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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2001/10/21) 於:秩父宮ラグビー場
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
関東学院大学:前半: 5 3 1 0 34 |
:後半: 7 5 0 0 45 | 79 8
+-----------------+-------------------------------+-------------+
東海大学 :前半: 0 0 1 0 3 |
:後半: 0 0 0 0 0 | 3 14
◎出場メンバー
関東 : 1.立川 2.山本 3.山村 4.斎藤 5.北川俊 6.若松 7.鈴木力 8.山口
9.高安 10.今村 11.水野 12.榎本 13.河津 14.三宅 15.角濱
(16.櫻井 17.赤井 18.土肥 19.高山 20.北川貴 21.橋本 22.鈴木博)
○交替 7→17(後0分入替)、1→16(後22分入替)、2→19(後29分入替)
9→21(後29分入替)、12→22(後31分入替)、3→18(後35分入替)
東海 : 1.岩代 2.黒田 3.宮本 4.大谷 5.湯井 6.小笠原 7.梶村 8.京谷
9.浜口 10.三木 11.石本 12.上村 13.高倉 14.百村 15.大東
(16.中村 17.満田 18.須藤 19.島袋 20.宇野 21.高 22.柴原)
○交替 6→21(前32分交代)、5→18(前36分交代)、3→16(後0分入替)
10→22(後14分入替)、1→17(後29分入替)、8→19(後36分入替)
9→20(後36分入替)
レフリー : 下井(日本協会) タッチジャッジ : 藤、森、篠原
◎得点経過
関東学院大学 0 3 8 15 22 29 34 34
P T G G G T
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
P
東海大学 0 3 3
関東学院大学 34 41 48 55 60 67 74 79 79
G G G T G G T
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
東海大学 3 3
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
関東:前半14分 今村(PG)
16分 山本(T)
25分 山本(T)、今村(G)
29分 山口(T)、今村(G)
36分 山口(T)、今村(G)
41分 三宅(T)
後半 8分 山本(T)、今村(G)
12分 若松(T)、今村(G)
18分 水野(T)、今村(G)
27分 山本(T)
34分 鈴木博(T)、今村(G)
37分 三宅(T)、今村(G)
42分 角濱(T)
東海:前半 8分 三木(PG)
◎試合内容
進境著しい東海大学がどこまでやれるかに期待しての観戦だったが、関東学院の強
さばかりが目立つ試合となってしまった。しかしながら、ひたむきに戦い、関東学
院の強さを引き出した東海大学の健闘にも拍手を送りたいと思う。
[前半]
東海大はいつものマリンブルーのジャージではなく、鮮やかなイエローのセカンド
ジャージで颯爽と登場。8分に先制のPGを決めるなど、序盤戦は東海大の溌剌と
したプレーぶりがスタンドを沸かせた。中央大戦での大勝の後遺症なのか、関東学
院にラインアウトでの単純ミスなど「らしくない」プレーが目立つ展開。関東学院
も大学チームのひとつであったかと、ちょっと安心した気分になった。
しかしながら、前半14分に今年売り出し中のHO山本が決めた(BKプレーヤーも
真っ青になるくらいの)鮮やかなトライがそんな悪いムードを一気に吹き飛ばす。
彼がライン参加しても違和感を感じるのは体型だけ。山本は本日だけでも4トライ
と、関東学院のエースといってもいい存在になっている。嗅覚が鋭いというか、と
にかく「美味しい」場所にいるのは先輩HOの蔵譲りという感じもするが、それだ
け忠実に走っているということ。見ていて最高に楽しいプレーヤーでもある。
東海大はディフェンスで健闘していたものの、アタック面では関東学院のようなリ
ズム乗った攻撃ができず苦戦を強いられる。とくに痛かったのは、一次攻撃でゲイ
ンしても、二次、三次攻撃でことごとくターンオーバーを喰らい、それがほぼ確実
に失点に繋がってしまったこと。ラックからのスムースな球出しができなかったこ
とが響いた。前半の早い段階で1トライでも取れていれば、試合展開は少し違った
ものになっていたかも知れない。
逆に関東学院は25分、29分、36分、そして前半終了間際の41分に着実に加点。東海
大ボールをターンオーバーしてからの展開がとにかく速く、自陣22m内からあっと
いう間にハーフウェイを超えてしまう場面が多く見られた。関東学院はけして難し
いことをやっているわけではなく、細かいプレー一つ一つの精度の差の累積が大き
な差となって現れたという感じだった。
[後半]
何とか1トライを返すことにより局面の打開を目指した東海大の健闘も実らず、後
半は関東学院の「トライショー」になってしまった。グランドを縦横無尽に使う関
東学院の流れるような連続攻撃を観客は呆気にとられながら見ているだけと言った
感じ。
ただ、最後まで切れずにディフェンスし続けた東海大の選手達も立派だったと思う。
前半15分以降に関東学院が見せた完璧なラグビーは、東海大の健闘があったからこ
そ。ちょっとうがった見方かも知れないが。
関東学院はリザーブの選手をすべて登場させる余裕を見せるが、攻撃のテンション
は緩むどころかむしろ高まっていった感もあった。東海大にとっては縮まりそうで
縮まらない関東学院との力の差を身をもって感じさせられる試合となった。
[雑感]
充実の一途を辿っている関東学院のラグビーを見ていると、毎年確実に選手が入れ
替わり、しかも与えられた練習時間に大きな違いはない(はず)という状況にあっ
て、なぜ年々成長を遂げていくチームとそうでないチームが存在するのか、という
ことを考えさせられてしまう。
少なくとも、豊富な練習量、優れた選手、優秀な指導者、そして精神的な強さ、と
いったことが強いチームを作るための必要条件ではあっても、十分条件とはならな
くなってきている近年の大学ラグビーの特徴だと思う。関東学院とて、このレベル
に達するまでに気の遠くなるような努力と試行錯誤の時間を費やしてきているはず。
日々の地道な努力の積み重ねというのも重要な要素。
強いチームに正面からぶち当たり、その強さを実感することにより自分たちの足り
ない点を自覚し、明日への糧にするというのはチーム力アップのための第一歩。東
海大には、この経験をバネにさらなる飛躍を期待したいと思う。
(2001年10月21日記)
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