傷などにより欠くメン
バー構成。順位が確定し、大学選手権を控えての調整段階にあるとは言っても、
かなり苦しいメンバー構成と言わざるを得ない。

しかしながら、序盤から元気一杯にピッチを駆けめぐったのは、どうしても勝ち
たい中央大ではなくて、若手メンバーを多く含む法政だった。前半こそ競り合い
になったものの、後半は中央大を無得点に抑える法政の予想外とも言える圧勝。
大学選手権のことはさておき、来シーズン以降の展望の面でも両チームの明暗を
分けた最終戦となった。

[前半]

シーズン当初のチームに比べるとやや小粒になっている点は否めないものの、法
政のスタートダッシュは健在。6分と9分にいずれもラインアウトを起点として
トライを奪いあっという間に14-0。やや拍子抜けの感もある立ち上がりだった。

しかしながら、続く14分には今度は中央大がラインアウトを起点とした力強い攻
撃でトライを返し反撃開始。やはり、190cm台を二人揃える中央のラインアウト
は強力。マイボールラインアウトのボールを簡単に奪い取られてしまうなど、法
政FWにはちょっとお手上げといった表情も見られた。

中央大は20分と26分には比較的遠い位置からのPGで小刻みに加点。PKでの3
点よりもゴール前ラインアウトからの5点(または7点)を狙うチームが多い中
では,ちょっと珍しい選択だった。もっとも、10mライン付近からのロングPG
も余裕で決めてしまう12番中畑のキック力を持ってすれば、やはり確実に3点と
いうことになるのだろうか。これで中央大のビハインドは4点まで縮まった。

これで中央大が波に乗って一気に逆転と思いきや、逆にペースを掴んだのが法政。
序盤は苦戦したラインアウトも、いち早くセットを完了し、中央大の選手が並ぶ
と同時に間髪入れずボールを投入という方法をとることにより克服。28分と30分
に立て続けに奪ったトライで19-13と中央大を突き放しにかかる。とくに30分の
トライは中央大がキックオフしたボールを自陣22mライン内からオープンに展開
し、左右に大きく展開して最後はWTBで決めたノーホイッスルトライだった。

このトライに限らず、深いラインを引いた法政のオープン攻撃にほとんど対応で
きなかったのがこの日の中央大のDF陣。一次攻撃であっさりと抜かれてしまう
ことが多く、結果的にこのことが傷口を拡げることとなった。

32分にはお返しとばかりに、今度は中央大が法政のミスに乗じてノーホイッスル
トライ。終了間際の39分には、この日キックが好調の中畑が約42mのロングPG
を決めて中央のビハインドは6点に縮まった。法政にもミスが多く、後半は乱戦
模様になることも予想された前半の両チームの戦いぶりだった。

[後半]

大学選手権出場を賭けて,中央大パワーが吹き荒れるかと思われた後半戦。しか
しながら、またもや先手をとったのは法政。中央大にとってはマイボールライン
アウトを奪い取られての失点だっただけに、相当ショックだったようだ。続く13
分にもトライを奪われて20点差がついたところで勝負は決まった。

以後、終了間際に法政がトライを追加するまでは、何とか逆転に望みを繋ごうと
する中央大ペースの展開となった。しかしながら、サイド攻撃をことごとく止め
られ、BKへ展開するにしても特別な工夫はほとんど見られず単調な攻めに終始
し、やたら時間を消費するだけといった感じだった。

結局、終了間際の38分に法政が後半3個めのトライを挙げ,ダブルスコアで最終
戦を締めくくった。

[感想]

FWのレギュラーがほとんど抜けてしまう来シーズンは、中央大にとって正念場
を迎えそうだ。来シーズン以降の展望が見えなかった本日の戦いぶりを見ている
と、関係者ならずとも心配になってくる。
                          (2000年11月26日記)


Edited by Kazunori KONO, May/7th/2004   Back