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関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部(2001/11/04) 於:前橋県営ラグビー場
<試合結果>
T G PG DG 得点 | 総得点 反則
中央大学 :前半: 3 1 3 0 26 |
:後半: 1 1 0 0 7 | 33 6
+-----------------+-------------------------------+-------------+
東海大学 :前半: 0 0 0 0 0 |
:後半: 2 1 0 0 12 | 12 12
◎出場メンバー
中央 : 1.中村 2.鈴木康 3.藤田 4.山崎 5.鈴木博 6.城戸 7.森 8.小野田
9.鈴木貴 10.高村 11.福島 12.伊藤 13.松下 14.平田 15.岡本
(16.沼口 17.富井 18.後藤 19.澤田 20.正田 21.渡辺 22.二木)
○交替 10→22(後26分交代)、5→18(後?分交代)
東海 : 1.岩代 2.黒田 3.宮本 4.大谷 5.湯井 6.高 7.梶村 8.島袋
9.吉田 10.三木 11.石本 12.杉山 13.高倉 14.百村 15.大東
(16.中村 17.成島 18.須藤 19.西岡 20.浜口 21.小原 22.柴原)
○交替 5→18(後34分交代)
レフリー : 谷口(日本協会) タッチジャッジ : 西澤、窪田、竹渕
◎得点経過
中央大学 0 3 6 11 18 23 26 26
P P T G T P
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
東海大学 0 0
中央大学 26 33 33
G
時間 0----+----1----+----2----+----3----+----4----+ 得点
T G
東海大学 0 5 12 12
※時間×10分,T=トライ(5点),G=トライ+ゴール(7点),P=PG(3点),D=DG(3点),x=PG失敗
◎得点者
中央:前半 4分 伊藤(P)
11分 伊藤(P)
23分 福島(T)
27分 平田(T)、伊藤(G)
35分 福島(T)
43分 伊藤(PG)
後半30分 平田(T)、伊藤(G)
東海:後半23分 高 (T)
33分 百村(T)、三木(G)
◎試合内容
1週間前に大東大を破り、上位進出に向けて意気上がる東海大。かたや日大に勝利
したものの、大東大、関東学院、法政大に対していいところなく敗れて元気のない
中央大。勢いに乗る東海大が中央大をも一気に飲み込むかとの予想は完全に外れ、
気迫のタックルで東海大の怒濤の攻撃を止め続けた中央大が勝利を収めた。中央大
の「魂のラグビー」に惜しみない拍手を送りたいと思う。
[キックオフ前の雑感]
ピッチに登場したときから東海大にはどこか元気が見られなかった。試合中も負傷
で倒れ込む選手が多く、明らかに連戦の疲れが出ているといった感じ。大東大に勝
ったことでやや緊張の糸が切れた部分があったのかも知れない。アップも調整を中
心とした軽めのものだった。試合前から鬼気迫るものを感じさせた中央大とは対照
的。ただ、その勢いの差が試合にも出てしまうとは予想できなかった。
[前半]
赤城おろしのやや強い風が吹く中でのキックオフ。ボールを支配したのは風上にた
った中央大ではなくて東海大の方だった。しかしながら、イージーなパスミスやノ
ックオンなどの細かいミスが多く、なかなか得点を挙げることが出来ない。開始早
々に司令塔のSO三木が負傷退場(一時退場で、以後入退場を繰り返す)したこと
も響き、オープン攻撃に冴えが見られなかった。
せっかくWTBまでボールが回っても、それがことごとくエース百村の反対サイド
だったのも残念といえば残念。オープン攻撃が今一歩ということでFW周辺で攻め
るものの、ここは中央大の一番強いところ。鋭い(突き刺さる)タックルでしっか
りと止められ、反則あるいはターンオーバーでタッチに逃げられるという展開の繰
り返しだった。風をしっかり味方に付けるところなど、やはり試合運びには中央大
の方に一日の長がある。
中央大はディフェンスだけでなくアタックも見事だった。FWでサイドを突き、ハ
ーフ団とWTBのコンビで前に出て素早く連続して縦に攻める中央大の得意とする
形が出ていた。前半4分のPGで先制した後、続く11分にもPGで加点。そして23
分、27分、35分に両WTBでトライを奪い着実に点差を拡げる理想的な戦い。チャ
ンスをなかなかものに出来ない東海大とは対照的だった。
終了間際にも中央大はPGで追加点を挙げて26-0で前半を終了。風下の後半のこと
を考えれば、まずは十分な貯金。東海大は何とか1トライでも返しておきたいとこ
ろだった。
[後半]
風上とは言え、26点のビハインドは大きく、何とか早い段階で得点を挙げたい東海
大。後半開始から約20分間は完全な東海大ペースとなり、試合は95%以上が中央陣
内で行われるといった状態。しかしながら、相変わらず決め手に欠けるのが本日の
東海大。確実にオープンに展開すればトライというところでミスを犯したり、FW
でゴールライン寸前まで迫るものの中央大の捨て身のタックルに阻止されたり、と
なかなか得点が奪えない。東海大応援席から出るのはため息ばかり。
そして、ようやく東海大の得点ボードが動いたのは後半の23分。FWで力づくで奪
ったトライ。反撃の狼煙を上げるにはあまりにも遅すぎた。もう少し早い段階で得
点を挙げていれば、後半の展開ももう少し違ったものになっていたかも知れない。
ここで気を取り直して残り10数分にすべてをかけたい東海大だったが、後半30分に
痛恨のミス。オープンに展開し完全に数が余ったところでラストパス!を中央大の
WTB平田が待ってましたとばかりにインターセプトしてゴールポスト中央まで一
直線。ここで勝負は完全に決まった。
その直後に、今やリーグ戦のエースと言っても良い存在になっている東海大百村の
豪快なトライが生まれるが、時既に遅しだった。このトライ、並み居る相手DFを
弾き飛ばしながら40mを走りきった見事なもの。最後は2人をひきずりながらのゴ
ールインだった。
ノーサイドの瞬間は残酷なくらい両者の明暗を分けた。これで上位進出が視界に入
ってきた中央大と大学選手権出場に黄色ランプが灯り始めた東海大。ピッチにへた
り込んでしまった東海大フィフティーンは、つい1週間前には熊谷で歓喜の渦の中
にいたはず、と思うと複雑な気持ちになってしまった。
[試合後の雑感]
中央大の試合を観るのは交流戦の筑波大戦以来。まったく「別のチーム」だった。
まずは気迫のタックルだが、速い集散でしばしば東海大ボールをターンオーバーす
るなど、とにかくFWの動きの良さが際だっていた。FW第3列とハーフ団の連携
がよく、トライはWTBで取るという理想的な展開。
だから、というわけではないが、これだけ出来るのに関東学院や法政に歯が立たな
いのは何故か、とファンならずとも思ってしまう。ツボにはまればそこそこのチー
ムという(変な)伝統はそろそろ払拭してしないと、エレベーター状態(上位と下
位を行ったり来たり)をなかなか脱することができないのではないかと思われる。
一方の東海大だが、やはり課題は精神面と言えそう。僅か1週間の間でのチーム状
態の急激な変化を目の当たりに見てしまうとそう考えざるを得ない。それと、首脳
陣は変わっても昔のチームカラーはなかなか変わらないものだな、とも思った。確
実なプレーが求められているところで軽いプレーに走ってしまうのは2部落ちする
前のチーム譲りで、チーム力をアップさせるためには明らかにマイナス。明日があ
るチームだけに、しっかりと建て直して欲しいところだ。
(2001年11月4日記)
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