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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1−2部入替戦(2000/12/10) 於:熊谷ラグビー場(B)
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
流通経済大学:前半: 4 3 0 0 26 |
(1部8位):後半: 6 4 1 0 41 | 67 12
+-----------------+-------------------------------+-------------+
山梨学院大学:前半: 0 0 1 0 3 |
(2部1位):後半: 2 1 0 0 12 | 15 13
◎出場メンバー
流経 : 1.荒井 2.児玉 3.川嶋 4.中西 5.和田 6.白幡 7.横山 8.沼尻
9.後藤 10.加瀬 11.喜瀬 12.土生 13.徳永 14.鈴木 15.栗原
(16.野本 17.岩岡 18.川井 19.伊藤 20.佐藤 21.本橋 22.堀籠)
○交替 3→16(入替)、 5→18(入替)、7→19(入替)、 11→22(入替)
山梨 : 1.手塚 2.広瀬 3.塚原 4.吉野 5.長田 6.垣渕 7.佐宗 8.丸山
9.矢頭 10.本田 11.雨宮 12.山内 13.藤本 14.五十嵐 15.小野
(16.加賀山 17.小嶋 18.青木 19.三角 20.吉永 21.中内 22.仙堂)
○交替 9→20(入替)
レフリー : 鬼沢(関東協会) タッチジャッジ : 不明
◎得点経過
流通経済大学 0 5 12 19 26 26
T G G G
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
P
山梨学院大学 0 3 3
流通経済大学 26 29 34 41 48 55 60 67 67
P T G G G T G
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
T G
山梨学院大学 3 8 15 15
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
流経:前半 6分 加瀬(T)
14分 土生(T)、加瀬(G)
27分 中西(T)、加瀬(G)
33分 土生(T)、加瀬(G)
後半 4分 加瀬(PG)
6分 中西(T)
18分 荒井(T)、加瀬(G)
20分 鈴木(T)、加瀬(G)
27分 土生(T)、加瀬(G)
32分 鈴木(T)
34分 ? (T)、加瀬(G)
山梨:前半19分 藤本(PG)
後半 8分 藤本(T)
39分 小野(T)、藤本(G)
◎得点パターン(参考) ※山梨学院大学のキックオフで試合開始
前半 6分 5- 0 (流経)山梨陣G前ラックから(10)が持ち込みトライ,(10)G失敗
14分 12- 0 (流経)山梨陣G前右ラインアウトからオープンに展開,(10)→(12)と
繋いでトライ,(10)G成功
19分 12- 3 (山梨)正面22m,(13)PG成功
27分 19- 3 (流経)山梨陣G前スクラムから(8)→(9)→(12)→(4)と繋いでト
ライ,(10)G成功
33分 26- 3 (流経)山梨陣右10ML付近ラインアウトからFWサイドアタック,(4)が大き
くゲインしG前でラック,左オープンに展開し(12)がトライ,
(10)G成功
後半 4分 29- 3 (流経)G正面やや左20m,(10)PG成功
6分 34- 3 (流経)山梨キックオフのボールを自陣から右オープンに展開,HWL付近
での(4)のパスミスを(11)が拾って大きくゲインし(4)にリ
ターン,(4)がそのまま約25m独走しトライ,(10)G失敗
8分 34- 8(山梨)流経陣右22MLラインアウト流経ボールをゲットしサイドアタックで
(3)が前進してラック,左オープンに展開し(9)→(10)→(13)
と繋いでトライ,(13)G失敗
18分 41- 8 (流経)山梨陣G前右ラインアウトからモールを形成して押し込み(1)が
トライ,(10)G成功
20分 48- 8 (流経)山梨キックオフのボールを自陣から左オープンに展開,左サイドを
(14)→(12)→(14)とリターンパスで繋ぎ(14)が約50m独走
してトライ,(10)G成功
27分 55- 8 (流経)HWL付近のラックから(10)→(12)と繋ぎ(12)がそのまま
独走してトライ,(10)G成功
