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熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 "Play Back 2001"

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○観戦記録 法政大学 vs 流通経済大学(2001年10月13日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2001/10/13) 於:秩父宮ラグビー場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 法政大学  :前半: 6  3  1  0 39 |
       :後半: 5  3  0  0 31 |  70 18
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 流通経済大学:前半: 0  0  0  0  0 |
       :後半: 0  0  0  0  0 |   0  9


◎出場メンバー

 法政 : 1.中村嘉 2.谷口 3.池谷 4.磯岡和 5.佐藤 6.浅野 7.中村克 8.武藤
      9.麻田 10.乗本 11.斎藤 12.赤沼 13.渡辺 14.小滝 15.小吹
      (16.難波 17.岸 18.大隅 19.磯岡正 20.穂坂 21.金澤 22.坂本)

    ○交替 8→19(前39分入替)、1→16(後15分入替)、13→21(後23分入替)
        15→22(後23分入替)、3→17(後37分入替)、7→18(後37分入替)
        9→20(後37分入替)


 流経 : 1.川嶋 2.児玉 3.四條 4.グレイ 5.鈴木学 6.松元 7.大石 8.ローゲセン
      9.永山 10.栗原 11.大平 12.大野 13.徳永 14.堀籠 15.土生
      (16.野本 17.伊勢田 18.加藤 19.伊藤 20.佐藤徹 21.佐藤哲 22.マッケンジー)

    ○交替  2→17(前34分入替)、4→18(後0分入替)、13→22(後0分入替)
        3→16(後12分入替)、7→19(後14分入替)、10→21(後23分入替)
        9→20(後28分入替)


 レフリー : 谷口(日本協会)  タッチジャッジ : 湊、山田、後藤


◎得点経過

 法政大学    0              7  12  17 24   27  34    39        39
                              G  T   T  G    P   G     T
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
           
 流通経済大学  0                                                  0


 法政大学   39           46 53      58           65    70      70
                     G  G       T            G     T
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
           
 流通経済大学  0                                                  0

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗


◎得点者

 法政:前半13分 斎藤(T)、乗本(G)
      16分 小吹(T)
      20分 小滝(T)
      23分 池谷(T)、乗本(G)
      28分 乗本(PG)
      32分 斎藤(T)、乗本(G)
      38分 浅野(T)
    後半10分 小吹(T)、乗本(G)
      13分 小吹(T)、乗本(G)
      21分 小滝(T)
      34分 坂本(T)、金澤(G)
      40分 乗本(T)


◎試合内容

流通経済大は秘密兵器を投入してきた。身長188cmで体重が150kgの右PR四條(4
年生)がその人。おそらく日本ラグビー界を見渡しても最も体重が重い選手ではな
いかと思う。(大学生で一番小さい選手はおそらく後半から登場した法政のSH穂
坂だろうか。身長が151cmで体重は56kgだが「大きく」見えた。)

その他にも関東学院戦ではNo.8だったグレイをロックに上げ、FLのローゲセンを
No.8に下げる布陣。前5人の平均体重は106kgという超重量FWの誕生。その狙い
は、ずばり、関東学院戦で粉砕されたスクラムの強化。法政FWをスクラムで圧倒
し、その出足の速さを封じることにより法政のスピードに乗った攻撃のリズムを崩
すという意図があったのではないかと思われる。

しかしながら、大学随一の運動量を誇る法政FWの動きをスクラムだけで封じるの
は困難。しかも最近のラグビーでは、セットプレーに占めるスクラムの比率はライ
ンアウトに比べて小さくなってきている。今後の試合に向けてのテストと捉えたら
いいのか、それとも単なる一時凌ぎなのか、正直ちょっと理解に苦しむ部分があっ
た。

果たして、注目のファーストスクラム。平均体重90kgを切る法政FWは微動だにせ
ず。この時点で流通経済大の思惑は完全に崩れてしまった。法政がマイボールはも
ちろんのこと、相手ボールも素早い集散でことごとくターンオーバーし、活きた球
を快足BK陣に供給し続ける展開となってしまえば、流通経済大の大量失点負けも
やむなし。身長で優位に立っているはずのラインアウトまで調子がおかしくなって
しまい、とくにスローワー(HO)が交代した後半は、セットプレーからはBKに
ほとんどボールが供給できない状態になってしまった。

というようなわけで、どうにか試合になっていたのは前半の10数分くらい。流通
経済大は法政陣の22m内ににほとんど入れないくらいの完敗となってしまった。後
半に法政ゴール前5mの位置でのラインアウトというこの試合唯一の得点機も、結
局法政に簡単にボールを渡してしまい万事窮す。BKのディフェンスは健闘してい
ただけに、FWのスピード不足は最後まで尾を引いた。

やはり、法政のランニングラグビーを根底で支えているのは仕事人の揃ったFWの
選手達であることを強く認識した。劣勢が予想されたラインアウトでもことごとく
相手ボールを奪い取ることができたのは、流通経済大のミスもあったが、法政FW
の集中力の高さのなせる技といえる。マイボールは確実にキープし続けてくれて、
しかも相手ボールもどんどん奪い取ってくれる。こんな頼もしいFWの働きにBK
は応えないわけにはいかない。

だからと言うわけではないが、FWとBKの連携だけでなく信頼関係をも崩しかね
ない本日の流通経済大の戦いぶりは、今シーズンだけでなく来シーズン以降に向け
ても不安材料。首脳陣の意図するところが外れただけなのか、それとも苦悩の現れ
なのか、この試合からだけでは判断できまない。しかしながら、緒戦(関東学院戦)
からは一歩、いや二歩後退といった印象も受ける選手起用ではあった。

                           (2001年10月13日記)


Edited by Kazunori KONO, May/29th/2004   Back