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熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 "Play Back 2001"

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○観戦記録 日本大学 vs 専修大学(2001年9月22日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2001/09/22) 於:海老名運動公園

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 日本大学  :前半: 3  2  2  0 25 |
       :後半: 7  4  0  0 43 |  68  8
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 専修大学  :前半: 0  0  0  0  0 |
       :後半: 0  0  1  0  3 |   3 19 


◎出場メンバー

 日大 : 1.城内 2.加井 3.伊藤 4.迫田 5.津田 6.山口 7.トーエツ 8.飯島
      9.塩谷 10.河野 11.松永 12.阪上 13.水田 14.小林 15.武井
     (16.白井 17.手塚 18.御原 19.中澤 20.八重樫 21.藤原誠 22.藤崎)

    ○交替  10→21(後27分交代)、9→20(後40分交代)


 専修 : 1.山口 2.米倉 3.太田 4.細川 5.春田 6.向久保 7.大杉 8.児玉
      9.森岡 10.吉田 11.西山 12.松井 13.植原 14.鈴木広 15.中川
     (16.阿比留 17.小林 18.札野 19.山下 20.工藤 21.今崎 22.笹渕)

    ○交替  13→22(後31分交代)


 レフリー : 渡辺(関東協会)  タッチジャッジ : 徳留、加藤、早坂


◎得点経過

 日本大学    0     3  10         13         18      25         25
                     P  G   x      P          T       G   x
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                                           P
 専修大学    0                                 3                3


 日本大学   25  30 37   44  49 54   61             68          68
            T  G    G   T  T    G              G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
           
 専修大学    3                                                  3

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗


◎得点者

 日大:前半 4分 武井(PG)
       7分 城内(T)、武井(G)
      18分 武井(PG)
      29分 松永(T)
      37分 トーエツ(T)、武井(G)
    後半 1分 松永(T)
       4分 トーエツ(T)、武井(G)
       9分 水田(T)、武井(G)
      13分 武井(T)
      16分 トーエツ(T)
      21分 ? (T)、武井(G)
      36分 トーエツ(T)、武井(G)

 専修:前半32分 ? (PG)


◎試合内容

けして弱いわけではない。しかしながら、どこか消化不良を感じさせる戦いに終始
してきたのがここ3シーズンの日大ではなかったかと思う。そんな日大ファンの3
年分の鬱憤を一気に解消し、しかもお釣りがたっぷり来るくらいの圧倒的な勝利だ
った。

とにかく、今日の日大は開始早々から気合い十分だった。専修が自陣から日大陣奥
深くに蹴り込んだボールを今シーズンからFBを務める武井がタッチアウトせずに
果敢にカウンターアタック。無謀とも思えたプレーだったが、FWに繋ぎサイドア
タックで日大は一気に敵陣まで前進。この後も武井は随所でカウンターアタックを
見せ、日大の連続攻撃の起点となっていた。

「自陣からでもキックを極力使わず継続」はどこのチームでもやっていることだが、
強力なFWのサイドアタックを交えるところが日大流といったところだろうか。し
かしながら、せっかくゲインを稼いでもBKは孤立、FWはクラッシュを繰り返し
てあげくの果てにミスで自滅とエネルギーの無駄遣いが目立った感のあったのがこ
こ数シーズンの日大。FWとBKの連携がとてもよく、面白いように縦へそして横
へとボールが繋がり、まるで別のチームを観ているかのようだった。

冒頭でも少し触れたが、今シーズンの日大は過去2シーズン司令塔を務めていた武
井がFBに回り、ハーフ団は日川高校出身の2年生コンビ(塩谷と河野)、そして
CTBとWTBを(サイズこそないものの)スピードとパワーを兼ね備えた選手達
で固めるという布陣。縦に強く、横にも大きく展開できるなかなか魅力的なBKラ
インである。とくに昨シーズンは不安定だったSH塩谷の球捌きが大きく改善され
ていて、SO河野、あるいはフォローのFWの選手へと活きた球を供給し続けてい
たことが明るい材料。

さて、本日大活躍だったのが1年生ながら4トライを挙げたトーエツ。トンガ出身
だが、自滅路線に走らずにしっかり繋ぐ意識を持っているところが先人?達とひと
味違った感じ。何よりもサイドアタックを得意とする日大のスタイルにフィットし
ているのがいいと思う。1人だけが目立たないという意味で。大東大のFWの選手
達にも参考になるのではないかな、と思ったりもした。

一方の専修大学は...。やはり、心配されたFWのパワー不足がもろに出てしま
った。活きた球がほとんどBKに供給できず、BKは日大DF網の強力なプレッシ
ャーを受けてほとんど前に出ることが出来ない状態。専修側に反則が多く(日大の
8個に対して19個)、しかもそのほとんどがノット・リリースだったことにその
ことが象徴されている。日大選手の方に「立ってプレーする」という意識がより強
く見て取れた。ラインアウトの他には、大型FBの中川の突破とペナルティからの
速攻くらいしか攻め手がないのでは、大敗もやむなし。

とにかく、最高のスタートを切った日大。まだ早いかも知れないが、97年以来の強
力チーム誕生の予感もする。チームのまとまりは最高レベルで、専修をノートライ
に抑えたように、最後まで集中力が切れないのも大きな強み。FWが堅まっていて、
しかもこんなにミスが少ない日大も珍しい。今後の楽しみは大きくふくらむ。

組織を基本として個を高めていくのが関東学院とすれば、強い個を基本として組織
的に戦うのが日大。関東学院の流れるようなラグビーも魅力的だが、思わず握り拳
に力が入ってしまう日大のラグビーも捨てがたい。11月3日には「もしかして」が
起こることを期待したくなってきた。
                           (2001年9月22日記)


Edited by Kazunori KONO, May/26th/2004   Back