32分 60- 8 (流経)HWL付近で山梨ボールをターンオーバー,左に展開し(10)が左
オープンにキック(パス),このボールを(14)が左サイド22ML付近
でダイレクトキャッチしそのまま独走してトライ,(10)G失敗
34分 67- 8 (流経)山梨キックオフのボールを(18)がダイレクトキックして前進,FWで細
かく繋ぎながら前進しそのままトライ,(10)G成功
39分 67-15 (山梨)自陣G前でのPKから流経がオープンに展開したボールを
(15)がインターセプトしそのまま約90m独走してトライ,
(13)G成功
◎試合内容
今シーズン不振を極め,昨シーズンの2位から一気に最下位に落ちた流通経済大
にとって、この入替戦は最高の締めくくりとなった。上野監督にとっても、1部
残留を果たしたこと以上にようやく自分自身の思い描く戦い方(私自身の勝手な
憶測かも知れないが)ができたことが嬉しかったのではないだろうか。来シーズ
ンはより逞しくなった流通経済大が再びリーグ戦グループの台風の目になること
は間違いなさそうだ。
[前半]
最終戦にしてようやく流通経済大のFWが(負傷者の復帰と試行錯誤を経て)ベ
ストメンバーとなった。とくに本日活躍が目立ったのは関東学院戦からロックで
のスタメン復帰となった4番の中西。1年生からずっとレギュラーで頑張ってき
て一昨シーズンからは5番の和田との不動のロックコンビを組んでいた選手。川
井に押し出された形でシーズン当初は第3列に入っていたが、機能しているとは
言えない状態だった。
序盤戦は流通経済大がFW周辺にこだわった手堅い攻めで攻勢に出る。6分,14分
に流通経済大がFWのパワーにものを言わせて奪ったもの。一方、山梨学院も右
PRの塚原主将を中心とした強いコンタクトプレーで対抗。体格差はあまり感じ
させないくらい山梨学院FWも前によく出ていた。
しかしながら、強力FWから供給される安定した球出しに力を得て、前半の半ば
辺りから流通経済大が積極的にオープン展開を試みるようになってからは、試合
の流れは徐々に流経大の方に傾いていった。後藤と加瀬の2年生時からコンビを
組んでいるハーフ団のゲームメイクにこれまでついていけなかった感もあった若
いBK陣だったが、ようやく自信を持ってボールを動かすようになってきた。と
くにFBからCTBに上がった12番の土生君の安定した動きが目立っていた。
前半は流通経済大が押し気味だったものの、山梨学院も鋭い縦攻撃でしばしば大
きなゲインを稼ぐなど、なかなか目の離せない前半だった。
[後半]
後半はいよいよ流通経済大のエンジンが全開。山梨学院は流通経済大のFWとB
Kが一体となった連続攻撃の前に次々とトライを献上。20分にノーホイッスルト
ライを奪われて48-8となったところで勝負は完全に決まった。山梨学院も随所で
いい形を見せるものの、攻撃が「単発」となってしまうことが多く、なかなか得
点を挙げることができない。
それにしても,これだけオープンに展開する流通経済大を見るのは久しぶり。去
年の大学選手権の早稲田戦以来といった感じがする。もちろん、攻撃の切れ味は
全盛期に遙かに及ばないが,SOの加瀬が卒業するまでに若いBK陣に「流経ラ
グビーのエキス」を伝授することができたのはこの試合の大きな収穫だろう。
結局、山梨学院は後半に2トライを返すのがやっと。メインとバックの両サイド
を埋めた応援団の声援も空しく、1部復帰は夢と消えた。流通経済大の4年生達
の(何とか責任を果たすことができたという)安堵の表情が強く印象に残ったノ
ーサイドだった。
[感想]
今シーズンの流通経済大のテーマはBKラインの若返りによるチームのリストラ
クチュア。ある程度順位を下げてしまうであろうことには目を瞑り,前評判では
史上最強とも言われた強力FWを軸に、徐々にBK陣に自信を付けさせながらチ
ーム作りを進めて来シーズン以降に備える、というのが上野監督の青写真ではな
かったかと思われる。
しかしながら、シーズン当初、4年生で固めた肝心のFWが機能せず、そのこと
がBK陣にも波及してチーム力をなかなか上げることができなかった。このこと
が、今シーズンの流通経済大低迷の大きな原因になってしまったのではないか,
というのが私の思うところだ。より強いチームになるための産みの苦しみと言え
るかも知れない。
たとえ入替戦とは言え、シーズン最後にしてようやく「チーム」になった流通経
済大。来シーズンの「上位校」に対するリベンジが今から楽しみになってきた。
(2000年12月10日記)
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