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熱闘!関東大学ラグビー・リーグ戦 "Play Back 2001"

2001 Top

○観戦記録 大東文化大学 vs 流通経済大学(2001年10月20日)

関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2001/10/20) 於:三ツ沢球技場

<試合結果>

            T  G PG DG 得点 | 総得点 反則
 大東文化大学:前半: 2  0  2  0 16 |
       :後半: 4  3  0  0 26 |  42 11
 +-----------------+-------------------------------+-------------+
 流通経済大学:前半: 1  0  0  0  5 |
       :後半: 1  1  0  0 12 |  12 16


◎出場メンバー

 大東 : 1.中村 2.林田 3.坂尾 4.生沼知 5.バツベイ 6.相 7.井上 8.マヘ
      9.山中 10.松尾 11.山田 12.田中 13.岩井 14.海老原 15.大西
      (16.山本 17.藤田 18.丸山 19.鈴木 20.吉村 21.末永 22.藤山)

    ○交替  15→22(後13分入替)、9→20(後15分入替)、1→17(後21分入替)
         2→19(後35分入替)、8→16(後35分入替)、10→21(後35分入替)
         4→18(後35分入替)


 流経 : 1.野本 2.伊勢田 3.川嶋 4.加藤 5.鈴木学 6.松元 7.ローゲセン 8.グレイ
      9.永山 10.佐藤貴 11.大平 12.徳永 13.土生 14.堀籠 15.栗原
      (16.小沼 17.児玉 18.伊藤 19.田口 20.佐藤哲 21.大野 22.マッケンジー)

    ○交替  1→16(後11分入替)、2→17(後11分入替)、5→18(後11分入替)
        9→20(後18分入替)


 レフリー : 港(日本協会)  タッチジャッジ : 鈴木、長家、稲田


◎得点経過

 大東文化大学  0    3                6          11     16        16
                    P                P          T      T
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                         T
 流通経済大学  0               5                                  5


 大東文化大学 16                   23       30    35      40     40
                             G        G     T       G
    時間     0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
                                                   G
 流通経済大学  5                                         12      12

 ※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗


◎得点者

 大東:前半 3分 松尾(P)
      20分 松尾(P)
      31分 マヘ(T)
      38分 岩井(T)
    後半18分 吉村(T)、松尾(G)
      27分 マヘ(T)、松尾(G)
      33分 吉村(T)、松尾(G)
      41分 山田(T)

 流経:前半14分 堀籠(T)
    後半40分 佐藤貴(T)、栗原(G)


◎試合内容

前節、法政大にいいところなく敗れた流通経済大。一方、専修大に圧勝を収め、よ
うやくエンジンがかかってきた大東大。スコアにはそんな両チームの状態が如実に
反映されているように見える。果たして実態は?

結果的に大東大の(トンガ)パワーにねじ伏せられてしまったものの、流通経済大
は先週とはうって変わってとても元気な戦いぶりを見せてくれた。片や大東大は攻
撃がちぐはぐで流経大のミスに大いに助けられたといった感じ。点差ほどの実力差
はなかったというのがこの試合から私の受けた印象である。

[キックオフ前の雑感]

流通経済大の先発メンバーを見てまず思ったことは「やっぱりあれ(法政戦のスク
ラム重視のFWの陣容)は幻だったのか?」だった。巨漢PR四條の名はリザーブ
からも消え、多少の入れ替わりはあるものの、FWは基本的に緒戦(関東学院戦)
での展開力重視のメンバー構成。

そして、BKはSOに1年生の佐藤(貴彦)が入り、FB土生がCTBに上がって
過去2戦で司令塔を務めた栗原がFBに入る新フォーメーション。まだ、試行錯誤
といった感がないでもないが、アタック、ディフェンスとも十分に機能していた。
これが一番いい形なのかも知れない。

一方の大東大はほぼ不動のメンバー。リザーブにSO中垣の名前が見あたらないの
はケガのためだろうか。FWは平均体重約100kgと重量ながらも運動量もあるなか
なかの顔ぶれ。2強(関東学院と法政)を追撃する態勢は整ったかに見えたのだが
...。

[前半]

大東大は優位に立つスクラムを起点として、5番バツベイと8番マヘのパワーで縦
を突き、オープンに展開する戦術。しかしながら、ゲインはするものの流通経済大
の堅いディフェンスを破ることができず、思うように得点できない。昨シーズンと
比べると、流通経済大のDF力は大きく改善されている。あわよくば、法政のよう
に相手ボールを奪い取るところまでいきたいのだが、それは今後の課題といえそう。

前半の30分くらいまでは、大東大優勢ながらも拮抗した内容。ボール支配では大
東大が優位に立っていたものの、流通経済大のねばり強いディフェンスの前になか
なか得点を奪うことができない。再三好タックルを見せて大東大の攻撃の芽を摘んだFL
のローゲセンの活躍が目に付いた。

しかしながら、前半31分に流通経済大陣のゴール前で得たPKからNo.8のマヘが
直接持ち込んでトライ、さらに38分には流通経済大のタッチキックミスに対する
カウンターアタックからCTB岩井がトライを挙げて16-5。ただ、リードは広がっ
たものの、「後半に一波乱」も期待できそうな流通経済大の戦いぶりだった。

[後半]

後半開始早々の2分に流通経済大は絶好の位置(ゴール正面やや左25m)でPG
のチャンス。しかしながら、FB栗原の蹴ったボールは無情にもポストに当たり得
点ならず。これが入っていればビハインドは8点になっていただけに、残念だった。
(結果的に言えば、このPG失敗が勝敗を分けたように思える。)

後半10分には流通経済大はFWのメンバーを一気に3人入れ替えてパワーアップ。
大東大FWの足が止まりかけていたこともあって、試合の流れは流通経済大に傾く。
大東大陣奥深くに攻め入る場面もかなり見られた。しかしながら、再三のチャンス
をノックオンやオフサイドといった(つまらない)ミスで得点に繋げることできな
かったことが響いた。チームの若さがでてしまったのか、気合いが空回りしてボー
ルが手に付かない状態。攻めている流通経済大の方が浮き足立っている様子がスタ
ンドからもはっきりとうかがわれた。

そして、流通経済大がミスを重ねるうちに試合の流れは大東大に。18分に途中出
場したSH吉村がトライを挙げたところで均衡は破れ、続く27分の流通経済大陣
ゴール前でのスクラムを起点としたマヘのトライで勝負は決まった。

[感想]

結果的に完敗に終わったものの、流通経済大にとっては明日に繋がる戦いができた
と思う。ミスが多くてなかなか得点に繋がらなかったものの、積極的なアタックは
昨シーズンのチームにはほとんど観られなかったものだった。何よりも、BKを中
心に闘志を前面に押し出して戦うファイターが揃っているのが強み。今シーズンは
上位に食い込むことが難しくなったが、来シーズン以降が本当に楽しみになってき
た。

一方の大東大だが...。現状では関東学院と法政を脅かす存在になるのは難しい
と言わざるを得ない。チームとしての方向性が固まっておらず、BKの攻撃力も昨
シーズンと比べても落ちているように感じられる。「組織」の中でバツベイやマヘ
のパワーが活きる、という方向にチームを仕上げていくにはちょっと時間が足りな
いように思われる。次の東海大戦は大東大の今後を占う意味でも正念場となりそう
な感じである。
                           (2001年10月20日記)


Edited by Kazunori KONO, May/29th/2004   Back